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【質問箱】小林靖子さんについて考える日


こんにちは。皐月です。

お久しぶりの投稿なのか、最近日付感覚が終わってしまっているので全然わかりません。
原稿をしていたり打ち合わせをしていたりすると驚くほど時間は早く過ぎていくし、打ち合わせがない日だと驚くほど時間がゆっくりに感じて、1日が10時間しかなかったり50時間あったりします。変なの。

さて、昨日は久々に大好きなユニットのお笑いライブに行ってきました。
最初は一人の芸人さん目当てで行っていたのが、いまや全組の芸人さんが大好きで、賞レースの発表をそわそわして見ていたり、色々なライブに興味を持つようになって取っても充実しています。

でも、仕事も今ちょっと過渡期というか、かなりぱんぱんな状況で、本当は全部見たいのに見れない、これは絶対行きたかった、みたいなライブほど仕事とドン被りしてチケットをキャンセルせざるを得なくなる……みたいなことが多すぎて悲しいです。

チケット発売時間待ち構えて買っているのに。他の行きたい人たちにも申し訳ない……。(チケット争奪戦で手に入れて、その後キャンセル待ちにするにしても、キャンセルタイミングは誰にも分からないので、本当に欲しかった人が手に入らないという問題が発生するため)

お笑いを見るために仕事をしているのに、仕事をしすぎてお笑いを見れなくなっている。

ということで、ここはお笑いオタクの脚本家が、質問箱に投げていただいたお題やテーマに沿ってつらつらと話をする場所になります。オタクがなんか言っているな、という軽い感じの気持ちでさらっと読んでもらえたら嬉しいです。

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さて、今回ピックアップする質問はこちら。

「もしかしてなんですけど、小林靖子さんの脚本好きですか?
私も好きなんで小林靖子さんの魅力など語っていただけたらうれしいなっ」

ということです。

うーん、小林靖子さんか。小林靖子さんのメインライターをしている戦隊は結構好きなのですが、仮面ライダーはちょっと観ていて苦しい話が多いので、それほど詳しくはないですね……。

おそらく、私が侍戦隊シンケンジャーを観て特撮を観るようになった、というくだりから、この質問をいただけたのではないかな……と思います。
公の場で小林靖子さんについてお喋りできる機会は、いまだにペーペーの私にはないのでありがたいです。

小林靖子さんの魅力ですか……。うーん。
私が好きな小林靖子さんの戦隊は『タイムレンジャー』『ゴーバスターズ』『トッキュウジャー』です。シンケンジャーでハマった身として、シンケンジャーは大切に思っている作品ではあるんですが、上の3つを好きな戦隊としてあげることが多いです。(小林靖子さんを今ネットで調べてシリーズ構成をした作品をピックアップしてみました)

戦隊の中でトップ3で好きなのは何?と聞かれたときは「ルパパト」「トッキュウジャー」「ゴーバスターズ」って言います。この順番で好き。

特撮を脚本家で観るタイプではないので、調べてみたらこの人か~みたいなことが多いです。特撮作品の脚本を書いているのに?と思われそうなんですが、純粋にスーツアクターさんのする殺陣に興奮を覚えてしまうオタクとしては、誰が脚本を書いているかというよりも、お話に即した殺陣シーンが繰り出される方が嬉しい……。

なので、あの回好きだったな~みたいな振り返りをするときに、DVDの裏とかを見たり、ネットで検索して「あ、これは大和屋さんだったんだ」「また香村さんだ!うわああ」みたいなことはあるんですが、小林靖子さん脚本を集中的に分析したことはないな……。(夜やってるドラマとかは注視することもあるのですが……もともとそちらの枠を志望していたので、意識しがち)

ですが、一応戦隊だけでも小林さんの作品に触れている身として、小林さんの作品で描かれているキャラクターの「思っていることがあるんだけど言えない」みたいな葛藤ってすごくいいよなあ、と思います。これは香村純子さんの脚本にも言えるのですが、私自身あんまり自分の気持ちを人に言わないタイプなので、こういうキャラクターが出てくると「私も世界にいていい気がして」好きです。

