アイスランド
コロナ自粛で暇なのでお題に初挑戦してみようと思う。
わたしの今まで行った場所で1番さいこー!って感じだったのは、たぶん、アイスランド 。
「一度は行きたいあの場所」というお題で書かれる文章とは、今まで行ったことがあるおすすめの場所についてなのか、これから行ってみたい場所についてなのか、迷ったけれど(まあたぶん日本語的には後者)、なんとなくわたしが最初に思い浮かべた場所はアイスランド 。
1年半ぐらい前に、オーロラを見ようとアイスランドに行った。
わたしの中で、「死ぬまでに行きたい場所四天王」というのがあって(4つだから四天王。我ながら安直)、それのうちのひとつがアイスランド。
死ぬまでに行きたいと思っていたのに、20代のうちに行けてしまった。長生きはしたい。
オーロラ観測バスツアーなるものを予約したのだけれど、このサイトがなんと日本語対応で超便利だった。
まさかアイスランドで日本語対応に出会うとは。
https://guidetoiceland.is/ja
3泊のうち、1日目と2日目は悪天候でツアーは中止。
でも1日目に入れていた予約はキャンセルにはならず、親切に繰り越しのメール(これは英語)をくれて、最終日3日目の夜中になんとか無事バスに乗って出発した。
ツアーバスは満席で、日本人はわたし1人だけ。
他のお客さんは、ほとんどがたぶん大学生の、ウェイウェイした、すごい楽しそうな男女の集団。国は分からなかったけれど、英語圏。
これぐらいの年齢の若者のテンションって、世界共通なのね、と思って1人でほほえんだ。
街をだいぶ離れ、1時間ぐらいバスに揺られて、いよいよ観測スポットらしき場所に到着。
定番のスポットらしく、他にもツアーバスがたくさんとまっていた。
バスから降りた瞬間に早くも、あーーーー来てよかったーーーーと思った。
なにがってもう、ほんとに、信じられないぐらいの星。
周りに建物はひとつもなくて、すごく寒いので背の高い木もない。
地平線ギリギリまで星が見える。
星って普通見上げるものじゃなかった?
歌にもある。
見上げてごらん、夜の星を。
まっすぐ立って前向いても星が見えるって、どういうこと?
前も横も星。
天球全部星。
空と地面のつなぎの、「景色」みたいなやつがなくて、空と地面がくっきり地平「線」で区切られている。
地平線より上のスペースに、星がびっしり。
その大量の星に囲まれて、2時間ぐらい待ったけど、目的のオーロラは全然現れない。
オーロラシーズンのアイスランドなんてもう、筆舌に尽くしがたい寒さ。
外で水飲もうと思ったら少しズボンにこぼしてしまって、拭き取ろうと思ったらもう固まっていて、ポロポロ落ちた。うそでしょ。
ちょくちょくバスに戻って、運転手のおじいちゃんが用意してくれたココアを飲んだりしながら、みんなオーロラが現れるのをひたすら待っていた。
2時ぐらいになって、周りのツアーバスは諦めて帰りだして、わたしのバスのみなさんもじわじわ諦めモードになってきた。
わたし含め元気な大学生たちは他のバスが帰っても結構粘ったけれど、オーロラは一向に現れない。
とうとう運転手さんが「残念だけど、あと5分したら帰ろう」と言った。
みんなもさすがに、仕方ないねーみたいな感じで、バスに乗り込んで、ココアうまーとか言ってた。
わたしももう、オーロラとうとう見れなかったな、やっぱりそんな簡単に見られるものじゃないんだなあ、と思って、最後にあの最高の星空を5分間目に焼き付けようと思って、ひとりでバスを降りた。
バスの近くだとバスの明かりが目に入るので、30秒ぐらい歩いてバスから離れて、視界に地面と星しかない世界に自分1人だけっていう夢みたいな状況を楽しんだ。
オーロラは見られなかったけれど、このびっしりの星を見ることができただけでも来た甲斐があったと心から思った。
そろそろ5分経つなと思って、バスに戻ろうと立ち上がった、その時。
カーテンをひいたみたいに、空の左端から右端に向かってサーーーッと、緑のひらひらが現れた。
うそん。
「え?」とか「は?」とか、1人なのにめっちゃ声出た。
驚きと喜びと興奮と感動とでもう、1人でゲラゲラ笑いながら、緑のカーテンから目を離さないよう上向きながら、バスまで走って行って、ドアをバンバン叩いて、ねえオーロラ出た!!!てめちゃ叫んだ。
ちゃんと英語で言った。なんて言ったか忘れたけど。
まじーーーーー!?みたいな(たぶん)感じで彼らも飛び出してきて、アーーー!とかオーマイグーッネース!とかすごいうるさくなった。
でたくさん写真撮って、大満足でホテルに帰った。
わたしはスマホしか持っていなかったので、写真はこんなのだけ。
目で見るのが1番綺麗だからまあよし。
あの時、アイスランドの大自然の暗闇に1人で立っていて、本当にカーテンのように空の端からヒラヒラ出てきた緑のオーロラを、わたしが見つけて、あの夜あの場所での第一発見者になって、静寂の中で一瞬独り占めしましたっていう、
で同じバスツアーの彼らがオーロラ見れたのはわたしが教えてあげたおかげっていう、
思い出話とみせかけた自慢話。
つけたしみたいになっちゃったけれど、オーロラ目当てで行ったアイスランド、他の観光も本当に素晴らしかった。
温泉とか、間欠泉とか、信じられないぐらい大きい滝とか、自然が最高だった。
わかりづらいんだけど、写真の右上の端にアリより小さい人間が写ってる。
滝の大きさ伝われ。
ずっとずっと曇っていて、常に重たいグレーの空だったのだけれど、それもそれでなんか良かった。
これ、昼間。
もちろんラムとかビールとかバターとか、言うまでもなく食べ物も最高。
治安も良いみたい。
わたしが行ったのは11月末で、極夜に近づいていたので、夕方15時ぐらいから空は真っ暗。
15時ぐらいから暗いんだから、15時も夜中の2時も変わらん、て感じなんじゃないだろうか、たぶん。
地元の女の子とか、夜中も普通に外を歩いてた。
それから、頭がすごく大きくて足が短くて人懐こい馬がいた。
この種類の馬を守るために、アイスランドでは馬の輸入が禁止されているらしい。
この馬を市販の餌でおびき寄せて、並んで写真を撮ってたら、「早くおやつよこせ」って腕を噛まれた。
全然関係ないけど、わたしは小学5年生の時にも馬にお尻を噛まれたことがある。
馬に乗ったことはないけど、人生で2回馬に噛まれたことのある女。
かなりレアなんじゃないだろうか、たぶん。
あと、歯ブラシを忘れて、軽い気持ちで「まあ着いてから買えばいっか」と思っていたら、物価高すぎて歯ブラシ800円ぐらいした。
それもまた一興。
海外は10か国ぐらい行ったけれど、全部の国にもう一度行きたいけれど、どーーしても1か所だけもう一度行く国を選ぶとしたら、アイスランドかもしれないな。
--------------------
最後に、わたしがアイスランドに行くと聞いて「アイスランド行く前にこれを読め!」と友達が貸してくれた漫画を、わたしもここで紹介しようと思います。
「北北西に曇と往け」(入江亜季)
これを読むとものすごくアイスランドに行ってみたくなります、きっと。
おわり🐴
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?