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ニューヨーク×空気階段による2時間限定バンドがサイコゥサイコゥすぎた件。


正直、数時間前の私はこのライブに、さほど期待していなかった。

ゲップを我慢してるかのように話す、もぐらさんのこの動画を見た瞬間によぎったのはこんな思い。

(空気階段×オズワルドのライブ「蟹」のような、ゆるいバンドやトークを2時間ニューヨーク兄さんとやるのかな…。)

(キングオブコントの1週間前に大変だなぁ…。)

(キングオブコント前の2組の絡みを見守ろう…。)

と渋谷の無限大ホールで行われている定期ライブを見るかのように、わりと平熱なテンションで「視聴ボタン」を押した。

しかし、その先に広がっていたのは想像とはほど遠い、紛れもなくバンドが息づく瞬間だった。

ここから先は、この配信ライブの凄さを5つ書かせてほしい。

●「お笑いライブ」ではなく「ライブドキュメンタリー」

この配信ライブの名は「実録!ニューヨーク×空気階段が2時間限定バンドを結成し解散するライブドキュメンタリー」だ。

「お笑い」の文字も「ネタ」という文字も一切ない。
キングオブコント決勝が、1週間後に迫っているとは思えないライブタイトル。

前半はバンド名を決め、楽器パート決めなどを行い、わりとお笑いムードが蔓延していたが、それぞれが楽器を持ってからは「あれ?ロックバンドの開演前の映像見てる?」と何回か錯覚に陥った。

数分前に楽器パート決めたばかりなのに…。
空気階段にいたっては、初めて弦楽器を触ってる感じなのに…。

なぜか不思議としっくりくる4人の佇まい。
結成した瞬間、解散ライブへの道を走り出した4人から目が離せなくなった。

●ドキュメンタリーと好相性の2組

何かの都合で、たまたまスケジュールが合った2組だったのかもしれない。しかし、ニューヨークと空気階段という奇跡のキャスティングをしてくださった方に、心の底からお礼を言いたい。

ニューヨークと空気階段ほど「ドキュメンタリー」と相性が良いコンビはいないと個人的に思っている。

ニューヨーク×ドキュメンタリーといえば「エレパレ」を思い浮かべる方も多いだろう。

SC17期生(空気階段やオズワルドの代)の一部により突然結成された「ザ・エレクトリカルパレーズ(通称・エレパレ)」
エレパレの詳細内容は本記事では割愛するが、この「エレパレ」の映像も2時間ほどあった。しかし、その長さを全く感じさせない、視聴者を引き込む力がニューヨークにはとてつもなくあると、今回の限定バンドライブを見ても感じた。

もう1組の空気階段はというと、長年やっている冠ラジオ「空気階段の踊り場」が「ドキュメンタリーラジオ」とたびたび称される。

それほど空気階段の2人は、生き様を隠さない。いや、隠せないといったほうが正しいのかもしれない。あの2人のケンカも恋模様も、どんなバイトをしてきたかも踊り場リスナーはみんな知っている。

ちなみに余談だが、空気階段のもぐらさんは「ドキュメンタリー映画に興味があって大阪芸大に入学した」と言っていた。もぐら監督の「ドキュメンタリー映像」もいつか見てみたいな…なんてベースを真剣に弾く、もぐらさんを見て思ったりもした。

●ニガミ17才さんの手によって化ける2組

話を2時間限定ライブに戻そう。
屋敷さんはバンド経験あり。嶋佐さんも音楽に造詣が深い。
しかし、ほぼ楽器経験なしの空気階段の2人。
歌詞も曲も、これから作る。
2時間後には解散ライブが迫っている。

「え?これ、どうすんの…?」

見始めた誰もが思った瞬間に「いけます!」と頼もしい言葉が…。

バンドの構成、楽曲制作の筋道、すべてを担い4人をサポートしたのが「ニガミ17才」さんだ。

プロのバンドがライブハウスの舞台を前に、裏方に徹するという冷静に考えるとハチャメチャな仕事依頼に、よくOKしてくれたものだ…。

このライブの陰の功労者は「ニガミ17才」といっても過言ではない。

解説の鬼越トマホークも言っていたが、ニガミ17才さんがいなかったら…、ニガミ17才さんがお笑い好きじゃなかったら…とんでもない事になっていたと思う。

●BKBの実況、鬼越トマホークの解説

もう2組、このライブの影の立役者として忘れてはいけないのがBKBさんと鬼越トマホークだ。普通の配信ライブでは、ほぼ見れない舞台裏や練習風景の映像がこのライブではたっぷり。

その様子を見ながら視聴者と一緒になって感想を言い合ったり、裏話を披露してくれたりするのがBKBさんと、鬼越トマホーク。

ちなみに前半はBKBさんだけ、時間を気にして進行しているところは見どころのひとつ。ニューヨークと同期の鬼越トマホークの、愛情あるちゃちゃ入れはずっと聞いていたい。

また、鬼越トマホークが「(このライブ)無観客ライブの正解、最適解だろ」と言っていたのに激しく同感した。2000円払うだけで、革新的なライブが生まれる瞬間に立ちあえる。

実況・解説まで最高の布陣だった。

●会場がライブハウス

この無観客ライブの会場は、渋谷の無限大ホールでもなく、有楽町でもなく、渋谷のTSUTAYA O-WESTで行われた。
正真正銘のライブハウスだ。

舞台、カメラワーク、照明…。
4人を芸人からバンドマン「スィーブリーズ」にさせるには申し分ないほど、環境が整っていた。

最初はそこまで乗り気じゃなかった屋敷さんも
寡黙にドラムに向き合う嶋佐さんも
持ち前の器用さを見せる「平日課長」こと、もぐらさんも
華奢な指で、不穏な音を鳴らし続けるかたまりさんも(でもメチャギター似合う)すごい集中力で、練習や歌詞制作に取り組んでいた。

特に屋敷さんの歌詞考えている姿と、もぐらさんが黙々と汗流しながらベースを習得していく姿は、個人的な胸熱シーンのひとつ。

良い意味でキングオブコント1週間前とは思えない、ファイナリスト2組の普段見せない表情をぜひ目に焼き付けてほしい。

きっと見終わる頃には「スィーブリーズ!!!解散しないでーーー!!!」となっているはずだから…。

スィーブリーズ!!!!
サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!!!!

▼まだ配信チケット買えて見れるようなので!気になる方はぜひ!!!


それにしても見てるこちらまで、バンドやってみたくなっちゃうライブだったなぁーーーー!!!!



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