ラフプレーに思うこと after
アンサー。
先日、Jリーグ全体を巻き込む大問題となったレアンドロのラフプレー。
極めて悪質で選手生命に関わる行為であったことや、過去にも同様の事例で出場停止になった「前科」があったこと、また被害者である名古屋グランパス・中谷選手が試合後コメントで「厳しい処分」を求めるなど、かなりの大事として扱われるようになってしまいました。
そんな中で、Jリーグからどういった処分が下されるのか、が議論の対象になっていましたが、9/24にFC東京公式のリリースで発表されました。
処分内容
Jリーグ規律委員会からは「3試合の出場停止・罰金10万円」の処分。
昨年10月にガンバ大阪戦で同様のラフプレーを行い、下されたものと比較すると、出場停止期間は同等、罰金は20万円軽減されています。
この処分内容は具体的にどんなんか、というのはこの記事を見るのが一番わかりやすいです。
JFAが定める「競技および競技会における懲罰基準」に基づき、2-2.「選手等に対する暴行・脅迫および一般大衆に対する挑発行為」に該当すると認められての2試合出場停止。更には昨年に発生したプレーを考慮しての1試合追加です。
昨年処分された際の記事と見比べると、「試合中に審判員が確認できなかった『極めて悪質な行為』」ではなかった点が目に付きますが、VARチェックされて正しくレッドカードが出されたことが影響しているのでしょうか。（以下参考記事）
また、本件ではクラブからも独自の処分がなされ、「2試合の出場停止・罰金100万円」が下されました。
この処分では、金額云々は置いといてこれ以上事を荒らげることが無いようにという配慮が見られます。
というのは、出場停止処分が適用される試合。
Jリーグからの処分は対象となった試合と同格のもの、「明治安田生命J1リーグ公式戦」にのみ適用され、9/25 vs浦和, 10/2 vs川崎, 10/23 vs鹿島の3試合で出場停止となります。
しかし、クラブはその間に大事な2試合を控えています。
10/6, 10/10のルヴァンカップ準決勝・名古屋グランパス戦。よりによって名古屋。
仮にレアンドロを「処分適用外だから」と言って出そうものなら、いつも以上に厳しい目線に晒されることで彼だけでなくチーム全体が委縮することや、チーム問わず同様・同等のプレーが発生した際に試合がコントロールできなくなり、フェアプレーによる進行が妨げられる可能性があるのではないかと考えます。そうした意味での、「公正に戦う」意思表示としての処分でもあるのではないでしょうか。
なお、同時に発表された処分として、社長・トップチームマネジメント部長・監督による月次報酬5%返納×2ヶ月も発表されました。
処分は妥当か？
かなり難しい判断ではないかと思われます。
Jリーグ規律委員会による発表から見る限りでは、懲罰規程に沿った処分が為されており、妥当だといえます。
しかし、昨年も同様のケースが発生している常習性や、今回の行為だけを切り取ったとしても目立つ悪質性を鑑みると、もう少し重い処分でも...と思う人が出るのも当然のことです。
そのギャップを埋めるための要素として、上記の「クラブ独自処分」が下ったのではないでしょうか。
個人的には、この独自処分は対戦相手である名古屋グランパスに向けた配慮が込められているものだと解釈しています。
名古屋の選手にとって、一月も経たないうちに暴力行為を働いてきた選手と相対することは大きなメンタル面での負担となり、満足なパフォーマンスを出せないまま敗退する可能性を生んでしまいます。
東京としても、仮にレアンドロを出して勝利したとしても、「暴力行為を恐れて萎縮した結果」と言われることは不本意極まりないことです。フェアでクリーンな試合運営のために、現時点でやれることはやったのではないでしょうか。
また、この処分が併せ持つ意味として、試合に出すことによって彼がこれ以上狂わないよう、（正直これ以上レアンドロに更生のチャンスを与えることが正しいかは自分はわかりませんが）彼のサッカー人生をここで終わらせないための配慮でもあるのかな、と感じています。
総括
レアンドロという選手が東京に来て1年9カ月、彼の存在は東京のサッカーになくてはならないものとなりました。それだけに、自分で価値を暴落させるような行いをしたことが本当に残念でなりません。彼のメンタルケアは万全だった？規律面での徹底がされていなかった？コミュニケーションは十分に取れていた？という疑念は現場の人間が一番感じているでしょうし、悔やんでも悔やみきれない所が多いのではないでしょうか。
また、彼がピッチに立つ日が来るとすれば、「またやらかすのではないか」という自軍サポを含めたスタジアム全体からの視線に晒されることになります。
彼の行いは全くもって擁護される必要性のない悪質な行動ですが、いつかその汚名を返上する機会が来るのであれば、今度こそクリーンな選手に生まれ変わってほしいと思います。
アルトゥール・シルバって人がしくじった時にもこんなことを思いましたが、彼は更生どころか他のチームに行ってしまって以来見る機会が無いので、どうなっているんでしょうね。
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