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WBC球を日本製にすべき理由!

 前回の日記に続いてWBCの話題!今回はボールのお話です!

WBCではボールの違いも話題になりましたよね!NPBの公式球とはボールが違うため、侍ジャパンの投手陣も2月の宮崎合宿から3月の強化試合あたりまでWBC球への適応に努めていました。WBC球はMLB球と同じ規格なので、MLBから参加したダルビッシュ有投手や大谷翔平投手は何ら問題なかったものの、普段のボールと違うNPB組は適応に四苦八苦。なんとかWBCの開幕には間に合わせていましたが…

 でも、私は思うのです!

 だったら最初からNPB球もWBC球と同じボールにすれば済む話なんじゃないの~!?

【NPB組のWBC球適応】
 侍ジャパン投手陣の多くは大会を見据えて、早くからWBC球への適応に努めていました。中には1月の自主トレ期間中からWBC球での練習を始めていた投手もいたようです!2月の宮崎合宿からはWBC球での実戦登板を重ねたものの、適応のスピードには個人差があったようでして。3月3日の壮行試合では松井裕樹投手がWBC球への適応に苦しみ、中日打線に打ち込まれるシーンもありましたよね。それでも同9日の開幕戦までに各投手が適応し、14年ぶりの世界一に輝いたのはご存じの通りです!

しかし、それで終わりではありません。同21日に決勝を終えると、今度は同30日のNPB開幕戦までにNPB球に感覚を戻さなければなりませんでした。NPB球→WBC球→再びNPB球と、WBCがない年に比べたら何とも二度手間な話です。労力や負担も大きかったことでしょう。

 気の毒なのは、侍ジャパンの候補に挙がりながらも最終的に選ばれなかった投手です。例えば阪神の青柳晃洋投手は侍ジャパンに選出された場合に備えて、1月の自主トレではWBC球での練習もしていたとのこと。自主トレ期間中に選外の連絡があり、以降はNPB球での練習に絞ったとのことです。これまた二度手間で、徒労感がハンパないですよねえ~(泣)

 そんな苦労も、全てはNPB球とWBC球が異なるがゆえに生じるものです。ボールが統一されていれば、そんな苦労はせずに済むじゃないですか!ぜひともボールを統一しましょうよ~!

【野球のボールの規格は?】
 NPB球とWBC球を比較する前に、まずはボールの規格について確認しましょう!公認野球規則によりますと、ボールの円周は9~9.25インチ(22.9~23.5センチ)、そして重量は5~5.25オンス(141.7~148.8グラム)と定められています。なにせ野球は米国文化のため、インチやオンスではキリのよい数字で範囲を定められているのですが、センチやグラムに換算すると中途半端な数字になってしまいます。

 単位の違いはともあれ、インチにしてもセンチにしても、ちょっと規格に幅を持たせているんですね!インチにして0.25インチ、センチでは0.6センチほど規格に幅が持たせてあり、この範囲内であれば基準を満たしているということになっているわけです!

【WBC球とNPB球の違い】
 では、なぜWBC球=MLB球とNPB球でサイズに違いが生じているのでしょうか?それはWBC球が規格の最大値を採用し、NPB球が最小値を採用しているからだそうなんです。

 WBC球は規格の最大値を採用しているため、円周が23.5センチ。対してNPB球は最小値を採用しているため円周22.9センチ。WBC球の方が6ミリ大きいんですね。どちらも規格を満たしているとはいえ、6ミリもサイズが違ったら、そりゃあ投手が握った際の感覚には違いがあるでしょう!

 続いて重さも、WBC球は最大値を採用しているため148.8グラム。対してNPB球は最小値の141.7グラム。WBC球の方が7.1グラム重いんですね。7グラムも違ったら、持った感覚はかなり違うのではないかと思われます!

