【エッセイ】未来

大型魚ライフ支援コーナーの
一角にあったバケツ
中にはぎっしりと金魚

綺麗な子たち
でも、
展示されている
水槽の子との
落差に驚く
命の格差

私は、金魚掬いの
和金が好きだ。

流線形のスリムで
無駄のないフォルムが
かっこいいと思っている。

金魚と形が似ているメダカを
好きになって今育てている。

そのメダカも
大型魚ライフ支援コーナーの
目玉になっている。

特売とか書かれている。

いつか死ぬことは平等だけど
どう死ぬかが読めるこの展示を
毎回微妙な気持ちで眺めながら

今私が育てているメダカも
元はそんな待遇だったなあと
振り返る。

運命は最後まで分からない。

2年前、
全部あげるよ
と言われてほいほい貰った
メダカたち。

その子達は、子孫を残して
2年経ってなお血は続いている。

ただで貰ったメダカたちに
年間30万円くらいかける
壮大な趣味になってしまった
今の私。

ただで貰ったメダカの命にかける経費が
その子の命の価値を高めていると思いたい。

寿命が尽きるその日まで。