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ウポポイ《民族共生象徴空間》2日目(2023/09/10)

ウポポイ《民族共生象徴空間》1日目(2023/09/09)】の続きです。

昨日とうって変わって今日は快晴!
撮影し直さなきゃ〜と張り切って9時から入場です。

やあ、また来たね。

写真:上=青空の下の『いざないの回廊』も、またよし。
写真:下=やぁ、トゥレッポん。また来たよ!

日曜だけあって来場者が列をなしていましたが、年間パスポートを取得したのでスムーズにゲートを通過。

園内マップ

ウポポイ案内図。昨日の記事にも載せたけど、毎回あった方がいいですよね。

ご挨拶と説明のあとムックリ演奏

昨日は雨だったのでポロチセで行われた『ウパㇱクマ』とムックリ演奏が、快晴のもとチキサニ広場でスタート。
ウパㇱクマとは本来、口伝とか言い伝えのことですが、ここではアイヌの暮らしぶりや習慣などの解説を行っています。
内容は、昨日のラスト(17:30)に聞いたのとほぼ同じですが、アドリブやお客様との掛け合いなんかもあります。

ここで働いている方々は、皆さんポンレ=ニックネームで呼び合っています。「ポンレ」とは、アイヌ語で「ポン(小さい)レ(名前)」という意味で、子どもの頃のエピソードや好きなこと、性格などから名付けられるそうです。

そしてアイヌ文化では、 本名をむやみに名乗ってはいけないとされているのだとか。

諱(いみな)という漢字は、日本語では「いむ」と訓ぜられるように、本来は口に出すことがはばかられることを意味する動詞である。
この漢字は、古代に貴人や死者を本名で呼ぶことを避ける習慣があったことから、転じて人の実名・本名のことを指すようになった。
(略)
漢字文化圏では、諱で呼びかけることは親や主君などのみに許され、それ以外の人間が名で呼びかけることは極めて無礼であると考えられた。
これはある人物の本名はその人物の霊的な人格と強く結びついたものであり、その名を口にするとその霊的人格を支配することができると考えられたためである。

諱 - Wikipedia

これと似たような感じなのかな。

国立アイヌ民族博物館

チキサニ広場から橋を渡って体験学習館方面へ、時間調整も兼ねてちょっとお散歩。
写真は振り返ったところ。(左側にチキサニ広場があります)

休憩所

トイレ&休憩所に立ち寄ると、クーラーは効いてるし無料のお水もあるし空いてるし(笑)真新しい木の匂いがする贅沢な空間が広がっていました。
別の時間帯では、ここでお弁当を食べてる人もいました。

魚がいっぱい

別ルートで、国立アイヌ民族博物館へ。
ポロト湖から水を引いてある人工の川(?)には魚がたくさん泳いでいました。自生している(元からあった?)のか植えられたのか、コウホネも咲いてます。

国立アイヌ民族博物館で、シアタープログラム「アイヌの歴史と文化」「世界が注目したアイヌの技」を観る。それぞれ約20分で、トータル40分。

順番的に、ウポポイに来たら真っ先に「アイヌの歴史と文化」を観るべきだと思った。
内容に不満を持つ人もいるかも知れないけど、太古から現代までのアイヌ民族の歴史とアイヌ文化について、アニメーション(動物のキャラクター)を混じえて子どもにも分かりやすいように構成されてます。

メム(湧水)

チキサニ広場の隣に細長く伸びた水路と、それに繋がった池があります。
とても水かさが浅く、砂利が敷きつめられていたので人工の池だと思っていたのですが、GoogleMAPには『メム(湧水)』と書いてあります。

ポロト湖と繋がってもいないし、本当に湧水池なの?と疑ってしまいますがポロト自然休養林遊歩道の散策コースに湿地帯や湧水が点在しているので有り得る、というか実際に湧き出ているのでしょうね。

ポロト湖は周囲3キロ、面積0.32平方km、最大水深8.6m、水面の標高8.8mで、南北に細長い潟湖(海跡湖)。
西側に長径150m・短径100mのポント(小沼)がある。
(以上「新白老町史」)

