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0日目

前を見れなかった。

久しぶりに会った彼と入ったカフェで
別れ話を切り出された。
顔を見て話を聞きたかったが見る余裕が無かった。

なんでどうして?という疑問と
心のどこかにあったやっぱりなという思いがあった。

私なりに言われたことを噛み砕き話し始める。
理由を聞きたい聞きたくないというジレンマの狭間で
私はなんで別れたいのか?どうしたいのかを彼に聞いた。

彼の答えは色々なものが積み重なって別れたいというものだった。
色々なものって何なのか?
私はもう一度彼に問うたが、
その質問の答えは決定的なものはないとのことだった。

別れたくない気持ちはもちろんあるが、
彼が別れたいと感じてしまった以上は
その意思は変わらないだろうと思った。

説得なんかは無駄だと感じ、
私と彼はカフェを出た。
「今までありがとう」と一言残し、
彼に背を向けて歩き出す。
最後の別れの表情が後悔しているような
やや清々しているような彼の表情を
私は一生忘れないだろう。

私はそこから帰路についたが、
道中の記憶が全くない。
感情を整理するので精一杯だった。

油断したら人目を気にせず泣いてしまうかもしれない。
大の成年男性が電車の中で大声上げて泣く訳にはいかない。
今回の話は全て私が悪いと言い聞かせ
「しょうがない」と思い込むしか無かった。

家に帰ったら大声上げて泣いてやろう。
その一心で帰ってきたが、
玄関の扉を開けた瞬間、私の体を冷気が包んだ。
エアコンの除湿機能を付けっぱなしで出てきてしまったのだ。

電気代の無駄な出費が頭をよぎり、
私の泣きたい思いがどっかに消えてしまった。

私の今の気持ちは不完全燃焼。
煮え切らず、誰にも言えず、
だからこそ思い切ってnoteを始めた。

徐々に立ち直っていければそれで良い。
それまで生きられているのか、
いや生きるために私の気持ちを書き記す。

次回も続く、ただそれだけ。

また月曜日が始まってしまう。

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