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A Chiristmas Carol 1-約束-

 こんにちは。

先日、久々にチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」を読みました。子供向けにもたくさん翻訳本が出版されている、とても有名な本。

けれど、私自身がこの本と出会ったのはずっと大きくなってから。それ以来この本は、私にとって特別な一冊になりました。始まりは3年前、高校2年生の冬。英語の先生から「少し早めのクリスマスプレゼント。この本を読んで、感想を聞かせて」と原書を手渡されたことでした。


本を開いてみると、英語初級者向けに作られているからさらっと読めるし、長すぎず、ちょうどよいくらい。純粋に楽しく読めました。幽霊が出てきたり、いじわるな主人公・スクルージがどんどん人の温かさを取り戻していったり。エンディングで泣くことはなかったけれど、心にほわっと暖かい灯が広がるような心地良さが残りました。

さっそく先生に読み終わったことを伝えに行くと、先生はこう続けました。
「この本の真のメッセージは何だと思う?」

「えっどういう意味ですか?」

「イドは読み終わったあと、何も感じなかった?」

じっくり考えてみたけれど、やはり「面白かった」以外の言葉が出て来ない。「真のメッセージ?ディケンズはこの物語で何を伝えたかったの?」と思考を巡らせるうちに、だんだん迷路に入り込んでゆく感覚がしました。

ただ、そうしているうちに、そういえばストーリーについて少し理解できない部分があったなぁと、その違和感だけは思い出したのです。

そのことを勇気を出して先生に伝えてみました。

「この物語のメッセージはよく分からないけれど、エンディングの部分があまりしっくり来なかったように思います。物語で一番大事な部分を、私は理解できなかったと思います。」

慎重に言葉を続けた私を見て、先生は言いました。

「もしかしたら高校生のイドには、まだこの物語を理解するのは難しいかもしれないね。実は俺が理解できるようになったのも、今のイドよりずっと大人になってからだった。

けれどこれから、さらにたくさんの経験や学びを積み重ねた先で、きっと理解できる時が来る。そしてその時、この本はイドの人生をより豊かにしてくれるよ。

だから将来、必ずまたこの本を開いてほしい。約束だ。そうしないと俺がこの本を『今』イドに渡した意味がなくなるよ。これが、俺からのクリスマスプレゼントだ。」


その言葉は不思議とすっと入ってきて、「その時」が来るまで私は、焦らずに大切に心の中にしまっておこうと思いました。

決して目には見えないけれど、
思い出とともに刻まれた、私にとってとても暖かくて大切なプレゼント。

いつか、未来の私が開くクリスマスプレゼント。

そう思った瞬間、また生きる楽しみが一つ増えた気がしたのでした。



***

I finished reading “A Christmas Carol” last night, the author of which is Charles Dickens. It was my second time to read this book. I read it for the first time about 3 years ago, when I was a high school student. My teacher recommended me to read the book. Actually, it was not too difficult for me to understand the story. It is a light, easy novel. However, when my teacher asked me “what do you think is the core message of this story?” I could not answer anything. It was interesting, but that was all. I couldn't learn anything from it.

Here's my teacher’s words; “As you are still a high school student, it might be difficult for you to understand what Dickens exactly intended to tell you through this book. However, after you have more experiences in the future, surely, you will understand it. So, keep it mind and don’t forget this book.”

Well, sorry my teacher,
Frankly speaking, more than 3 years had passed when I recalled your promise. When I cleaned my room few days ago, I happened to find this book, which reminded me of his words, and I started to read it again.











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