 なぜ日米でボールのサイズに差が生じたのか、その経緯は分かりませんが、考えられるのは体格差ではないでしょうか?米国人は総じて体(手)が大きいので、ボールのサイズも規格の最大値を採用した。対して日本人は総じて体(手)が小さいので、ボールのサイズも規格の最小値を採用した。と考えるのが妥当な推測ではないかと思います。野球発祥国の米国から野球が日本に伝来した際に、競技を国内で広く普及させるために、できるだけ日本人にあったサイズを採用したということだったのかもしれません!そうはいっても、球技なのにボールのサイズが違うというのは競技の根幹に関わる気がします。

【サイズの問題だけじゃない!】
 違いはサイズだけではありません!むしろ投手が苦労していたのは触感の違いです!WBC球もNPB球もともに牛皮を使用しているのですが、表面の皮革はWBC球がツルツルしているのに対して、NPB球はシットリしているとのこと。触感が全然違うんですね!侍ジャパンでもNPB勢の投手陣からは「WBC球は滑りやすい」という声が挙がっていました。ツルツルとシットリでは指先のグリップが全然違うはずです!指先のグリップが違えば、直球のキレも変化球の曲がり具合も違ってきてしまいます!同じ競技の公式球なのに触り心地がこんなに違っては、プレーに影響するのも当然です!

 ちなみにメーカーはWBC球=MLB球が米国のローリングス製で、NPB球はミズノ製。それぞれ自国のメーカーを採用しているということですね!

【どっちのボールに統一する?】
 では、WBC球とNPB球、統一するならどっちにそろえるのか?これが非常に難しいのですよ~!なぜなら…

国際大会によってボールが違うからです!

 まずWBCは第1回大会からMLB球を使用しています。これは元々MLB機構が「野球の世界一決定戦」を提唱し、同機構とMLB選手会主導の下でスタートした大会だからです。

 WBCとは別に、プレミア12という国際大会も聞いたことがあると思います!こちらは世界野球ソフトボール連盟が主催。2015年に第1回、2019年に第2回大会が開催され、第3回大会も来秋に予定されています。このプレミア12の使用球はといいますと、第1回大会はミズノ製のボールを使用。つまりはNPB球と同じです。しかし第2回大会は日本のSSK製!ここで現行のNPB球でもなければMLB球でもない、第3のボールが出てきてしまいました!これまたややこしい!

 昔からの野球ファンならご存じでしょうが、SSKは過去にNPB球を作っていた実績があります!複数のメーカーがNPB球に採用されていた2009年まで、SSKもNPB球を製造していまして。その後2011年からミズノ1社に絞られています。いわゆる統一球ですね。この統一球というのも2006年から始まったWBCとのボールの違いを受けて、国内でボールの統一を図ったものなのですが。結局NPB内でのボールの統一にとどまり、WBC球との統一は図られずじまいでした。

【東京五輪はどうだった?】
 国際大会のボールに話を戻しまして、実は2021年に開催された東京五輪でも、採用されたのはこのSSK製のボールだったんですね!しかも東京五輪では、このSSK球が米国代表の投手陣に大好評だったそうでして!東京五輪の米国代表はメジャーリーガーが不参加でマイナー選手中心のメンバーでしたが、メンバー中最多のMLB108勝を誇る左腕スコット・カズミアーらから、MLB球と違って滑りにくくてグリップしやすいと大絶賛だったとのこと!米国人投手からも滑りやすくてロジンをたっぷりとつけなければならないMLB球には辟易している声が多いようなんですね!

東京五輪ではたまたまSSK球が採用されたため、SSK球が米国代表に絶賛されましたが、おそらく米国の投手陣も滑りやすいMLB球より、ミズノ球も含めた滑りにくい日本製の方が投げやすいと総じて感じたということではないでしょうか?やはり日本製品は精密で繊細で優れているということなんでしょうね!さすがはものづくり大国・日本です!

 そうなるとですよ?当初はNPB球をWBC球に合わせるべきだと思っていましたが、米国の投手だって日本製の方が投げやすいと思っているのなら、もはや結論はひとつです!

 WBC球もMLB球ではなく、NPB球に統一すればいいじゃ~~~ん!!!

 そうすれば日本の投手陣も米国の投手陣も、み~~~んな幸せよ!

 と、素人ジョシは思うのでした!

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