見出し画像

人事ガールからはじまるジレンマ~いまもキャリコンとしてぐるぐる悩み続ける

いまはすでに定年の近い人事サラリーウーマンなんですが、新卒半年で配属されて以降ずっと人事だったので、人事ガールだった時もあるわけです。

人事ガールが企画しがちな研修


私が新卒で就職したころは男女機会均等法が施行されて数年といったところだったこともあり、人事部長たちのアタマの中は「まだまだ」だったわけですよ。いまでも「昭和の思考」とか言われるけど、そのころの部長たちって、いまだとなんらかの注意を受けるレベルだったんじゃないだろうか。

部署に一人しかいない女性社員、つまり昔でいう「女の子」のことを「谷間の白百合」とか言ってた人事部長いるし。
「谷間から見たら白百合が見えるかもしれませんけど、白百合から見たら谷間しかないですね」って返したら答えはなかったよ。白百合が視線を持っているって思ってなかったんだな、アレ。

そのころの人事ガールの陥りやすいジレンマは、そう、「男女平等」だったんですねえ。給与制度は一応平等だけど、教育機会や昇進機会は全然男性優先で、実質給与に相当の差があった。そうなると人事ガール、がぜん、女性社員に対してもハッパかけちゃうんですね。

女性のための研修とか開いて「もっと女性が頑張っていこうよ」「管理職を目指していこうよ」みたいに語り掛けるんだけど、これが恐ろしいほど響かないんだ。

おそらくは人事ガールは女性社員から見て「仲間」でもなんでもなかったんだろうな。
机上の空論を語って檄を飛ばすわりには、私たちの仕事もなにもわかってないって思われてたんだろうな。

ここで人事ガール、最初の挫折を味わいます。

人事ウーマンの響かないアドバイス


そして次に味わうのが、ワーママへのアドバイスっていう難関です。ちなみに私はシングルで子供もいません。だからこそ味わう2度目の挫折。

今はそれほどでもないけど、昔は女性の就業率がM字カーブになってるって問題視されてましたよね。昭和50年代と比べると、M字カーブが浅くなっているのがわかります。

うちの会社でも、結婚したから、子供を産んだからって即辞める女性はほぼいません。子供を育てる中で「もっと子供といたい」とかで辞めた方はいるけど、まずはみなさん育児休業をきちんととってます。

ただねー、この育児休業時のリスキリング問題ね。
これ、20年前から同じです。
アドバイスすると必ずボコられます。「そんな時間はない」って。

そういわれると黙るしかない。私はシングルだし子供もいないから。
そりゃー実家などのサポートや、そもそも旦那さんとどれだけ家事や子育てをシェアできているかっていうのもあるし、そういう問題を旦那さんとちゃんと話してるのか?ってのもある。

もともと学習意欲の高い人はどうにか時間を見つけて、あるいはサポートを探してでも勉強するんだけど、「時間やサポートをみつける」こと自体すごい労力ではあるんだよね。
その「時間を見つけたりサポートを探し出す」ことこそが社会人に必要な基礎力なんじゃない?と感じたりもしつつ・・・

だけど、そんな労力のかかること強要できないし、プライベートに踏み込めるわけがない。つまり、ここでも人事ウーマンは彼女らの仲間ではなかったんだな。
わたしはここで2度目の挫折を味わいました。

そして諦めの人事サラリーウーマン


すっかりサラリーウーマンになってしまった今となっては、他人にハッパをかけるなんてこと、できません。
その人にはその人の生き方があるから、求められるまでアドバイスしません。

よく、自分の知識やスキルを若い人に伝えていきたいっていう人がいるけど、それ私、無理。そんなの望まれてないよって思っちゃう。

違うか。
望んでいる人には教えます。伝えます。
でも、望まない人の扉をこじ開けてまではやらないよ。

いま会社でやってる簡易セルフ・キャリアドックも対象者は希望者だけです。セルフ・キャリアドックでも、道筋は示せるけど、結局自分の棚卸をするのは自分しかないから、自分で歩きださない人に対しては、何もしない。

っていうか、何もできない。
キャリアって結局自分で選んで歩いていくしかないんだもんね。
その人の人生だもんね。
諦めっていうか、無になったともいえるのかな。

キャリアコンサルタントとして


そんなわたしが情熱を持ったキャリアコンサルタントに会ったりすると、すごく後ろめたくなっちゃう。
情熱無くてすみません。
何も変えようと思ってないしそんな力ありません。

でも、本当にいいのかな。
キャリアコンサルタントの資格をとったからには社会に対してなにか責任があるんじゃないのかな?
何もできないんだったら、こんな資格返上したほうがいいんじゃないのかな?
資格とって以来、ずーっとグルグル悩みます。

もしかしたらキャリアコンサルタントとしては、「無」のほうがいいのかも?と思います。自分が無であればあるほど相談者の鏡になれるはずだし、腹心なく相対することができるはずでは?と。
実際は相談されると心の中でツッコミがはじまるので、実は全然「無」じゃないってことかもしれないけど。

簡易セルフ・キャリアドッグを始めてから、ちょっとは落ち着いた気もしますが、結局人事ガールとして始めたキャリアの最初からいままで、人事って仕事のキャリアの意味を考え続けているってことかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?