例えば、タイムレンジャーなら、タイムブルーが自分の身体が戦える状態ではないことを隠しているし、ゴーバスターズでは、自分よりはるかに年下な仲間たちに対して、不安な気持ちを兄貴分として黙っているブルーバスターがいる、トッキュウジャーでは、子供っぽい感情を隠して大人ぶろうとするトッキュウ4号がいる……。

戦隊で魅力的だなと思うキャラクターはたいていとても人間臭くて弱い人物です。
キラキラしたヒーローもいいんだけど、人間真っすぐ生きるだけではやっていけないところがあって、そりゃあ悩むし、そりゃあ怖いし……。でも、みんな何かしらのポリシーを持って任務にあたっている、みたいな……。

そういうバックボーンが描かれているからこそ、心から殺陣中の彼らに「がんばれ」と言いたくなる気がします。自分と近しい存在に思えるからこそ、自分にがんばれと言ってあげている気持ちにもなれるのかもしれない。

なんだかもにゃもにゃ言ってしまいましたね。

シリーズ構成という仕事を最近自分もやりはじめていて思うのは、シリーズを通して一貫性を持たせようとキャラクターを一生懸命配置したり、整頓したりしているうちに「全くつまずく(読んでいて違和感がある)部分はないけど、整いすぎていて心に残るか微妙」という罠があることに気づきました。

それは観る人によってはイライラするのかもしれないし、あのシーンがなければ完璧に美しい流れになったのに、と思われるかもしれないんですが……。均整が取れて美しい話って、正直私みたいなぺーぺーでも、頭を使えば書けちゃうものなんですよね。

でも、私たちが作らなきゃいけないのは、誰かの記憶に残ったり、誰かに勇気を与えられたりする、なんだかずっと考えさせられちゃうものなんじゃないかと。だって、皆さんの時間をいただいて自分の作ったものを見てもらっているわけですから。

まあ、それが現状の私にはなかなか難しくてとても悪戦苦闘しているわけですけどね。

「皐月さん、この原稿は整っていて、引っ掛かりもなく、物語としてクオリティは高くなっているけれど、何か特徴がないように感じてしまいます」

こう言われること、最近増えてきました、悔しい。
各話ライターで参加し始めた時だって、一話一話と向き合う方法が分からずに最初悪戦苦闘して、全然うまくいかない!と涙を飲んでいたのですが、今、シリーズ構成として、新しい立場をもらって、再び「どうしたらいいんだ」という壁にぶち当たっている気がします。

※ちなみにですが、特撮ではないです。

そうなってくると、特撮、しかも東映の一年物のシリーズ構成をあれだけの数やって、そのモチーフもキャラクターのバリエーションも新鮮なものを提示してくれていた小林靖子さんは本当にすごい人なんだ……と改めて頭が上がらなくなります。
私もいつかはああなれるのか。多分なるには、そうとうな勉強と実戦経験が必要なんだろうなと思います。

今はつまずきながらでも、私にチャンスをくれる人たちの想いに応えて踏ん張ることしかできませんが……。こういう一歩一歩をちゃんと確かめつつ踏みしめることで、今の私ができてきたので、今回も、そうやってまた階段を上っていくしかないんでしょう。

がんばるぞ。なので見ててください。私は強いので。

小林靖子さんのお話、それほど深堀できずすみません。
特撮もドラマも、自分の師匠でない限りはあまり意識をして確認をすることがなく……。特撮の脚本家さんも、一緒にお仕事をしているウルトラシリーズの人は認識していても、なかなか東映特撮まで気が回っていないことに気が付きました。

戦隊を書きたいと言っているのに、それじゃあだめなのかもなー。
でも、とりあえずは今、目の前にある仕事を大切にしてみます。
東映さんでチャンスをもらえたら、その時、また考えよっと。

ということで、今回はここまで。
おやすみなさい。

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