2020 埼玉西武ライオンズ選手寸評①(投手編・パート1)

おはようございます。特に誰が見るわけでも誰に見せるわけでもない、埼玉西武ライオンズの選手を勝手に評価するコーナーです。まあ何かしらの形でやろうとは思ってました。

ポジション別・背番号順で書きます。とりあえず一軍成績がある選手だけやって、そのあと二軍のみの選手をまとめてやります。
評価は良い順にS~Dまで(一軍に出た人だけ)、適当につけていきます。

11 今井達也 C

19試合 3勝4敗 防御率6.13 61 2/3投球回 44奪三振 57与四死球 WHIP2.01

とにかく悪い印象しかない。自主トレでは涌井・岸の教えを乞い、速球派として練習試合でも好投していたのですが、開幕後は致命的なまでの制球難を露呈。中継ぎ転向、二軍落ちも経験しながら先発ローテの一角として期待を受けたものの、7勝を挙げた昨年の輝きからは程遠い数字となりました。
成績を見るとほぼ全ての数字が悪化、特に与四球率は4.79→7.59と悲惨な状態。9回完投したとして7~8個も四球を出すような投手、普通の胃袋では耐えられません。
ファームでは比較的安定しているため、ある程度長い目で見ることが必要だとは思いますが、台所事情的にも待ってもらう余裕はそんなにないはずなので早期復活に期待したいところです。

12 渡邊勇太朗

(ファーム) 4試合 0勝1敗 防御率5.24 22 1/3投球回 13奪三振 8与四死球

着実にステップアップしている大型右腕。昨年は2試合登板に留まったものの、FA人的補償で加入した内海に弟子入りしイースタンである程度の結果を残した。生憎映像で見たことはないが、数字を見る限りでは大崩れする感じではなさそう。球数も徐々に増えており、体作りのフェーズは終えたとみてよさそうだ。今オフの自主トレは内海に同行する予定で、大化けの可能性を秘めている。

13 髙橋光成 S

20試合 8勝8敗 防御率3.74 120 1/3投球回 100奪三振 52与四死球 WHIP1.20

その渡邊が一先ず目指すべき投手と言えばこの人か。昨年初の2ケタ勝利を果たすと、今年はローテーションを守りチーム唯一の規定投球回到達、自身初の100奪三振とエースと呼べるくらいの数字に。勿論まだ物足りない点は多いのだが、奪三振率・与四球率・被本塁打率全てにおいて向上させたことは称賛すべきだろう。
印象的な試合といえば9/8オリックス戦、先発として快投を見せ強者揃いの打線を手玉に取ります。そのまま8回をノーヒットに抑え、9回先頭の代打・西野にヒットを浴びたものの見事な1安打完封勝利。また、10月は4試合に登板し28 1/3回で3失点、終盤戦のチームの支柱となった。

14 増田達至 S

48試合 5勝0敗33S1H 防御率2.02 49投球回 42奪三振 12与四死球 WHIP1.04

今季もクローザーとして抜群の安定感を見せた。先発、平良、ギャレットから託されたマウンドをしっかりと守り抜き試合を締める姿にファンは安堵しました。試合数が減ったこともあり昨年ほど圧倒的な数字にはならなかったものの、2年連続30セーブは見事。初の最多セーブ獲得となり、FAを控えるシーズンの成績としては最高のものとなりました。
今やファンの話題はこの方のFAで持ち切りですが、彼が残ってくれるか否かでチーム構想は大きく変わると思われます。ブルペンの層の厚みという面でも重要なピース、球団には全力で残留交渉に挑んでほしいと思います。

15 宮川哲 A

49試合 2勝1敗13H 防御率3.83 44 2/3投球回 45奪三振 30与四死球 WHIP1.54

東芝から来たルーキー。先発中継ぎ両方をこなすスタミナを武器に開幕一軍入りを果たすと、ミドルリリーフとしてタフに投げ続けました。シーズンが進むにつれて信頼も増し、難しい場面での登板機会も多くなるなど首脳陣からの期待に応えたと言えるでしょう。
ストライクゾーンで勝負できるメンタルを持っていることもあり、来季以降もブルペンで期待されることと思われますが、改善してほしいかなというのは与四球率。5.84だったのを4くらいまで落とせると更に安定感を身に付けられそうです。

16 松坂大輔

登板なし

まさかまさか、球団のレジェンドが復帰してグッズも大々的に売り出して、その結果が練習試合だかオープン戦だかでちょっと投げて以降リハビリとは。客寄せパンダにすらなりませんでした
多くのファンは「せめて1試合でも投げて欲しい」と祈っているはずなので、まずは1試合登板から頑張ってほしいです。

