旅に行った国からの、封書。手紙や葉書とメール、本と電子書籍。
スリランカから封筒が届いた。
送り主は、スリランカでのアーユルヴェーダでお世話になった人。
引き続き体調に不具合があるわたしのために、追加で薬草を送ってくれたのだ。
ありがたやありがたや。
わたしは外国から届く封書やハガキが昔から好きで、若い頃は旅先の外国から無人の自宅アパートに、自分宛のポストカードを送っていた。
自分が帰国してポストを開けると、自分より先にその便りが届いているのが、ただ楽しくて嬉しくて。
そう、旅の感覚がやわらかく戻ってくるあの感じは、手紙や葉書ならではだ。写真のようなダイレクトさと鮮やかさには欠けるが、そこには独特のぬくもりと、体温に似た温度がある。
それに加えて外国の郵便局に行くのも結構に面白いし、その国の切手を見るのが好きなのだ。国によっては可愛いお花もあれば、尊敬されている国王の顔、動物の絵など、実に興味深い。
国ごとにポストのカタチや色が違ってることにも、つい視線が向いてしまう。
そんなわけで旅先から時折届く便りは、わたしをやわらかい気持ちにさせてくれる。
今や電話での会話自体も減り、通信手段のほとんどがメールかLINEになっているけど、手紙や葉書のぬくもりに、それらはどうやっても敵わない。
これと似たようなことかなと思うのが、紙の本と電子書籍。
わたしはどうしても紙の本の方が好きで、いくら電子書籍が便利と分かっていても、選ぶなら完全に紙を選ぶ。
こと本に関しては、便利かどうかということは問題にならない。
読んでいて、味わいがあるかどうかなのだ。頁をめくるという、動作がだいじなのだ。装丁の美しさを、軽んじたくないのだ。
本の厚み、重さ、紙。
それそのものが、本なのだ。
手紙や葉書だって、それそのものが、そうなのだ。