見出し画像

【エッセイ】間引きされたメダカの行き先

間引きされたメダカの行き先。
それが我が家である。

職場で頂いた。
最初は13匹。

飼育初日。何も意味が分からなかったころ。今なら分かる。7L睡蓮鉢に、10匹は多い、と。

死んだらどうしよう、と言ったら
大丈夫、死んだらまたあげる。と言われた。
心配しなくても死ぬ、とも。

当時の動揺を表した図↓

死ぬ死ぬ言われて怯え散らかした私は
子孫を残して遺伝子を愛でようという
今思うと謎の考えに到達。
卵ができたら一応孵化をさせる環境を整えた。

簡単に生まれた
すぐ大きくなった


生まれないとか
生まれても死ぬとか
色々聞いて怯えていたが、

あっという間に
増えに増えて、100匹以上。


現在親メダカの子の子の子の子までいる。
誰が産んだかもう分からない状況である。

親になってはいけないような形のメダカもここでは
当たり前のように産卵して、子どもが生まれる。
そして、寿命まで泳ぎ続けるのだ。

我が家の基本は、

間引かないこと。

生まれた子は、全員育てる。

病気になったら塩と薬で治療する。
末期になると、個室で手厚い世話がついてくる。

浮いた餌を食べる力がないメダカには
スポイトでツンツンして餌を落としてみる。
そうすると、自力で食べることができる。
そういう介護までオプションでついているのが
我が家の特徴である。

水草は国産で無農薬栽培のものを使用している。

奇形は、謎に元気なことが多い。不思議である。
何故か形の良いヒメダカの生存率が悪い。遺伝だろうか。
内出血で星になるのは全部ヒメダカである。

理由は一つある。
ヒメダカだと思っていたら、
改良品種の三色メダカのブリーディング中に
生まれてきた緋色一色のメダカを、
ヒメダカとしてちょうだいしたことが
後に分かった。

どんなに形が良くても、改良を重ねた末の個体で
しかも間引かれたメダカを親にしたのだから、
子どもに影響が出るのは仕方ない。

改良品種だったと知ったのが
繁殖の後だった。

ちなみに黒メダカだと思って繁殖させていた個体も
三色メダカの黒一色だったと知った。
後のまつりである。

黒メダカとヒメダカの子どもがブチになった時点で
気づけば良かった。何故気づかなかったんだろう。
メンデルの法則を逸脱していることに。

うちのツートップは、白メダカとミユキメダカである。
生命力の強いこの2匹の遺伝子を持った子は、
どんな変な形をしていても生存率が高い。
我が家は白の圧勝である。

ちなみにミユキメダカは
1匹の背曲がり個体がいただけなのに
その子の子どもが生まれ続けて
今や白とミユキの混血が進んで
一大勢力になっている。

間引かれた子は
原種に近い白メダカが
品種改良タイプより寿命が長いと感じた。

例外的に、ミユキメダカが原種並みに強い。
奇形とはいえ、親が良かったのだろうと思う。

稀にダルマの遺伝子が爆誕する。

結論として、
どんな子も可愛い。

口の位置が下にある個体。みんなより小さいけど元気。マイペースに成長中。

広い水槽、
無農薬の水草、
体調や体型に合わせた餌、
24時間室内温度23℃設定、
水はカルキ抜き済みの
バクテリアウォーター入り。
水換えは週に一回。

現在30水槽。
メダカの数は100。

1匹1リットルと言われているけれど


広々と泳いでもらいたいから、
57リットル水槽に
20匹とか。
10リットル水槽に、
2匹とか。
個室水槽も充実している。

この話を職場の人にすると
すごく引かれるか
引き笑いをされる。
腹筋が辛そうだ。

でも皆、最後に
愛だねって言ってくれる。


私の愛は、人間がモデルになっている。

私は
人間がしてくれたことを
心に貯めて、
メダカに返している。

間引きされたメダカの行き先。
それは、こんな人間のいる部屋。


ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。
素敵な今日を。




読んでいただくだけでありがたいです。もし、ご支援を賜りました際には、メダカ飼育活動資金として大切に使わせていただきます。