『移民が移民を考える』フェリッペ・モッタ著

横浜みなとみらいにある、JICAの海外移住資料館は私の好きなミュージアムの一つです。赤レンガ倉庫の賑わいの喧騒から抜けられる、ほっとした空間であり、入場無料ということもありがたいです。

日本から多くの人が海外に移住し、その子孫の方が日本に来ているという歴史は一言では到底言い尽くせないものです。その歴史、文化、生活の断面を示すミュージアムとして、大切な場所だと思っています。

海外移住資料館では定期的に講演会を開催しており、オンライン参加も可能なものが多く、その中で知ったのがフェリッペ・モッタさんでした。

今回の著作はブラジルへの移民がどのように文化を築いていったかという点でもそうですし、戦争期のブラジルでの同化政策のことも初めて知り、勉強になりました。
半田知雄さんは移民一世の著作家、画家であり、この本にも収録されている絵、顔がぼやけた移民の姿は、郷愁も厳しさも表すようでした。
コロニア短歌、移民たちが綴った短歌集の存在も知り、興味が沸きました。

散りばめられた話題に、世界の深さを感じるようでした。