「協和私役」安政三年(1856)七月四日条に「シラオイを出て半里余、小沼あり。ポントウと云。其左に大沼ありポロトウと云」と記される。

湖は支笏泥溶岩上に段丘礫層をのせた丘陵にできた谷の前面を、社台(しゃだい)川・別々(べつべつ)川の砂が埋めたもの。

日本歴史地名大系 「ポロト湖」の解説 - コトバンクより

まだまだ残暑きびしい気温でしたが、ここに入って遊んでいる人はいませんでした。
特に「立入禁止」と書かれてはいないけど、何となく足を踏み入れるのがためらわれるくらいキレイ。

丸木舟に座ってみた

丸木舟(チㇷ゚)実演・解説はタイミングが合わなかったけど、置いてあった舟に腰掛けて雰囲気を味わってみた。(実演・解説では乗舟体験はありません)

丸木舟でポロト湖を廻ってみたいな〜。

白老牛カレー

混雑を避けて13時を過ぎたところで、今日もランチは『ヒンナヒンナキッチン炎』。それでも、けっこう並びました。

せっかく白老なんだから、と奮発して白老牛カレーをオーダー! 1,980円!!
ところが…カレーはよかったんだけど肝心の白老牛が噛み切れない。歯は丈夫な方なんだけど…。噛んでも噛んでも筋張ってて飲み込めない。
ブランド牛としても、それほど美味しいと思えなかった。無念。

あちこちにいるトゥレッポん

こちらのトゥレッポん(トゥレプ=オオウバユリ)は、右手にトゥレプアカㇺ(平べったいドーナツ型をしたオオウバユリから作る保存食)、左手に実がいっぱいついた茎を持ってます。
これだとオオウバユリと分かるかな?
実じゃなくて花バージョンもあったはず。それだと、なお分かりやすい。

広場に人がたくさんいるのは、直前までアイヌ舞踊をやってたから。ゲリラ公演? まったく知らなかった〜。

ヘカッタㇻ シノッ(こどもの遊び)

昨日は雨だったので、置いてなかった『アイヌの遊びコーナー』。
ブドウの蔓で編まれた輪っかを、二股の枝でキャッチするカリㇷ゚カチウ(輪なげ突き)をやってみました。いい大人が(笑)
二人とも手を使う遊びなので写真は撮れませんでした。見ず知らずの人に「撮ってください」って頼むのも恥ずかしいし…。

ほかウコカリㇷ゚ カチウ(投げ輪)、トゥシ スイェ(棒なわとび)もできます。子どもさんが楽しそうにチャレンジしてました。

弓矢体験には長蛇の列

長い列ができていて「何だろう?」と覗いてみたらアㇰシノッ(弓矢体験)をやってました。これはやらねば。

矢は1人2本まで。けっこう力が要ります。
みんな、なかなか当たらない。わたしも当たらなかった〜。

ポロチセの内部

昨日も入ったけど、ゆっくりポロチセを見学。
写真は、ガマでできたゴザ。工房でも展示されていて、タイミング次第では製作中の様子も見られるかも。

詳細に再現されてます

写真:左=囲炉裏には炭火が焚かれています。

写真:右=宝物置き場。手前はトンコリという楽器です。
トンコリ欲しいんだよなぁ。できれば6弦(基本は5弦)。ネットで中古を探してるけど、5弦しかヒットしないから特注になるんだろうなぁ。

祭壇

祭壇(ヌサ、ヌササン)には近づけないようロープが張ってあります。

ところで神道でも神に祈る時に捧げたり祓い清めに使う、紙・麻などを切って垂らした神祭用具を「幣(ぬさ)」<幣帛(へいはく)、御幣(ごへい)>と呼ぶのは興味深い共通点ですね。

何年か前、縄文文化を題材にしたテレビ番組を見ていたら、太古の昔の注連縄(の原型)が、イナウ(ヤナギなどの削りかけ)のクルクルした部分だけを輪っかにしたものだった。
あの番組、もう一度見たいけど番組名も忘れてしまった…。

