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営業結果重視の日本とジャーニーにフォーカスする海外の違い - マーケティングとは結局何者か?

「マーケティング」の定義みたいなものは数多ありますが、そもそもマーケティングという学問分野がこの世に必要とされている背景はなんなのか?ということがあまり議論されていない気がしているので頭の中を整理しながら久しぶりにnoteを書いています。

今日は「マーケティングとは結局なんなのか?」という原始的なことを書きたいと思います。

営業活動とマーケティングはよく対比されます。マーケティングの学問分野の裾野を広げるために、派閥争いのためマーケティング専門家サイドから営業と対比することのメリットを見出したのかもしれませんが、

結局のところ、マーケティングは「営業活動の揚げ足取り」であると「思われている」と思っています。日本人の多くがマーケティングは営業活動の揚げ足取りと無意識的に感じているという話です。

私はマーケティングが素晴らしい学問分野であると認識しており、語弊があるかもしれませんが、極端な言い方をすると「マーケティングは営業活動の揚げ足取り」にすぎない。(と、思われるのが日本の文化です。)

言い方を変えれば、マーケティングは、営業活動では説明ができない多角的な捉え方や「あらゆる視点」を持っている学問分野です。

つまり、一つの物事の捉え方、考え方、背景の見出し方、根拠などさまざまな観点、多角的な視点を持っているのがマーケティングの真髄だと思っています。

そこで、日本の特殊性とマーケティングの基礎となる環境を日本で獲得することが難しい背景などを考えてみました。少しだけ海外と日本の印象、その前に「日本がとても変わっている国」であることの個人的な見解をお伝えしたいと思います。

世界と日本のマーケティングの捉え方が異なるならば、日本人は何が「特殊」なのか?ということを考える必要があります。

日本人の「特殊性」「特別性」は下記の2つにあると考えています。本当に個人的見解なので悪意などは全くありません。しかしながら、日本とそれ以外の世界の国々では、陰口とまではいきませんが、日本の特殊性について皆がほぼ同じ意見を持っているようです。日本はまだまだ子供が生きづらい世界であるとも言えます。

1. 結論の決定に至る根拠となる選択肢が少ないこと(プロセスは固定と考え結果を重視=単一民族の特性)
2. 物事に対する見方の数、視点の数が圧倒的に少ないこと(人種や民族が入り乱れていない単一民族の特性)

私自身がこれまで20あまり海外に訪問した経験と現在イギリス、中国、チェコ、アメリカ人と仕事をする機会、さらにはありがたいことに山形市内でナイジェリア人の方と触れ合う機会も少しあり、日々の仕事の中で得た私なりの感覚からマーケティングや視点の違いについて考えてみました。

最もわかりやすいと思われる例が、会議の中で何にフォーカスするかということです。海外も日本も会社の売上や利益に直結する議論がされている前提で考えてみます。

日本では多くの場合、営業活動の結果にフォーカスする傾向があります。一方で、海外では多くの場合会議の中で、顧客のジャーニーにフォーカスしている傾向を感じています。

これはつまり、どういうことかという話です。日本では仮に前月の営業実績が60件、今月が50件の場合に「結果が落ちた」ことになります。こんな結果を報告したら、「努力が足りない」と思われて「何がいけなかったのか?」と質問をされるのが日本です。

一方で、海外では同じ結果の報告でもフォーカスするポイントが違います。例として、こんな報告の仕方をします。

「新たに新設したYouTubeチャンネルからの流入が当月2,000件あります。またInstagramのエンゲージメント率が前月から30%向上しています。CVRが一定なので…(中略)…全体的に認知率が10%向上しました。顧客の問い合わせタッチポイントは5箇所で、Instagram、公式サイト、店舗のLステップ、YouTube、リアルなチラシ媒体です。それぞれの営業結果は下記です。

Instagram15件(前月0件)、公式サイト11件(前月30件)、店舗のLステップ10件(前月1件)、YouTube14件(前月0件)、リアルなチラシ媒体0件(前月29件)の結果でした、新規のSNSやYouTubeからの流入が大幅に増加していますので、SNSの運用にマーケティング予算をフォーカスしましょう」という具合です。

顧客のジャーニーにフォーカスする海外と営業結果にフォーカスする日本では、マーケティングの必要性やマーケティングに対する価値観が全く異なります。

疲れたのでここまで。

マーケティングとは結局何者か?に対する答え…「マーケティングとは多角的な視点を持った捉え方の姿勢そのもの」「本質を捉えるさまざまな見方のヒント、本質を捉える発想の転換のヒントや姿勢そのもの」であると結論づけましょう。

日本人が単一民族で特殊であるということを自覚しながらマーケティングに対する価値の比重を増やすことが日本の国力につながると考えています。

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