福祉=介護? 人と人をつなぐ「地域交流」の可能性
「福祉って、人と人が幸せにやっていくことなんですよ」
ケアプラザで地域活動交流コーディネーターをしている原島さんは言います。
なんとなく知っているけどよくは知らない「福祉」について「これも福祉なんだ」と思っていただけたらと思います。
ケアプラザってなに?地域活動交流コーディネーターってなに?
今回インタビューにご協力いただいたのは、神奈川区、六角橋地域ケアプラザに勤める原島さんです。
地域ケアプラザは横浜市独自の施設で、高齢者、子ども、障がいのある人など誰もが地域で安心して過ごすためのさまざまな取り組みを行っています。横浜市の施設ですが、社会福祉法人が委託されて運営を担っています。
ケアプラザの仕事の多くは高齢者に関することですが、原島さんは六角橋地域ケアプラザの職員で唯一「地域交流」を担当されている「地域活動交流コーディネーター」の方です。その仕事内容を簡単に表すと「地域住民の方に『楽しい』と思ってもらえることを仕掛ける」ことをしています。これも福祉のお仕事です。
福祉が仕掛ける「地域交流」
原島さんは地域活動交流コーディネーターとしてどんなことを行っているのか、お話を伺いました。
・乳幼児×小中学生 「子どもプール・水遊びデー」
大人気の企画で、普段はお母さん・お父さんのいうことに反抗しがちな小さな子どもたちも、小学生のお兄さん・お姉さんのいうことは聞くそうです!
・子育て世代×地元商店街 「地域を知ろう♪ハロウィンパレード」
子どもたちが仮装して商店街を練り歩き、商店街の人は無償でお菓子をくれるそうです!うらやましい!
最初はUSJのゾンビナイトにインスピレーションを受けて、地元の大学生が夜にゾンビの仮装して商店街を練り歩く計画だったそうですが、それは怖いということでボツになったそうです。私はそっちにも興味あるなあ…
・地元企業×地域ボランティア 「コーヒーを学んでサロンをつくろう」
六角橋地域にあるドトールコーヒーさんからコーヒーについて学び、その内容を知識で終わらせずに自分の町でコーヒーサロン(地域住民主体の交流の場)を開設しました。今は六角橋地域に13店舗あるんですって!
六角橋地域のカギは「大学」
これまで六角橋地域ケアプラザが仕掛けてきた地域交流についてご紹介しました。地域性をうまく利用した個性的なイベントばかり…
六角橋地域で大きなカギとなるのが地域にある「神奈川大学 横浜キャンパス」です。六角橋地域ケアプラザは神奈川大学と協働し、さまざまな地域交流イベントを行ってきました。その名も「まち×学生プロジェクト」です。
・神大マルシェ
年に1回、神奈川大学に神奈川区の特産品を持っていって販売、地域の人が1000人くらい来るそうです!原島さん、今後は地域にある「いけす」を大学にもっていきたいそうですよ。
・オハナの遊び場
大学生が考えた子育て企画です。「自分たちが本気になれるものを」というテーマで企画されました。岸根公園で大人と子どもが本気で鬼ごっこをします。
・キャンドルナイト
毎年冬に、神奈川大学に牛乳パックでつくったキャンドルを3000本並べるそうです。幼稚園からデイサービスまで、神奈川区内の21施設がキャンドルホルダーを制作します。
といった企画を行ってきましたが、コロナ禍ですべての企画を行えたわけではありませんでした。では、ケアプラザはこの状況でどのような地域交流を行ってきたのでしょうか。
コロナ禍での地域交流「まち”SHOKU"」
「交流」というより「支援」に近いですが、コロナショック、特に緊急事態宣言でアルバイトができず困窮している学生がいるということで、商店街の方から「自分たちが学生のためにできることはないか」という声があがり、生まれた企画です。430人の横浜市在住・在学の学生に一週間分の食品を提供しました。
私はこの企画が「地域住民の声」から生まれたところが特徴的だと思っています。これまでの「まち×学生プロジェクト」によって地域住民と学生の距離が縮まったからこそ、生まれた企画ではないでしょうか。
まとめ「福祉ってなに?」
「福祉」といってもいろいろありますが、今回は「福祉=幸福」という視点で「地域交流」について少しだけご紹介しました。福祉は地域で過ごすあらゆる人をつなげて、楽しく、幸せにしていくことができる可能性を持っています。私自身この取材で福祉に対するイメージが以前より明るいものになりましたが、読者の方はいかがでしたでしょうか?新しい気付きのお役に立てたなら幸いです。
参考文献:
・横浜市, 2020, 『地域ケアプラザ紹介』,
( https://www.city.yokohama.lg.jp/, 2020年12月26日取得)
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