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媒体の特性を考える

 なんと、実際に新人賞を二度受賞され、商業の場でも書かれている方に小説論をご紹介をいただきました。光栄です。

 さすが受賞歴がおありとあって、舞砂さんが探究されているnoteにおける小説論も興味深いのでご紹介します。

 おそらく、私がこの考察の第1回を読んで面白いと思って一方的にスキを押させていただいたところから、舞砂さんもたまたま私の記事を読んでくださったのではと思います。

 新人賞を獲るのと理屈は同じで、成功する人はあらかじめ小説を応募する賞や掲載する媒体の傾向と対策について自覚的であるものです。

 各文学賞の傾向と対策を知りたいと思う方は多くいらっしゃるかもしれませんが、すみません、そればっかりは教えられません。よくあるマスコミ就活系noteみたいに、有料記事にすることも絶対にありません。ご自分で媒体誌を一年間購読してみて、傾向と対策を研究してみてください。それしかいえませんし、それが正攻法にして唯一の近道です。

 翻ってnoteは、いい意味でまだ必勝法が定まっていないので、誰に教えを乞うこともできない反面、大きなチャンスがたくさん転がっているように思われます。とりわけ舞砂さんが第3回で迫ろうとしている内容はとても興味深く、なるほどと膝を打ちました。

 ちなみに私の感触としては、活路のひとつはショートショートにあるのかもと考えています。先日のカドブンさんの企画趣旨などはまさに、noteとの親和性を考慮してのことと思われます。現状、マガジン機能などはあるにせよ、タイムラインが思いのほか早く流れていくnoteは、連載媒体としては使い勝手があまり良くないかもしれません。連載に特化した表示システムや、ツリー型の章分け機能があれば、まだ複数回に分けた投稿でも連続して読まれやすいかもしれませんけどね。その点、たくさんの作品が流れるタイムラインで気軽に覗かれやすいのは、ものの数分でオチまで辿り着けるショートショートではないかというわけです。

 私が『小説の書きかた私論』で、なぜ10万字近くを一気に書き下ろしたのかといえば、複数のnoteに小分け・小出しにすると、現状の形式では本一冊ぶんを続けて読まれづらいことと、ツリー型の章割りができないことが理由としてあります。

 冒頭の無料部分で「目次」が見られるかと思うので、そこだけでも見てみてください。字下げで無理やりツリー型の目次にしてあるのがお判りかと思います。これでもいちおう編集者の端くれですから、媒体の特性や画面の見えかた、ユーザーによる読まれかたを想定して、自分なりに工夫しようとしているのです。これもある意味では読者の目を想定した、身体論的な行為かもしれませんね。

 noteにおける小説の必勝法、なかなか興味深いテーマですね。舞砂さんの第4回の記事がもしあるとするなら、読める日を楽しみにしています。

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