【実践SEO講座】国内旅行サイト編
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本日は、国内向け旅行サイトのSEOを考えていきます。
今回のSEO調査対象キーワードは、全193497個。
旅行サイトは考えられるキーワードの数とパターンが多いので、なかなか膨大な数になりました。
国内旅行の主要プレイヤー
日本旅行業協会によると、日本には大小合わせおよそ1万の旅行会社が存在しているようです。これに外資系の会社を加えると更に数が増えることになりますが、ここでは日本国内においてキープレーヤーとなっているであろう数社をピックアップし、系統別にまとめてみます。
オンライン旅行業界には、大きく「旅行予約サイト」と「旅行比較サイト」の2種が存在し、厳密に言えば両者は別のものです。しかし本稿はあくまでSEOの考察なので、予約サイトと比較サイトはあえて同列にして扱います。
国内旅行SEOにおけるビッグワード
旅行サイトにおけるCVは基本的に旅行の予約になりますから、基本的にはサービス名に紐付いたキーワードを狙っていくことになります。考えられるビッグワードは、以下のようなものになるでしょう。
これらのビッグワードを、月間平均検索数と年間検索数合計で比較してみます。
単体のキーワードでは、ホテルが圧倒的に検索数が大きく、ツアー関連は少ないことがわかります。
続いて、これらのビッグワードに対する各プレイヤーの影響力を確認してみます。Y軸に上記のビッグワードが100位以内にインデックスされている数を、X軸にキーワードからの流入期待値の合計を取り、プロットします。
右上に近づくほど「インデックスされているKW数が多く、そこからの流入期待値も高い」という図になります。楽天トラベルがかなり強いことがわかりますね。
インデックス数と検索ボリュームを総合的にみると、楽天トラベル、じゃらん、トラベルコ、JTBが頭一つ抜けており、ほかは接戦のようです。トリバゴはインデックスされているKWこそ少ないものの、最も検索数の多い「ホテル」で最上位をキープしているため、自然検索流入はかなり大きいのではないかと推測されます。
ビッグワードの時系トレンド
ビッグワードの検索数をトレンドで振り返ると、過去4年でホテルのボリュームが倍以上になり、全体としては上昇傾向にあるようです。民泊など新しい宿泊サービスが増えてきていますが、やはりまだまだ検索ニーズは高いようです。
キーワードの発見と設計
ここまでは、国内旅行SEO市場を俯瞰してみてきました。
ここからは、よりキーワードの粒度を細かくして観察します。
具体的には、検索行動の際に頻出するキーワードを予測し、それぞれの掛け合わせがどれほどのボリュームを持っているかを割り出していきます。
まずは先ほどのビッグワードを基準とし、「国内」という接頭語をつけて基本の軸とします。
さらに「格安」という接頭語をつけて、こちらも格安軸としてグルーピングします。
ホテルや旅館は高級志向のものも存在するので、高級軸というグループも作ってみましょう。
旅行マーケティングは、季節性も重要です。時節を表すキーワード群もグルーピングしておきます。
他の頻出キーワードとしては、「温泉」「絶景」といったレジャー系のキーワードと、「一人旅」「新婚旅行」といった旅のスタイルを表すキーワードが考えられます。
ここまでで、軸となるキーワードが一通りそろいました。次はこれらの軸キーワードが何のキーワードと掛け合わされて検索されるかというのを考えます。ここでは以下のように設定します。
詳細は割愛しますが、調査の結果、およそ1900個のキーワードが検出できました。これを先に設定した軸キーワードと掛け合わせると、およそ19万通りのキーワードパターンを生成できます。
最後に各キーワードパターンの検索ボリュームを調べ、完成です。
結果のサマリ
設定した各軸に紐づく組み合わせパターンをグループ化し、ボリュームを比較しています。ビッグワード比較ではホテルが圧倒的でしたが、掛け合わせキーワード郡では「観光」関連が最も大きなポテンシャルを持っているようです。(例:北海道 観光、渋谷 観光、など)
季節軸やスタイル軸のキーワードは、ニッチな部類に入るようです。一方、レジャー軸は中規模なポテンシャルを持つものが多く、特に「温泉」はビッグワードに引けを取らない大きさです。「お土産」「グルメ」「レストラン」も、旅行関連では鉄板のキーワードですね。
キーワードの組み合わせ別でも傾向をみてみます。
予想通りの感じでもありますが、「基本軸X市区町村」「基本軸X都道府県」の組み合わせが群を抜いています(北海道 航空券、沖縄 旅行、など)。レジャー軸との組み合わせもかなり大きいですね。
しかし同じエリアタイプの組み合わせでも、格安軸や季節軸といったほかの軸ではあまりボリュームが出ていませんでした。
まとめ
やはり旅行SEOでは、どんなサービスを展開するにせよ、都道府県や市区町村といった地域名でのアプローチが非常に重要なことがわかりました。
さらに「観光」を軸としたパターンのポテンシャルが非常に大きいため、観光情報をうまく絡めたサイト構築・ページ生成ができれば、流入数の増大につながりそうです。
レジャー関連のコンテンツも、「温泉」「お土産」「グルメ」「美術館」の4テーマに絞ることで効率的な集客が見込めそうです。
今回は攻めるべきポイントが明確に出てくる結果となりましたので、対策も立てやすいのではないかと思います。
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