面白そう
編集畑の末席を汚している私なんぞが書くのも畏れ多いことですが、面白そうなので下記の連載を読んでみることにしました。門外漢の私にとっては初めての、異世界転生もの連載の読書体験になると思います。
https://ncode.syosetu.com/n3229ga/
数多くのヒット作を手がけていらっしゃる三木一馬さんが初めて書くウェブ小説とのことです。編集としては、遙か雲の上の人ですね。Twitter経由で知ったのですが、既にこんな反響があるようで。
あれほどテンポよく進めているというのに「まだ遅い」という指摘があるのが衝撃的で、思わず絶句してしまいました。ウェブ小説ってそこまでスピードアップが求められているのですね……。
三木さんがこの小説を書かれた動機にも頷くことしかできませんでした。
編集者やディレクター、プロデューサー職の人間は、クリエイターが生み出した『まだ世に出ていないコンテンツ』を評価し修正指示するのが仕事なのですが、その立場になるための免許もなければ、資格試験も必要ありません。
コンテンツを扱う企業に新卒や中途採用で採用されれば、誰でもなることができます。もっと言うなら、フリーとして活動しただ名刺にそう書けば名乗れます。
(中略)優れたコンテンツをジャッジする人間は、ノウハウや積み重ねた経験がなくとも、感覚で仕事ができます。その役職にさえつければできてしまいます。
実際僕も出版社の新人時代に、なんのスキルも経験もないにもかかわらず、小説家さんを相手に偉そうなことを言っている自分を自覚した瞬間がありました。
心の中でその行為に疑問符をつける自分もいました。
わかる。
わかりすぎて辛いくらいです。
私には才能がないのがわかりきっているのでひたすら勉強して理論を身につけようと努めるしかないのですが、あの「面白さ」とかいう厄介な悪魔は、時に理論を軽く飛び越えてきます。感覚でこなせてしまう天才型の著者にも、どうやったって太刀打ちできません。
無力感に打ちひしがれながら、それでも必死にもがくしかない日々です。
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