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謝らせる。


子に対する親の教育は100%間違う。

僕もそう思っている。

なぜか?

それは親だから

本来は「親だから」という説明だけで充分なはずだけど、最近ではそれだけでは不十分と感じるようになった。

「親のくせに間違えちゃだめじゃん」

子どもサイドから聞こえてきそうです。

けど子どもに対する親の間違えは、実は必要であるとも言えます。

反発や主張です。

おかしいと思ったことに対して屁理屈であろうが無かろうが、面と向かって意見を言え、自分のために行動する。

もちろん程度モノですが、子どもが自立を目指す上で、本人にもわかりやすいサインとなります。

親が全て正しかったらその機会が無くなり、自己主張する方法が身に付かなくなってしまうでしょう。

そういったわけで親の間違えはあるものですが、いざ自分でそれを認識してしまうとやっぱり凹んでしまうのであります。



僕にも中2と小4の子供がいるのですが、昨夜は上の子に、ちょっと言い過ぎてしまいました。

ことの発端は妹のリュックを兄が勝手に持って出かけ、ファスナーについていたストラップを壊したあげく、部品を無くしてきたこと。それに対して兄は妹に絶対に謝らない、謝りたくない。

そのことに対して僕が介入をした、という出来事です。

過失割合100:0にもかかわらず、その事をわかっていても絶対に謝らないという息子。ここまで駄々をこねるのは初めて。

僕は真っ先にこれは謝りたくないというより反抗が目的だな、と読みました。

事実確認をし、何度も促すのですが、息子の抵抗は続きます。

「今までずっと細かいことでお前を咎めたり、同じことで叱ったり、終わったことを引っ張り出したりすることはしなかった。というか頭ごなしに抑えつける事はしてこなかった。何故か?それはお互いスジを通していたから。けど今回はどうだ?誰がどう見ても明らかにお前が筋違いのことをしている。ルール違反だ。そんなこと社会では通用しない、だからまず妹に謝りなさい。」

それでもガッテンしません

「俺の言うことが聞けないならそれでもいい。ただ、俺のお願いとして聞いて欲しい。ひとこと謝ってくれ。」

この時点で僕は下の子に対しての教育の後ろ盾が崩れてしまう
そのように自分の都合へと切り替えていたように思います。

逃げるように自分の部屋へ向かう息子の後を追い、さらに押し問答は続きます。
息子の屁理屈もなかなか大したものだと思いつつ、僕も多少はイライラがこみ上げてきました。

「お前も中学生だし、ここいらで俺と派手に(取っ組み合いのひとつでも)やってみるか?」

ほんとに手を出すつもりはありませんが、つい言ってしまいました。

ここまで行くと当事者はすっかり入れ替わっています、息子と妹の問題ではなく、息子と僕の意地の張り合い。

それに気づいたものの、僕も引っ込みどころが見当たりません。


そのうちに気持ちが落ち着いたのでしょうか、メンドくさくなったのでしょうか、バカらしくなったのでしょうか、息子の方が先に折れてくれました。

しょんぼりしている妹のところに行き、

「ストラップ壊してごめんね」

…一瞬にしていつもの空気に戻りました。


その様子を見ながら、いつもの冷静な自分に鑑みて、僕はしばらく考え込みました。

やっぱりやり過ぎた、と。

兄と妹の問題に対し、僕は助言のつもりで介入したにもかかわらず、いつの間にか自分と息子の問題に変えてしまった。

ただ、まるまる本人たちに任せたところで妹の泣き寝入りになることは明らかです。

家族のルールを守るという意味でも強めに言いたかったところでもあります。


…でも、言い過ぎた。


息子よ許してくれ、父もまた未熟なのである。



ありがとうございました。


#エッセイ #子育て #親子 #介入 #盲点 #反省

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