十字架のろくにん【読書感想文】
お休みの日。
やることはたくさんあったはずなのに、ベッドでごろごろしていたら一日が溶けていった。そんな健全な休日。
『十字架のろくにん』というマンガを読みました。
グロテスクな表現も多めの、復讐劇です。
▼ あらすじ
小学生の漆間俊は、同級生5人にいじめられた末に家族まで奪われる。
漆間は復讐をちかい、祖父の指導のもとで生まれ変わる。4年の月日が流れた後、当時の同級生たちに順番に復讐していく・・・。
いじめっ子たちは、救いようのない「悪」たちで、漆間は良心の呵責なく同級生たちを殺害していきます。
しかし、いじめっ子たちが「悪」として描かれていることに、わたしは多少の引っ掛かりを覚えました。
たぶん、すこし前までのわたしなら、いじめっ子たちになんの感傷も抱かなかったと思います。
しかし、最近、『ケーキの切れない非行少年たち』という書籍をよみ、それ以来、世の中に対する見方がちょっとかわりまして。
その書籍では、非行少年に共通する特徴をつぎのように挙げていました。
認知機能の弱さ:見たり聞いたり想像する力が弱い
感情統制の弱さ:感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる。
融通の利かなさ:何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い。
不適切な自己評価:自分の問題点が分からない。自信がありすぎる、なさ過ぎる。
対人スキルの乏しさ:人とのコミュニケーションが苦手。
+1身体的不器用さ:力加減ができない、身体の使い方が不器用
『十字架のろくにん』で登場するいじめっ子たちは、確かにみなこのような特徴を持っており、精神的にサポートしてあげるべき問題を抱えているように思います。
いじめの被害者となっている漆間がつらいのはもちろんです。
しかし、「いじめっ子たちに精神的問題がある」と漆間やそのまわりの人々が認識し、適切な指導を施せるような状況だったら、事態はすこし違っていたのではないかと思いました。
偉そうなことは言えませんが。
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