17 松本航 A

20試合 6勝7敗 防御率4.37 103投球回 56奪三振 58与四死球 WHIP1.41

及第点ではあるかな...という感じになった人。キャンプで肺炎にかかり、開幕に出遅れるというスタートからよく持ち直したといえばそうなのですが、あと一歩壁を超えられたかなというと微妙。とはいえ試合を作れるピッチャーであることは確かであり、9/13ソフトバンク戦では敵地で相手打線をかわし7回無失点の好投を見せるなど随所で光を放った。
抑える時は良く抑える、打たれるときは良く打たれるムラっ気の改善が必須だろうか。

18 多和田真三郎

(ファーム) 5試合 1勝2敗 防御率3.65 24 2/3投球回 13奪三振 5与四死球

特にコメントはありません。自律神経失調症からの復帰を成し遂げた、それ以外に彼に求めるものもないですし、ファームで勝ち星を挙げるまでに戻ってこれた事は大いなる収穫です。
戦力外通告のち育成契約となるそうで、一歩ずつ一軍のマウンドが見える場所まで来れるといいなあ

19 齊藤大将 D

7試合 0勝1敗 防御率9.90 10投球回 3奪三振 8与四死球 WHIP2.20

何をもってこのピッチャーをドラ1で取ったんでしょうか。貴重な左投手ではあるのだが、現状「左で投げているだけ」の投手となっている。防御率が表す通り、役割はほぼこなすことが出来ず、今季最終登板となった11/9ソフトバンク戦でも2回5失点。手薄なポジションを担う貴重な戦力、と呼んでもらえるうちにマシな数字を残しておきたいところだ。
ファームでは防御率2.49とまともな成績だが、与四球率は4.78とまあまあの制球難である。

20 浜屋将太 B

12試合 3勝3敗 防御率4.97 50 2/3投球回 23奪三振 24与四死球 WHIP1.36

ローテーション定着を果たしたルーキー左腕。リリースの見えづらいフォームを武器に開幕一軍入り、しばらくはリリーフで投げていたがチーム事情に伴い先発に転向。9/16ロッテ戦で初勝利を挙げて以降は大崩れすることもなく先発の一角を担った。まだ投球の組み立てなどは課題点だが、来年以降もローテに名を連ねることになりそうだ。
気がかりなのは制球力。ストライクとボールがはっきりする試合が多く、結果的に抑えてはいるもののテンポの悪さから早い回でマウンドを降りる試合もあった。打線の援護を受けるためにも改善はマストだ。

21 十亀剣 D

8試合 2勝1敗 防御率7.50 24投球回 13奪三振 16与四死球 WHIP1.79

昨年オフにFA権を行使して残留しファンから神のように崇められたが、その期待を大いに裏切ったと言っていいのではなかろうか。一軍登板は9月中旬までずれ込み、起用法が安定しなかったとはいえどチームの勝ちを呼び込む投球はできなかった。
ただ、10/17オリックス戦では敗戦投手にはなったものの6回3失点と試合は作っており、年齢的にもそろそろ円熟味のあるピッチングを身に着けたいところだ。

23 野田昇吾 D

3試合 0勝0敗 防御率0.00 1投球回 1奪三振 1与四死球 WHIP3.00

上記の成績だけ見れば「良いピッチングしてるじゃん」と思うかもしれないが、良かったのは初登板だけで後の2試合は1アウトも取れず降板している。元々対左のワンポイントみたいな役割なので致し方無い面もあるが、仕事をこなせていないのは事実でしかない。二軍でも30試合に登板したものの防御率5.00とワーストを記録しており、5年目にして戦力外通告を受けてしまった。
野田といえば今年の元日に声優・佳村はるかとの結婚を発表し、野球ファンよりも声優ファンから期待(と怨念)を受ける中でのシーズンだったのだが、残念な結果となってしまった。

25 平井克典 B

41試合 5勝5敗7H 防御率4.18 60 1/3投球回 53奪三振 24与四死球 WHIP1.38

昨年リーグ新記録の81試合登板を果たし、そのツケが回ったような違うような、形容しがたいシーズンだった。開幕からリリーフの看板としてタフに投げたが、時折打ち込まれる試合もあり徐々に序列が下がり始める。そんな中での8/20オリックス戦。辻監督が「ブルペンデー」と位置付けた試合で先発のマウンドに上がると、「2~3回あたりで変わるだろう」という見込みとは裏腹に5回無失点の好投で勝利。その後はリリーフなんだか先発なんだかよくわからん起用法の中で投げ抜いた。
来季は先発転向を希望しているそうだが、ポテンシャルはあるはず。

