強くなった、わたし。 ~きっと海外生活が、私を強くした。
4月。新年度が始まりました。
真新しいスーツを着た若い方をあちこちで見かけると、こちらまで新鮮な気持ちになります。
自分もあんな風だっただろうかと、つい記憶を振り返ってしまいます。
社会人になったばかりの頃の私は、今よりもっともっと弱かったです。
これまでの価値観が通用しない世界。
社会人の常識がわからず、職場の言葉がわからず、日々混乱していました。
毎日の生活をこなすのに一杯一杯で、余裕なんてちっともありません。
それでも、新しいことへの挑戦と新しい友人関係を、懸命に楽しもうとしていたと思います。
これまで、何が私を強くしたのだろう。
慣れ、経験、人からのアドバイス…
これも、もちろん大きかったです。
優しい先輩や聡明な友人が、私を勇気付けてくれました。
でも、私にとって1番の契機は、ドイツに住んだことだったと思えるのです。
(先日、ドイツの友人に「ドイツから帰ってきて強くなったよ」と話したら、「いいね!Strong Shizuka!!」と笑われました。。。)
「外国人」になるということ
自分が「外国人」というマイノリティになる経験。
常識も社会ルールも言葉も友人も、何ひとつ確かなものがない生活。
この気持ちは、現地で生活して初めて直面するものだと思いました。
今まで日本で、一般的(?)で多くの人と同じような生活を送ってきた私。
そんな至って普通のように見える人間でも、異国に住めばあっという間に少数派。
身振り手振りから、挨拶、社会ルールまで、違和感を感じたら間違っているのは、まず私なのです。
「何を得たのか?」とずばり聞かれると、はっきり答えるのは難しいです。
強いて言えば、「タフになった」。
これは真実だと、納得できる答えでした。
失敗しても大丈夫、と思えるようになった。
以前は、失敗すると非難されると思い、失敗に対してとても臆病でした。
できるだけ完璧を目指し、失敗したらすべてがお終いのように感じてしまうこともありました。
でも、ドイツ生活に慣れてくると、失敗するのがだんだん平気になってきました。
ドイツの人は、自身の失敗をあまり気にしている様子が無いのです。
周りの人も、小さな失敗についてほとんど文句を言わず、気にしていません。
その代わり、失敗したことをどうリカバリーするか、ということをすぐに考え始めます。
そして、大抵は解決策が見つかります。
他人を許せるようになった。
ドイツでは、失敗しても何をしても、堂々としている人が多かった気がします。
最初は、「なぜ失敗したのに謝らないんだろう?」とよく疑問に思いました。
でも、よくよく考えてみれば、本当の原因は複合的で、その人だけが負うべきでないことも沢山あるかもしれません。
ドイツ人は割と直接的にものを言う人が多いので、形式的な謝罪をほとんどしません。
人を責めても、始まらないのです。
人間はミスをしますし、休憩も必要です。
ドイツの人はそのことをよく知っているようで、ミスをすれば「疲れているんじゃない?」とよく言われました。
小さな失敗は、かえって人間らしいとすら感じるようになりました。
休むのが上手になった。
ドイツに限らずヨーロッパ全体に言えることかもしれませんが、皆さん休むのが上手だと思います。
ヨーロッパはカフェ文化が根付いており、コーヒーブレイクは必要な休憩です。
ドイツ人は休暇を取るのが楽しみで仕事をしていると言われるくらい、年に数回、長い休暇をきちんと取ります。
日本にいると、本来異なるはずの、休むこととサボることが紙一重な気がしていました。
気兼ねなく休暇を取って、同僚と休暇中の話をし合うのは、とてもリラックスできる時間でした。
自分のために、家族のために休んでいいのだと、当たり前のことを教えてもらいました。
楽観的になった。
自分が気にしていたこと。
日本に住んでいた時の世界観。
日本で私を取り巻いていたもの。
それらが、まったく問題にもならない世界がある。
そんな体感を得ました。
もしかして、気にしていたのは自分だけだったんじゃないか。
それなら、気にした方が負けです。
そして、皆考えることが違うのは当たり前なので、わかってくれる人もいれば、わかりあえない人もいるのです。
自分が悪いからではなくて、世界はそういうものなんだと思うと、気が楽になりました。
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人生のきっかけになる出来事は沢山あります。
直近では、それがたまたまドイツに住んだ経験だったのだと思います。
目の前のことに一杯一杯になりがちな、新年度。
辛くなった時こそ、世界は自分の周りだけではないことを思い出してください。
広い世界を、ゆるーく、楽しんでいきましょう。
Schönen Tag noch! 😄