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「ゲームを遊ばない人間」はゲーム開発者になれない? 採用担当が考えてみた

こんにちは。仕様です(@shiyoumasayume)という名前でSNSをやっているゲームプランナーです。

ふだんはコンシューマータイトルプロジェクトのセクションリードとして、ディレクターやプロデューサーがふわっと旗を振ったコンセプトから具体的なゲームデザインをする仕事をやっています。また、ここ何年かは開発業務と並行して新卒採用や新人研修なども担当しています。

突然ですが、たまにこんな言葉を耳にすることがあります。

「ゲームを遊ばない人間はゲーム開発者になることはできない」

もっとゲームを遊んだほうが面白いものが作れるんじゃないか、という促しの言葉だとは思うんですが、やや一般化が過ぎるというか、言った側と聞いた側の力関係からこの言葉に萎縮してしまうゲーム開発志望の方を何度か見かけることもあったんですね。

目指すためのハードルが上がると業界の新陳代謝が悪くなり不健康なんじゃないかなあと思い、今日は採用活動にも関わる者として、萎縮してしまいそうな方に向けて「そんなこともないよ」という話を書いてみようと思います。

ゲーム開発者を目指すための資格

ゲーム開発者を目指すために必要な資格は、特にありません。ので、目指したいと思った気持ちを折ってしまうのは変な話だなと思います。

ただし既存のゲーム会社に就職しようと思った場合は面接という「どんな人(場所)と働きたいか」のマッチングが挟まるため、そこのミスマッチによって思い通りの場所で働けないということはありえます。

ゲーム開発者という言葉が「ゲーム開発でお金をもらい生活できる人」を指すならば、目指すための資格は無くとも、会社勤めにせよ個人開発者にせよインディーにせよスキル面のハードルがある。そういうところから冒頭のような言葉が生まれるのかなあと思いました。

ただスキルを身につけるのに大事なのはインプットとアウトプットであって、そのインプットを「ゲームを遊ぶこと」だけに絞ってしまうのはいささか一般化し過ぎかなあと僕は考えています。

僕は新卒採用の際「入社前にやっておくことはあるか」と聞かれたらいつも答えることがあります。

それは学生時代をとにかく謳歌して遊びまくってほしいということ。たくさん旅行にいったり、友達とたくさん遊んでほしいと本気で思っています。それこそ、ゲームで遊ぶ時間よりも優先してもいいくらいに。

ゲーム開発者のインプットとして大切なことのひとつは「面白いものに触れること」です。とにかく自分が面白いと思うものに触れてみて、その面白かった体験を蓄積しておく。すると自分が何か面白いものをいざ考えるときにそれらがアイデアの引き出しとなって助けてくれます。

それくらい大事なインプットの中でも、学生時代にしか体験できない面白いことをみすみす逃す手はありませんよね。

人の言う資格ではなく、自分が必要と思うことをしよう

「ゲームを遊ばない人間はゲーム開発者にはなれない」という言葉に僕は、ゲームを遊ぶことがゲーム開発者になるための必要不可欠の方法のように思わせてしまう、という点から一般化し過ぎなのではと思いました。

ゲームを遊ぶことはゲーム開発のスキルを身につけるための手段のひとつであるため、自分のインプットとして他のものが適していると考えるものがあればそちらを優先したっていいと思います。

と、こんなことを書くとゲームを遊ぶ必要がないのかというふうにも聞こえますね。

とはいえゲームを遊ぶこと自体もかなり有意義な勉強だと思います。商品として必要なラインがわかりますし、ゲーム特有の表現(UIなど)についての引き出しも増えるでしょう。ゲーム開発現場での共通言語の習得もできるかもしれません。

もっとゲームを遊べと言われて、ああそうだなと納得する場合はゲームを遊んでみると良いと思います。逆に、他の物に触れるのを優先したいと思えればその考えの通りの行動で良いと思います。

要するにゲームを遊ぶこともおすすめですが、本当に大切なのは自分がなりたいゲーム開発者像をイメージして、そのために必要な勉強方法を選択することなんです。

というわけで

自分なりの勉強方法を考えられていれば、人の言葉に萎縮する必要はないんじゃないかなという話でした。

ちなみに僕は学生時代、それほどたくさんのゲームを遊んでいたような人間ではありません……。

こんなことを書くと、たくさんの基準ってどのくらいだよとなりそうですが…PS4が発売されてた時代にPS4どころかPS3すら持っていなかったと書けば僕のコンシューマーゲームに対する就活当時の感度が伝わるでしょうか…。

ただ、ゲームを遊ぶことで築ける知見もたくさんあります。(働き始めたあと開発者目線でゲームを遊んでみると色々な気づきがあり、それまでと違う楽しさもあった思い出もあります)

大事なのはその状況に求められる内容をアウトプットできるかであり、そのためのインプットは個人の違いがあって良いのではと思った、というお話でした。

今回のnoteがどなたかの参考になれば幸いです。


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