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木造構造設計のお約束

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木構造の特殊なルールを、気がついた順に書き連ねていきます。
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2022年11月の記事一覧

耐震等級3は本当に安心か?

耐震等級3は本当に安心か?

 ネット上では、構造屋さんを中心に木造住宅には耐震等級3が必要!という意見が多いです。私も耐震性を上げるのは賛成で、耐震等級3を取得することは、良いことだと思っています。そして耐震等級3相当といって、ただの壁量計算の壁量を1.5倍にした、耐震等級3ですらないものはなくなって欲しいと思っています。しかし次の3点で疑義があります。

・果たして耐震等級3という指標が適切か?複数の強度が違う指標があるの

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危険な木造の間取りの例(6)

危険な木造の間取りの例(6)

危険な木造の間取りの例(6)建物の角に両方向壁がない大開口

第1回 北側玄関に多い例
第2回 2階建ての壁なしビルトインガレージ
第3回 階段が短辺にある建物
第4回 ビルトインガレージの外壁線が2階とずれている
第5回 オーバーハングがビルトインガレージ上にある

 基本的に開口の側には耐力壁があることが望ましいです。また柱は一本だと非常に弱くなります。開口が広くても両サイドに壁がきちんとある

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ZEH等の壁量計算シート

ZEH等の壁量計算シート

 要望があったので、ZEH等の壁量計算シートを作りました。壁量計算を行うわけではなく、存在壁量など出た物を比較するシートです(ニッチすぎる・・・)。旧耐震の重い屋根、軽い屋根、新耐震の重い屋根、軽い屋根とZEH等の壁量を切り替えて計算できるので比較検討には良いでしょう。木造2階建ての専用シートとなっています。地盤種別も考慮出来ます。小屋裏収納も面積と高さを入れると計算用面積に自動で参入できます。ま

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新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(3)

新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(3)

新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(1)
新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(2)

 2025年に壁量計算が改訂され、ZEH等の壁量基準案ができました。これは喜ばしいことですが、実は怖い部分も残っています。

 壁量が倍に増える場合、同じプランであれば、壁倍率を倍にすれば済むことになると感じる人も増えるはずです。今まで2.5倍の構造用合板で外壁を施工し、外部だけで

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新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(2)

新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(2)

新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(1)
新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(3)

うだうだ言っても仕方が無いので、簡単なモデルで、
①通常の壁量計算(軽い屋根)
②ZEH等の壁量計算案
③構造計算(通常の軽い屋根)
④太陽光パネルなどを載っけた構造計算

を簡単に検討してみました。動画でも解説しています。

まあ、面積によっても違いますが、今回見る限り、比較的妥

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