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シリーズ映画の不人気作を見る【名探偵コナン編】
シリーズ映画。
それは、長年にわたり愛され続け、何本もの作品が公開されている作品群である。
しかし、そんなシリーズにも影が存在する。
長期にわたり公開されているシリーズ映画こそ、人気の無い不遇な作品が登場するのは仕方がないことである。
ここではそんな映画をあえて視聴し、感想をつづっていきたい。
今回、感想を話す映画は、「名探偵コナンシリーズ」。
毎年上映され、その年の興行収入ランキングの上位に組み込む大人気シリーズ。
老若男女問わず、多くのファンを抱えるコナンシリーズは先日、シリーズ累計観客動員数が1億人を突破した。
𝟏𝟗𝟗𝟕年➤➤➤
— 劇場版名探偵コナン【公式】 (@conan_movie) April 30, 2024
青山剛昌先生原作 #劇場版名探偵コナン
⋱\ 愛 さ れ 続 け て /⋰
ついに今年、
シリーズ累計観客動員数 ┋ 𝟏 億 人 突 破 ┋
これからもたくさんの方々に支えられ
皆さまと共に歩み続けます。
引き続き 名探偵コナン を
どうぞよろしくお願いいたします!👓⋆͛ pic.twitter.com/ewvNo3eFnQ
そんな名探偵コナンであっても、不人気な作品が登場してしまう。
よく不人気作品として名前が挙がるのが「紺碧の棺」や「11人目のストライカー」だが、私自身はそれほど嫌いではない。
私的に、1番残念な作品を挙げるとすれば「業火の向日葵」だ。
今回は「業火の向日葵」の話をさせていただく。
※この先「業火の向日葵」のネタバレあり。
※以下の内容はあくまで個人の感想です。
①はじめに
前提としてコナン映画で本当につまらないものは特にない。
好きなキャラクターがカッコよく活躍しているだけで面白いからだ。
その中で、今回この作品を取り上げるのは非常にもったいない点が多いと感じたからである。
ポテンシャルを秘めているものの、最後まで生かし切れていなかったという印象が強い。
この作品は、ゴッホの向日葵が物語のキーとなり、怪盗キッドを中心に謎解きがなされる。
特に序盤は絵画に隠された謎とそれを取り巻く人間模様を描くかのような描写が多く、「ダヴィンチコード」のようなものを期待してしまった。
しかし、終盤になるにつれて尻つぼみ感が否めない作品となってしまったように思える。
残念な点は以下の通りだ。
2⃣残念な点
①モヤモヤ感が残る
![](https://assets.st-note.com/img/1714800225813-zAJ5vzCAwT.png)
この作品、終始モヤモヤする。
その原因は怪盗キッドの行動に対してだ。
コナンが好きな人ならわかるが、怪盗キッドは泥棒でありながら、基本的にはコナンの味方であり、非道徳的な行動はない。
しかしながら今回のキッドは、物語の序盤から不自然な行動とる。
その不可解感がこの映画の見どころであり、物語の推進力となっているのだが
途中からは、どんな理由があっても、ここまでやってしまっては名誉挽回できないのではないか?という展開が続きモヤモヤし始める。
終始、キッドに対してモヤモヤを抱えながら物語が進行し、最終的に理由が明かされれることで、カタルシスを生む展開ならば納得がいくのだが、真相を聞いてもどうにも腑に落ちない結末を迎える。
②ミステリーとしてズルい
![](https://assets.st-note.com/img/1714800379311-0fKRTLIcVh.png)
最近のコナン映画を推理ものとして楽しんでいる人は少ないだろうが
それにしても今作はズルい推理を展開する。
コナンシリーズは基本的に"フーダニット"(犯人が誰かを焦点に物語が進む)の形式をとるミステリーである。(純黒のナイトメアなど一部を除く)
その中で山場となるのは、コナンが推理を明かし、犯人を発表するシーンだろう。
それまでのトリックや動機が明らかとなり、視聴者が興味を抱くシーンだ。
この映画はここが弱すぎる。
今回の映画はラストで、一帯をひまわりで飾り付けた美術館に火が上がり、建物が崩壊する展開がある。
もちろん、それは犯人が仕組んだものであり、犯人は飾り付けたひまわりを導火線とし、館内に火の手を回らせるトリックを仕込むのだ。
コナンはこのトリックを見て、美術館に、ひまわりの飾り付けを提案した人物が犯人だと指摘する。
当然、犯人は「飾り付けられたひまわりは利用されただけだ」と反論する。
この反論はド正論であり、犯人を特定する要因としては弱過ぎる。
ここからコナンが切り返し、次々と根拠を繰り出して追い詰めていくのかと思いきや推理パートはここで終了。
実は、怪盗キッド(及びキッドの協力者)は、事前に犯人のPCから犯行計画書のデータを盗み取っており、証拠を掴んでいたのだ。
最終的にコナンは、その情報を元に犯人を追い詰めるのだが、このやり方は少々ずるいように感じる。
ここまで動かぬ証拠があれば、コナンが推理する必要性が全くないのだ。
ちなみに動機も全く共感できないスカスカのものである。
3⃣こうなってしまった理由
調べてみると、こうなってしまった背景がわかった。
今作の脚本は、多くの刑事ドラマの脚本を手がけたベテランが担当したが、出来上がった脚本は尺にすると3時間程度のものだったらしい。
そこで、ミステリー部分を大幅に短縮し2時間に収めたという理由があるのだ。
これを知ると当初のバージョンも見てみたくなる。
4⃣総括
確かに「業火の向日葵」は、他のコナン映画と比べると粗が目立つが、決してつまらないわけではない。
映画館で視聴したとしても決して後悔はしないだろう。
一定水準の安定した面白さを提供してくれるからこそコナンシリーズはここまで愛されてきているのだと実感する。
改めて、シリーズ累計観客動員数が1億人突破をお祝いしたい。
この世には多くのシリーズ作品が存在する。
その中で不人気な作品は何が良くなかったのか?
私はこれからも観測を続ける。
それでは、次のシリーズ不人気作品感想シリーズでお会いしましょう。
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