祭壇に捧げられたイナウの数々

イナウには捧げるカムイによって形状が違うので、たくさんの種類があり、また順番も決まっています(地方によって違う)。
中央にはヒグマ頭神が祀られていました。

工房

伝統的コタンから戻る途中、『工房』にも立ち寄りました。こちらでは実際に作家さんの手仕事が見られるほか、刺繍・木彫り体験ができます。

素晴らしい手仕事たち

次回のための備忘録↓

刺繍体験 「イカㇻカㇻアン ロ」
所要時間 60分程度/毎日 10:00、13:30
コースター:無料
あずま袋、プチフレーム、マスク:1,000円

木彫体験 「イヌイェアン ロ」
所要時間 60分程度/毎日 11:30、15:00
コースター:1,000円
スマホスタンド:1,500円

実演もあります

この時は刺繍の実演がありましたが、近くで見ることはできません。間近に見られたら気が散るだろうなぁとも思う。

ガマの茎を編んで作られるゴザ

チタラペ(ゴザ)
遺跡からの出土物の繊維鑑別をしたところ、スゲ、フトイ、テンキグサ(ハマニンニク)などの植物もゴザの材料に使われていたことが分かったそうですが、アイヌ語ではガマを「シ キナ(本当の 草)」と呼ぶことからも、本来はガマで作られ、材料が足りないときの代用品として他の植物が利用されたのかなと想像します。
ちなみに文様がない無地のゴザも「キナ」と呼ぶそうです。

またまたまたやって来ました

三度、伝統的コタンへ。行ったり来たり、なかなかの運動量。

紙芝居のはじまりはじまり〜

お目当てはシノッ チセ(遊びの家)での『ポン劇場(紙芝居)』です。
こちらの女性が喋りも進行も素晴らしく、立て板に水というような淀みないテンポで引き込まれます。

トゥレッポん

実は、ここで初めてトゥレッポんの正体を知りました(笑)
やっぱり花を持ってると、すぐ分かる。

『ポン劇場』は、可愛いイラストで紙芝居風にアイヌ文化を解りやすく紹介していく子ども向けのプログラムです。所要時間 約15分、10:00と15:00の2回。
お時間のある方は、質問など延長して答えてくれますよ。

白鹿の群れ

撮影映えポイント。プロジェクション・マッピング『夜のウポポイ』(※夏季限定プログラム)用みたい?

国立アイヌ民族博物館の2階から

本日のラストは『国立アイヌ民族博物館』。パノラミックロビーからの展望は、来る度にやっぱり撮っちゃう。

アイヌの生活道具

博物館も昨日から何度も来て「そんなに見るとこある?」と思われそうですが、さらっと見て回るだけならいいんだけど、じっくり解説まで読むとなると時間がかかります。
説明文は、そんなに詳しく書いてないんですけどね。

マキリの柄

マキリは実用工芸品なんだけど、美術品として見てしまう。惚れ惚れ。

発掘された丸木舟

苫小牧市弁天の海岸で発掘された丸木舟「イタオマチプ」(板つづり舟)。先日、『のぼりべつクマ牧場』で見たイタオマチプより随分と小さいけど、板を重ねて造られています。

・【写真記】のぼりべつクマ牧場(2023/09/11)

* * * * *

本日は、ここまで。
まだ昨日に比べたら早い時間(16時半)だけど、日帰り入浴に行く時間を考慮して。(昨日は隣接の『○湯(まるのゆ)』)

・【旅暮らし記】苫小牧・樽前と白老ウポポイ行ったり来たり(2023/09/08〜09/13)

バスの模様が可愛い

調べたところ札幌観光バスの「セタプクサ号」というバスだった。

白老町交流促進バス

白老町交流促進バス、愛称「ぐるぽん」。
ウポポイを起点にJR白老駅、ポロトミンタㇻ(白老駅北観光インフォメーションセンター)、白老町役場前、仙台藩白老元陣屋資料館などを経由します。

どこまで乗っても一回100円(高校生以上)、小中学生は50円・未就学児は無料。
1日乗車券(大人1名200円、小中学生1名100円)。

* * * * *

明日、月曜はウポポイ定休日。
次回は12日(火)の慰霊施設&ウポポイ3日目をお送りします。


11月3日(文化の日)は無料開放DAY!
11月3・4日には、各地のアーティストや工芸家によるアイヌ民工芸品およびアート作品の展示販売、アーティストトークなどのイベント『アイヌアートショー2023』が開催されます。

詳しくは『ウポポイ(民族共生象徴空間)』公式サイトへ。

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