人間は植物に追われて暮らす
夏の花が終わると、春に咲く花のタネ蒔きや球根の植え付けで忙しい。
と言っても、大都会のど真ん中、一号線沿いのわが家に広い庭があるわけではない。
市有地だけど駐車場が近いし、ゴミ出し通過道だし、電車の駅も近く、人も車も多い。
そこに広い空き地があり、草ぼうぼうの空き地だったころは、空き缶やらペットボトルもお弁当のカラが入ったレジ袋などが毎日のように捨てられていた。
ちいさなトカゲがちょろちょろしていたし、雨上がりはやぶ蚊の襲来。そんな空き地を見るに見かねて十数年前からひとりで草むしり、花の苗やタネを育ててお花畑にした。
年中、何かの花が咲いているようにしているので、空き缶もペットボトルも弁当のカラも捨てられなくなった。
人間の心理として、そこがきれいなお花畑なら誰もゴミを捨てなくなる。
花を見て怒る人はいないし、花が嫌いな人もいないだろうと思う。
目に飛び込んでくる季節感ある花は、人の心も美しく変貌させるものらしい。
植物は時季をよく知っていてその時々に人間が手入れをしないとあっという間に雑草の群生地と化す。
雑草と言えども花はきれいです。
種を蒔いたそばに雑草も同時に育ってくるから、それを抜かないと花は負けてしまう。
今の花たちは野生ではなく、園芸品種なので弱い。
人間の都合に合わせてくれないので、
花たちの(ホラ、今タネを撒かないと芽出さないよ~)
と無言の圧力に追われて、時季に種蒔きしなければならない。
逆に、成長を阻止したい木があり、チェンソーで伐れば早いけど、それは成長している植物を殺すことだから、やっぱり殺生だよねと自分に言い聞かせながら、でもトゲがあるから花壇で作業しているときにちくちく刺さって私痛いの。
ごめんだけど黒い袋かぶせるよと木に話かけつつ先日、ホームセンターで黒のゴミ袋の大きいのを買ってきて、その木をかぶせたのです。
今、花壇の中に黒いものがあるので不思議がられていますが、植物は光合成で育つもの。
育たないようにするには光合成できないように光を遮断する。
時間はかかるだろうけどいずれは枯れます。
家庭菜園している人もプロの農家さんも、植物に追われて必要な作業をしている忙しい。
昔からある日本の言葉。
二月の雪、三月の風、四月の雨が、美しき五月を作る
日本人の感性豊かな表現ですねぇ。
でも今年のように桜もつつじも、大好きなふじの花も満開が早くて、ちょっと季節感が狂います。
コスモスが日ごとに伸びています。