26 粟津凱士

(ファーム) 13試合 1勝1敗 防御率7.04 15 1/3投球回 10奪三振 13与四死球

一軍デビューを果たした昨年とは打って変わり、二軍で打ち込まれる試合が続いた。中継ぎの一角として一時期は安定感を見せたが、9/19DeNA戦で1回2失点を喫して以来以降4試合連続で失点すると、それ以降は登板なし。恐らく故障だろうと思われるが、しっかりリハビリをこなして来季のポジション争いに加わってほしい。ぁゎっ

27 内海哲也 B

4試合 1勝2敗 防御率4.26 19投球回 12奪三振 7与四死球 WHIP1.26

待望のライオンズデビューを飾ったベテラン。制球力を武器にしたピッチングでそれなりに見せ場を作り、9/2ロッテ戦では5回無失点で移籍後初勝利。その後もローテーションでの活躍が期待されたが、9/17ロッテ戦で負傷降板したのを最後に一軍登板はなかった。
ただ、あの内海が投げているというのは若手投手陣にとっては得るものは多く、渡邊を筆頭にコーチ役を兼任するような感じでチームに貢献してくれている。来年は一軍のマウンドにコンスタントに上がってほしいところだ。

28 森脇亮介 S

47試合 7勝1敗16H1S 防御率1.35 46 2/3投球回 41奪三振 21与四死球 WHIP0.90

2年目のシーズンを最高の形で過ごした。シーズン通して一軍のマウンドに上がり、序盤は負け試合や大差でのマウンドが多かったものの、次第に安定したピッチングで首脳陣の信頼を得ると終盤戦では「7回の男」に定着。与えられた仕事を淡々とこなしていった。
武器は何と言ってもフォークで、ストライクゾーンにズバズバと投げ込んでいく制球力とメンタルはチーム屈指と言える。彼が好調を維持したことは最大のサプライズであり、Aクラス入りの立役者と言っても過言ではない。

29 小川龍也 A

38試合 2勝1敗3H 防御率2.10 25 2/3投球回 13奪三振 15与四死球 WHIP1.40

「左殺し」なのかはさておきブルペンに必要不可欠な戦力であることを印象付けた。昨年より登板数は減少したものの防御率は改善し、ワンポイントリリーフとしては合格点の数字といえる。9/5日本ハム戦で一軍昇格後は23試合でわずか2失点と安定感を見せており、終盤戦の追い上げにおいて大きな役割を担った。
先述の通り左のワンポイントであるが故に、各球団の左打ち強打者との対戦が多いが、H柳田には5-1 2三振、Bs吉田正には5-1 1三振とそれなりの結果を残した。

30 榎田大樹 C

5試合 1勝1敗 防御率5.25 24投球回 9奪三振 7与四死球 WHIP1.33

なかなか与えられた役割をこなすことが出来ないままシーズンが終わってしまった感。2018年こそ移籍初年度で11勝と輝かしい成績を残したが、昨年~今年と本領発揮には至っていない。制球力は高い精度を保っているが、三振を多く奪うタイプではないため打ち頃に入ってしまうと歯止めが効かなくなるシーンが多かった。
ただ、最後の最後にチームに貢献。11/2日本ハム戦では7回1死までノーヒッターの好投を見せ、完封リレーでの勝利に貢献した。

33 ギャレット A

49試合 3勝2敗16H 防御率3.10 49 1/3投球回 45奪三振 25与四死球 WHIP1.46

トータルで見ればよく投げてくれた...という投手。開幕からしばらくはセットアッパーとして起用され、常時150km/h台後半を計測する速球を武器に相手打者を手玉に取った。が、8月後半からは徐々に打たれる試合も増え、森脇の台頭も相まって役割が定まらないリリーフに。10/3ロッテ戦では何故か先発も経験(2 2/3回を無失点)したが、終盤戦では再び安定感を取り戻した。
やはり注目されるのは球速が出るストレートだが、豊田コーチ直伝のフォークが彼のピッチングを支えた。更に引き出しを増やすことが活躍に繋がる。

34 佐野泰雄 C

8試合 0勝0敗 防御率1.35 6 2/3投球回 1奪三振 2与四死球 WHIP1.65

44試合に登板しブレイクを果たしたシーズンから一転、故障もあって少ない出番に終わってしまった。左投手かつロングリリーフをこなせる貴重な人材として活躍を期待されていたものの、8/11楽天戦で田中への2球目を投じた後にマウンドを降り、以降は一二軍共に登板なし。二軍では打たれはしたが高い奪三振率を見せていただけに、悔やまれる結果となった。

ここまでで投手39人中の20人を書き上げました。なっが。
そのうち投手パート2とか野手編とか書こうかと思うので、まあ頑張りますとしか......

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