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京都大学11月祭 「パレスチナ写真展」に向けて

私が選ぶ1枚

担当:いみちゃん

 豆を売っている男性。叫んでいるように見えるが呼び込みでもしているのだろうか。隣に立っている少年はなにをしているのだろうか。

 実はこの男性が写っている写真はもう一枚あったのだが私はこちらを選んだ。この躍動感や臨場感に感じるところがあったからである。私は絵や写真、ひいては芸術の鑑賞が得意ではない。もちろん嫌いではないのだが毎回戸惑いを覚える。しかし、最近思うようになった。もっと素朴に、感じるままに受け取ったらよいのではないかと。最近では減ったようにも思うが、みなさんも屋台や車で声を張り上げて何かを売っている人をしばしば見かけるのではないだろうか。私はついこのまえ石焼き芋を売っているおじさんを見かけた。その先には何人かの親子連れがほくほくのお芋を食べていた。

 背後に見える赤いものはI♡GAZAと書かれた何かである。日本でもここのところ白文字で書かれた大きな文字をあちらこちらで見かける。数年前はBE KOBEを見てなんだこれはと言っていた気がするのに、今やどこの観光地に行っても巨大白文字が屹立している有様だ。また、似たようなもので言えば、新宿にあるそうだが、赤文字の巨大なLOVEのオブジェもみなさん見たことはあるのではないだろうか。もちろんこのI♡GAZAはきっとそれらとはつくられた目的も経緯も受け取られ方も違うのだろうが、ある種の類似性を感じるのは的外れだろうか。

 どことなく哀愁漂っている気がする写真である。それはくすんだ空の色ゆえだろうか、今これを見ている私がつかれているからだろうか。豆を売っている男性の写真である、彼は何かを叫んでいる、周りには人がいて、後ろにはなにやら見おぼえがあるような新鮮なような文字が立っている。ありのままの、等身大の、精一杯の人の営みがこちらにもあちらにもある。

11月19日から22日に行われる私たちのオンライン写真展、お越しいただければ幸いである。皆さんもどうかありのまま、感じるままに受け取って、パレスチナへ思いを馳せていただければと思う。

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