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お茶づけ海苔のおまけの東海道五十三次のようでありたい
この記事は SUZURI Advent Calendar 2020 の9日目です。
こんにちは、SUZURIでデザイナーとして働き生計を立てているshirtskirtです。毎年12月になると頭の中で鳴るクリスマスソングは山下達郎です。
2020年はSUZURIで働く私たちにとっても生活が大きく変わった年でした。コロナ禍により1月末からフルリモートワークが基本となり、これまで週5で渋谷通勤していた日々から一転、一日中家の中で働く生活となりました。
フルリモートワークはメリットデメリットどちらもあるとは思うけど、朝の身支度にかかっていた時間も通勤時間もなくなり、好きなことに使える自分の時間や睡眠時間が増え、毎日モコモコのフリースみたいな服を着て仕事ができるので、私は8:2くらいでメリットのほうを大きく感じています。
自宅で働くことで大きく変わったのは、ご飯を3食すべて家で食べるようになったことです。
これまで朝ごはんはあえて家で食べず、セブンイレブンで買ったパンやおにぎりを会社に着いてから食べるという楽しみを出社のモチベーションにしていたのと、大体ランチは会社近くのお店に行っていたので、基本的に一日2食は外で食べていました。
それが朝、昼、夜と家で食べるようになり、外食も控えめにするという環境だったため、だんだんご飯のバリエーションに飽きも出てきます。特に朝はボーッとしていることが多いので、用意に手間がかからずサクッと食べられるものがいいのですが、そのぶん似たようなものになりがちです。
そこで私の食生活に新たに登場したのがこちら。
永谷園の「お茶づけ」です。
実家の父がこのお茶漬けの素が好きだったり、同僚にも好きという話を聞いたことがありますが、人生で食べたことがあるのは多分両手の指で数えられる程度でした。
これまで買ったことがなかったのに買ってみようと思ったのは、「サクッと用意できて身体がポカポカになる朝ごはん」のバリエーションに飢えていたからです。暖かい汁物が一番ポカポカになれるけど、いつも味噌汁やスープが残っているわけではないし、インスタントの味噌汁は味気ない(朝キッチンに立ちたくないという前提で語られています)。それならご飯自体が汁物に漬かっていたらいいのでは・・・・?という発想から、この永谷園の「お茶づけ」にたどり着きました。
永谷園の「お茶づけ」シリーズには、ベーシックなお茶漬づけ海苔、梅茶づけ、わさび茶づけ、たらこ茶づけ・・・さまざまなバリエーションがあり、近所のスーパーに行けば一通り揃っています。
私は実家の父が好きで何度か食べたことのある「さけ茶づけ」をリピート買いしています。
ご飯とお茶づけの素だけでは栄養バランス的に心もとないので、大体しらすをご飯の上に山盛りにしてからお茶づけの素とお湯をかけて食べていますが、身体がポカポカになるし栄養もとれておいしい。朝ごはんだけでなく、そこまでお腹が空いてないときにサクッとご飯をすませる時にもちょうどいいです。
そしてこの永谷園の「お茶づけ」には、おまけがついています。
それが「東海道五十三次カード」です。
(※正式表記は「五拾三次」)
8枚所持しているうち、2枚絵かぶりがありました。
ちなみにコンビニで売っている3個入りの少量パックにも入っています。
このおまけを見たとき、いろいろな思いが胸に浮かびました。
まず、このおまけは「商品を買う一番の理由には至らない」ということです。おまけつきの商品にはいろいろあるけれど、例えばポケモンパンはパンよりも、あの「貼ってはがせる水にも強いポケモンシール」が欲しくて買うし、アニメのキャラクターが描かれているふりかけパックは「シールがついていて子供がほしがるし、絵が描いてあると子供がよろこぶから、ふりかけならどれでもいいけど買う」という理由で買われています。
多分このお茶づけの素は、長年親しんだ「味」で買われているし、この東海道五十三次カードがついていないからといって買うのをやめる人はおそらくいません。つけなくても売れるのです。
「つけなくても売れるのに、ついている」ことがすごいのです。
また、この東海道五十三次カードから見て、ターゲットは子供や若者ではなく中高年以降の方がメインなのだと思います。「全部で53種類ある」ことからも、「いつもこの商品を買っている人向けのおまけ」であることがわかります。
このおまけは、「永谷園のお茶漬けを買ってくれている人たちの心と生活を、少し明るく、少し豊かにする」ためにつけられているのだと、私は思います。
私の頭に思い浮かんだのは、子供の頃、足腰を悪くするまで近所の団地の一階に一人で住んでいたひいおばあちゃんの姿でした。たまに家に遊びに行くとこまごまとしたものが部屋に溢れかえっていて、こたつやストーブがあり、甘党だったのでお菓子もいっぱいあり、いつも私が来ると大袋に入った森永のチョコフレークを出してくれました。
そういった日々の生活の中に、この東海道五十三次カードがあって、いつも通りスーパーでお茶づけを買って帰ってきた人のちょっとした楽しみになっていて、居間の棚の上とか、キッチンの隅とか、小物を入れている箱の中とかに重ねられているところを想像しました。
もちろん、「これを楽しみにまた買ってくれたらいいな」という気持ちがあるだろうし、実際にその効果もあると思います。
逆に、東海道五十三次カードより、もっと売れるためのおまけがあるんじゃない?と思う方もいるかもしれません。
それでも、商業的な理由を超えて、その先に「長く続く生活を照らす」という思いがあるように感じ、胸が温かくなりました。
会社で仕事をしている限り、おそらくどんな業種でも、売上を上げる、業績を伸ばすということからは逃れられないものだろうと思います。施策も効果の高いものが優先順位に上がるし、やったらよさそうだけど目に見える効果をあげられなさそうなものは優先順位が下がっていきます。その判断ができているのは判断ができていないよりまともだとも思います。
それでも、「人の心や生活を、どう明るくするか」を常に忘れずに仕事をしていけたらと思うのです。それは両立できる方法があるかもしれないし、時には「明るくしたい」の比重が大きいこともあっていいと思います。「ちょっと笑顔になった」くらいでも、その人の1日にとって、十分価値があることがあるから。
最後にSUZURIにおける東海道五十三次カード的存在の一種と言える、私の一番好きなおまけ機能を紹介します。
缶バッジの大きさを100円玉と比べる機能です。
缶バッジの商品ページにある「100円玉と比べる」ボタンを押すと、100円玉が左側から転がってきます。
「戻る」ボタンを押すと最初に来た方向と反対の右側に転がっていきます。
左じゃないんかい。
それではみなさん、よい年末を。コロナ禍が終わったら、みんなで肩組んでクリスマスソング熱唱しましょう。
明日はSUZURIの無形文化財、@mohariyoshiさんです。
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