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旅するトレーナー in 三重県〜奈良県    《奈良県編》



奈良県編

今回の旅のきっかけ

2024年3月の淡路島の旅(ブッシュクラフト講習)で出会った方が奈良県下北山村の「つちのこパーク」という所で村おこしの活動をしているという話を聞いて、「ビビッと」来ました。
旅するトレーナーのテーマである自然を探究し、人間の本質的な暮らし方とは何かを考え実践するために、自然豊かな場所で暮らしている方々がどのような思いでどのように暮らしているのか、その場所を見て現地の人のお話を聞いてみたい!と思いました。
あと、ツチノコと村おこしの活動にとても興味がありました。
そのことを伝えたところ、今回ありがたいことに村を案内して頂けることになりました。


下北山村とは?

下北山村は、昭和60年代に「ツチノコを見た」という目撃者が現れたのをきっかけに、ツチノコ探検のイベントを企画し多数のマスコミに報道されたことにより、全国にツチノコブームを巻き起こした場所です。

下北山村の入り口付近にあった看板


ツチノコのフィギュア


ツチノコ探検隊

当時、村を活性化するためにツチノコ探検のイベントを企画したり、ツチノコ共和国を建国し、多くの人を呼び込み、村の知名度アップに成功されました。

ツチノコ探検イベントでは、賞金100万円の手配書を作り、全国からマスコミ関係者も含む200人以上の人が参加したそうです。

その当時の企画・担当をされていた方をご紹介して頂き、貴重なお話を聞くことができました。

当時の貴重な資料やスライドを使って、ツチノコのことや、探検隊を作った経緯など、村おこしの方法について丁寧に説明して下さいました。

「ツチノコ共和国は、ユーモアと遊び心を基本に村の活性化に寄与」という目的で活動されていたとのこと。

大人たちが伝説の生物であるツチノコをいると信じて、夢とロマンを追いかけて活動し、多くの人に影響を与えた。

素敵な時代だなと思いました。

ツチノコ探検では、ツチノコをきっかけにみんなに楽しんでもらえるように、村の自然を活かしたネイチャーゲームなど様々な自然体験も織り交ぜて、村の魅力を知ってもらっていたそうです。

自然の中で活動する自分にとって、とても参考になる貴重なお話でした。

当時のツチノコ共和国のパスポート。遊び心がある。


ツチノコ共和国の意志は、今はツチノコパークに受け継がれて新たな世代の方々が村の活性化のために活動されています。


ダムの役割〜都会と自然〜

ツチノコのお話を聞いたあと、村内にあるダムを案内して頂きました。
下北山村には、アーチダムとしては日本最大の総貯水量と湛水面積を誇る発電用ダムがあります。

ダムによる発電の仕組みと電気の供給についてお話を聞き、とても勉強になり考えさせられました。

水力発電は自然の地形の高低差を利用して流した水の力によって電気を生み出しています。
そして、その電気を都市部に供給しています。

そのため、都市部では当然ダムを建設する敷地はないし、高低差がないと水力発電はできないので、都市の平野部でダムを建設するのは難しいので地方に建設することになります。

つまり、都市は地方とそこの自然の力で成り立っているというわけです。

都市部で暮らしていると、人間の力で現代の快適な暮らしができていると思い込んでしまいますが、実は自然の力を借りて生きているのだということを実感できました。

これだけテクノロジーを進化をさせた人間の力は素晴らしいですが、自然の力があってこそということを忘れてはいけないと思いました。


下北山村の郷土料理

夕飯はご自宅に招いて頂き、下北山村の郷土料理のアマゴと春マナを頂きました。
アマゴは塩焼きで出して頂き、身が締まっていてとても美味しかったです。

アマゴの塩焼き


春マナは初めて食べましたが、村では春マナの上に特製の味噌を塗って、その上にご飯を乗せて包んで食べるとのこと。
これがまた最高に美味しい!

