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日本酒


さっき、720mlの日本酒を6本注文した。



こんなご時世なのでオンラインショップを活用したいけれど、命懸けで働いてくれている配送業の方々の仕事を増やすことになるのも…とか、

でも小売業はお客さん減ってるだろうから、オンラインで商品が売れたら助かるんだろうな…とか、

いろいろ考えた。


けど、「何度も配達しなくて済むように一度でたくさん注文しよう」という結論に落ち着いた。


もう注文することに決めたので、うじうじしないで素直に楽しみにすることにする。


730mlの小さい瓶とはいえ、6本て。

秘密の悪いことした気分。

ワクワクしちゃう。

おいしく飲むんだ。



日本酒はここ1〜2年ぐらいですごく好きになった。

近所のお店とか、バイト先とか、親とか、自分の周りのいろんな要素が重なって、日本酒をよく飲む環境にたまたまわたしは置かれていた。

そこで、もともとお酒を飲むのは好きだったのと、「日本酒飲める若者かっこよくない?」という下心もあって、周りに合わせて一生懸命飲んでたらいつからか無理なく飲めるようになって、好きになった。


ビールや日本酒をどうやって飲めるようになったの?って友達からよく聞かれるのだけれど、そういう時にはよく、コーヒーを例えにする。

受験勉強やテスト勉強のときに、眠気覚ましのために無理やりブラックコーヒーを飲んだ経験って、結構みんなあると思う。

そうやって無理やり飲んでたら、だんだん味の違いとかもわかるようになって、好きなメーカーとかも言えるようになってくみたいな。

あれと同じ過程よ。
イキって無理やり飲んでたらだんだん飲めるようになった。

ってよく説明する。
(コーヒー嫌いな人には説明できない)



そんな感じで日本酒が好きになった。
日本酒を好きになったの、わたしの人生で、良くも悪くも結構大きいことだと思う。


まず行動範囲が増えた。
細い路地のふっるい居酒屋とか、おじさんばっかりの立ち飲み居酒屋とか、5席ぐらいの小さいおでん屋さんとかにものすごく魅力を感じるようになってしまった。

日本酒がわからなかった頃、そういうお店って、入ったはいいけど知ってるお酒がビールとレモンサワーしかなかったりして、常連のおじさんたちが店主と大声でしゃべっていたりして、肩身が狭かった。

しかし日本酒がわかるようになった今のわたしにはもう怖い場所などない。たぶん。へっへっへ。

純粋にそこに置いてあるお酒の銘柄に興味を持って楽しめるようになったの、嬉しい。そして堂々としていられる。

これって、周りの目とか気にしすぎかしら。
まあ、お店の人や他のお客さんはそんな若者のことなんてこれっぽっちも気にしてないのかも。
でもわたしにとっては、そういうのが、そのお店でリラックスできるかどうかに関わる重要な要素だった。


つぎに、1人でお酒を飲むようになってしまった。
1人でお酒を飲むのってなにが楽しいの?みんなでワイワイしてナンボでしょ。と思っていた。前は。

日本酒が好きになってから、もう、だって、酒自体が美味しいんだからどうしようもない。
美味しいものは大勢でも1人でも美味しい。
家でついお菓子食べちゃうのと同じ。

人と飲みに行く予定のない日でも1人で飲みたいと思うようになってしまったので、カウンターがあるお店ならふらっと入るようになった。

これ、ほんとによくない。金は飛ぶわ時間は経つわ、飲み会がなくても毎日飲むわ。

でもこれがまた、素敵な時間で。

そのうち近所に馴染みのお店ができたりして、入ってくと「あっ、はるちゃんだ」とか言ってくれて、常連さんとも顔見知りになって、お話しながら飲んだりして。
いろんな年代の大人のお友達(わたしはたぶん、世の平均よりかなり軽率に人を"友達"認定する)がたくさんできた。


あとこれ本当に不思議なんだけど、嫌いだった食べ物が美味しく感じるようになった。
珍味とか、匂いのきついものとか、しょっぱいものとか。

塩雲丹とか、塩辛とか、まんま揚げたにんにくとか、レバーとか、焼き魚の内臓とか。
あああ食べたい。

お酒って不思議。おつまみってすごい。


こうして、日本酒の世界に魅了されていった。



こないだ、親友の誕生日になにをあげようか考えていて、彼女も日本酒が好きだったので日本酒をあげてみようと思い立った。


生まれて初めて、商店街の酒屋さんに、1人で足を踏み入れた。

壁一面に並んだ、日本酒や焼酎やワインや、いろんな種類のお酒。

今までこういうお店に興味を持ったことなんて全くなかったのに。

いつのまに、こういう景色にワクワクするようになったんだろう。

あれもこれも飲んでみたい。
あれもこれも、彼女が好きそう。
全然選べない。

ラベルを見て、味を想像したり、飲んだことある!って思ったり、それを飲んだ時のことを思い出したり。
いつのまにかこういう場所を楽しめるようになっていたことが、嬉しくて、ちょっとえへんって感じで、楽しかった。


なんとか選んだやつをプレゼントしたら、親友はめちゃめちゃ喜んでくれた。

日本酒あげるの、ありだわ。

「ちょっと粋なプレゼントをあげたい」ってときに日本酒をプレゼントするという技を身につけた。

価格もちょうどいいし、消耗品だけど雑に選んだ感じしないし、人とあんまり被らなそうだし。


そんなこんなで、
日々、日本酒を飲んでいる。
蔵見学に行ったりなんかもした。



今日も今日とてこのnote着地点が見えなくなってきた。


まあとにかく、日本酒が好きって話。

で、6本も買っちゃったの。

バカでしょう。

気をつけて飲みます。

あああたのしみ。


おわり。

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