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プロローグ


9月のある日のこと。

台風で雨風が窓に吹きつける中、私は自宅にこもり、ひたすらPCでニューヨーク行きの飛行機をチェックしていた。

あるときふと思ったのだ。
今年の年末年始は、海外へ行こう。

その理由には、いろいろなことが重なっていた。

8月の誕生日、親から送られてきたプレゼントのメッセージには「もう少しいい仕事を見つけてほしい、早く結婚してほしい」みたいなことが綴られていた。ちょっと嫌気がさしたと同時に、年末に実家に帰っても同じことを言われるんだろうなと、想像した。
ちょうどその頃、切れたと思っていたパスポートの期限がまだ1年弱残っていることに気付き、たまたまあった平日休みを使って更新していた。パスポートを更新したら、それだけで急に海外に行きたくなった。
さらにその頃、「旅貯金」と称して、自宅の封筒に毎月1万円ずつ貯金していたお金が、ある程度まとまった額になっていた。

なにより、30歳の誕生日を過ぎ、なんか人生このままでいいのか?という疑問もありつつ、よくわからないけれど何かを変えたい、何か特別なことがしたい、そんな思いで、いっぱいだった。

年末年始に海外旅行に行けば、ある程度まとまった休みがあるし、旅行を理由に実家に帰らなくて済む。

どこにしようか。
ハワイもいいな。でもムダに高いな。
死ぬまでに一度は行ってみたかった、ニューヨークもいいな。。。

ニューヨークは寒い。でも地元だって寒いじゃないか。どうせ例年極寒の新年を迎えるのだから、同じ極寒でも刺激に溢れたところで新年を迎えたい。

こうして私のニューヨーク行きは決まったのだった。

Staring at the blank page before you
Open up the dirty window
Let the sun illuminate the words that you could not find
Reaching for something in the distance
So close you can almost taste it
Release your inhibitions 

https://www.youtube.com/watch?v=b7k0a5hYnSI


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