春マナ


村の方々は、庭で家庭菜園をやっている方が多いです。その規模も大きく、半分自給自足の生活をされています。

食べきれないほどできるので近所の人にあげたり交換したりしていたそうですが、今では販売所が作られてそこに村の方々が作った野菜を持ち寄って販売しているそうです。
こうしてお金を循環させる仕組みも作られていました。


キャンプ〜満点の星空とダム〜

その日の夜はダムの下にあるキャンプ場でテント泊しました。
キャンプ場からダムを見上げると圧巻です。

池原ダム
ダムの上から見たキャンプ場


夜は満点の星空を眺めることができました。
流れ星もいくつか見れて最高の夜を過ごせました。

満点の星空



Toshiko's blueberry jam

翌日は、無農薬のブルーベリーを育ててブルーベリージャムを作っているという方のお宅に伺い、収穫と剪定のお手伝いをしました。

その方は、独学でブルーベリーづくりを始めご夫婦二人で育てています。

ブルーベリーは200kgほど収穫できるそうですが、一粒一粒収穫していく作業はとても地道で繊細で大変な作業だと思いました。

採れたてのブルーベリーは、甘くて美味しくて体に染み渡りました。

このブルーベリーを使って商品化しているブルーベリージャムも頂きました。
無農薬のブルーベリーとグラニュー糖、レモンだけで作られていて、クラッカーに乗せて食べたら、爽やかな甘味でとても美味しかったです。

このパッケージのシールは一枚一枚カッター付きのコンパスで切り抜いて貼っているそうです。包装の紙は、加工時に余ったブルーベリーの汁を障子紙に染めたもので、この方の優しさが詰まったとても丁寧に作られたジャムです。

このジャムが村のことを知ってもらうきっかけになれば良いとおっしゃっていました。この方は、今回の僕のように村への移住希望者や農家体験したいという人を優しく受け入れて下さっています。
その人たちに手伝ってもらいながら、村のことを知ってもらう良い循環だなと思いました。


下北山村で一番古い飲食店

最後に、村で一番古いというおすすめの定食屋さんでお昼ごはんを食べました。
村内には3つしか飲食店がないそうで、ここは創業33年だそうです。

優しく温かみのあるお母さんがお一人で切り盛りしています。

僕はカツ丼を注文しました。

どこか懐かしい、温かみのある優しい味で、とても美味しかったです。

食べながら、お母さんと創業当時のことや、村のこと、ツチノコのことなど色々お話して、とても楽しく心がほっこりする時間でした。


ツチノコ〜夢とロマンを追い求めて〜

最後に、ツチノコのお話を聞いた時に心に残ったことがありました。

昭和の時代は、ツチノコの目撃者が何人もいたそうです。
しかし、今では目撃者が減っているそうです。

これは目撃者が減ったのと山離れがリンクするのではないかと思いました。

昔は林業が盛んだったり、山菜を摘んだり、子どもは山で遊んだり、人は山と共に暮らしていたので、山に馴染みがあり山に入るのが日常だったので目撃者が多かった。

しかし、その機会が減っていたり、現代はテクノロジーの進化によりスマホなどでエンターテイメントなどをいくらでも楽しめるので、ツチノコなどの伝説に夢とロマンを追い求めることもなくなっていっているのではないかと思いました。

昭和60年代のようにツチノコで村だけでなく日本中が盛り上がるような活気のある時代は素晴らしいと思います。

でも、現代には現代の良さがあります。
当時の想いを受け継いだツチノコパークの方々が村を盛り上げようと色々企画されています。

お土産に、ツチノコパークがアウトドアスパイスで有名なほりにしとコラボしている商品を買いました。

下北山村の文化と自然と人に触れて、下北山村が大好きになりました。
また別な季節に行きたいと思います。


奈良県編  旅のまとめ

今回の旅は、前回の旅で出会った人から繋がった旅でした。
その人と出会わなければ、今回こんなに村の方々と深く交流できることはなかったと思います。

自らが目的のために行動し、出会いが生まれ、そしてまた新たな出会いを呼び、人と人が繋がっていく。

僕の座右の銘は、「すべては人なり」です。

人との出会いは、色々な思いや気づき、新たな発想を与えてくれます。
また、自分の思いを共有して一緒に考え昇華させることもできます。
思いやりを受けて心がほっこりしたり、思いやりを渡して優しい気持ちに
なれたり。

そんな人と人との繋がりの大切さを実感できた旅でした。


そして、人は自然の一部でもあります。
「すべては自然なり」とも言えます。
そう思えた体験を三重県編で書きたいと思います。

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