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~アニメにおけるキャラクターデザインの変遷について~

※大学のデザインの授業で書いたレポートをnote用に公開しました。自作なので文章の著作権は自分にあるので大丈夫です。 ①まず初めに今日、アニメーションは日本の文化と言っても差し障りないくらい、メジャーなコンテンツへと成長して、我々の生活に浸透している。膨大な量の作品が存在し、毎クールごと新規アニメも制作、放送され、そして消費されていっている。作風やジャンルも多岐にわたり、それに応じたシナリオや声優の演技、主題歌、絵柄が存在する。今回はその中から「絵柄」、すなわち「キャラクタ

    • 同調圧力と安楽死について考える ~映画Harmonyより~

       「<harmony/>」は伊藤計劃(けいかく)の小説を原作に、2015年にアニメ映画化された。ストーリーは『「大災禍」と呼ばれる世界規模の混沌から復興した世界(公式サイトより抜粋)¹』を舞台としており、その「大災禍」の反動から、「世界は極端な健康志向と社会の調和を重んじた、超高度医療社会(公式サイトより)²」に移行していた。そんな中、御冷(みひえ)ミァハという少女は世界への抵抗を示すため、自らのカリスマ性に惹かれた二人の少女を道連れに自殺を果たす。それから13年後、かつての

      • 日本人の宗教観とアニメ

        ①まず初めに 日本人はよく無宗教と言われる。キリスト教や仏教、イスラム教、バラモン教、ヴードゥー教など世界の宗教は様々あるが、そのどれも日本国内では海外と比べて浸透していない。日本の土着信仰と言われる「神道」も熱心に国民全員が信仰しているわけではない。無宗教とは言われるが、クリスマスは普通に祝うし、お盆には休むし、正月には初詣に行く。ある意味、宗教に寛容とも言える。神道は生活に浸透しすぎていて、我々が意識していない所為もあるだろう。 ②「推し活ブーム」と日本人の宗教観と、

        • アニメとマスク

           ここ3年間のコロナ禍でマスクは必需品になりつつある。ここ最近はマスクの着用も任意になりつつあるが、一部ではマスクをファッションとして楽しむ人も増えつつある。コロナ禍になってもなおアニメや漫画ではコロナ禍以前と同様にマスクは着用しないでいる。しかしアニメの中でキャラクターがマスクをしているシーンというのは決してゼロではない。ホコリ掃除や風邪を引いた時、変装などなどマスク着用の理由は様々だ。今回はアニメの中でマスクをしているカットを見ていこう。 上記の作品はしっかりと鼻まで覆

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        ~アニメにおけるキャラクターデザインの変遷について~

          アニメ聖地巡礼ビジネスに感じる違和感

           昨今アニメの聖地巡礼が盛んに行われている。私はそれに常々、疑問と違和感を感じている。  聖地巡礼はアニメや映画、小説の創作物のファンが、舞台となったロケ地を巡る事を表しており、2007年の『らき☆すた』以降、急速に流行し始めた。 聖地巡礼は地方の活性化やPRも見込める事から、それにあやかる自治体も増え始めた。現実の自治体を舞台としたアニメが多数制作され、P.A.WORKS制作による『花咲くいろは(石川県金沢市)』や京都アニメーション制作の『響け!ユーフォニアム(京都府宇治市

          アニメ聖地巡礼ビジネスに感じる違和感

          日本の街並みと非日常の体験的価値について

          日本の街並みはよく統一感がないと言われる。 家屋は様々な様式が混在し、屋根や壁の色もバラバラだ。加えて、店の外観も和風から中華風、洋風など色々ある。また、街中の看板や広告、ネオンは極彩色に彩られ、テロップなどの情報量が多く溢れており、「情報過多」と言わざるを得ない。電線や家々の粗雑な感じは正直つまらなく感じるし、溜息が出る。しかし、そのような混沌とした日本の景観が海外の観光客から「アジア的猥雑さ」として消費されているのも事実だ。普段生活している我々からしてみれば気にも留めな

          日本の街並みと非日常の体験的価値について