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【質問箱】 モチベーション

 有難いことにご質問をいただいているので今日もお答えします。

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 本音を言ってもいいですか。

 私が教えてほしいくらいです、それ。


 先日の「スランプ」や「センス」の項とも被るんですけど、

 結局のところ文章というのは「伝わらなさ」を知って絶望するところから始まるものなので、モチベーションを維持できないと、途端にスランプに陥ってしまうんですよね。それでもプロの先生方であれば大抵は締め切りまでに(いや、締め切り数日後くらいには……)キッチリ仕上げてくださるのだからいつも驚くばかりなのですが、私も含めアマチュアの物書きでは、そう簡単にはいきません。自分の書きたいこと、自分の理想とする面白さがまず頭のなかにあるわけですが、書いていくうちにどんどん理想からかけ離れてしまって、書けなくなる。それがモチベーションを減じ、失ってしまう状態――すなわちスランプです。
 じつは、いままさに私も短編小説を書いている途中で、ここ数日、ずっとモチベーションを失って行き詰まっています。書きかけの原稿に向かうと、なんだか上手くいかないな、面白くなりそうにないな……と不安が頭をもたげてしまうんですよね。

 私の場合は、結末ありきで物語を構想します。また、先に第三章を書いてから第一章と第二章を書く、みたいな順不同の書きかたができないので、結末を書くのはいつも必ず最後の作業となります。「結末を形にすること」が、私にとってのモチベーションになっているとは実感します。まさに読者の意表を突いて驚かせたいとか、読者の胸の内にグッとくるなにかを残したいとか、そういった欲求です。いちばん書きたいシーンを最後に持ってきて、そこへ向かってディテールを積み上げていく。だから積み上げの段階でつまずくと、なかなかモチベーションが続かないんですけどね。
 ただ「この一文が書きたいから」というような、文章表現レベルのミクロな構想は、あまり抱いたことがないです。
 書きたいセリフや一文があらかじめ決まっている場合、いざ一連の文章に組み込んでみると、そこだけ浮いて見えることってありませんか? 私はよくありました。だからプロットの段階では、文章のディテールはあえて意識的に考えないようにしています。その辺の感覚は、おそらく人それぞれでしょうけれど。

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