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#50 富士山挑戦を断念する〜Letter from 両神山〜

十日前にこんな日記を書いておきながら、有言不実行の自分、恥ずかしくないのかという話である。

うん、なんというか、この年齢になると、
「いつだって諦める準備は出来ている」のだ。 ZOZOのセールで後で買おうと思っていたアイテムが、ちょっと油断したら完売になっていても、最近はもう、若い時みたいにガッカリしない。
あーお金節約できてよかったーくらいの気持ちになる。

元体育会系の代謝よさげの友達からは「おいおい、諦めたら試合終了だろ!」と、世の中で擦られまくってるセリフで喝を入れられそうだが、一応自己弁護しておくと、実際に違う山で検証した結果、この体力で今年、富士山山開き期間中の登頂は無理、と冷静に判断した次第である。

ついでに、成功者でも何でもないくせに、成功への道のりセオリーを勝手に語ってみると、
実際にうまくいく時って、もともと頭の中に成功したイメージがあって、そこへ向かってアプローチしていき、はい、できましたなんじゃないかと思う。

わたしが中国一周できたのは、きっと、ある程度のお金と綿密な移動計画さえあれば回れるだろうと、最初からそれなりにゴールをイメージできていたからだ。

一方で、富士登山に関しては、富士山のてっぺんに自分が立っていることが想像できないのである。
ぼんやりとも描けない、白、無。
なんなら、だいぶ下の山小屋でぶっ倒れている自分の姿が浮かんでくる。

ということで、わたしは今、一応、埼玉県最難関の山と言われる、両神山の麓にいる。
(登ってから降りてきたところ)
標高1723.5m、日本の百名山の一つである。

1000m以上の山に登るのは、東京最高峰の雲取山以来で、約一年ぶりの本格的な登山だ。
最近、自分の身体がスライムみたいだなとは思っていたけど、まさか、こんなにも筋力、体力がないとは思わなかった。

つまり、超辛かったのだ。
ない金のチカラに物言わせ(私道利用料1000円を払う)、一番楽チンなコースを選んだのに、歩き出して20分で後悔した。
一緒に登った友人のクリちゃんには、「大丈夫?」を5分に一回言ってもらったと思うから、休憩抜いた4.5hで54回も「大丈夫?」と言わせたわけだ。

両神山自体は、最高によかった。
天気が良く、暑くもなく、可愛い子鹿にも出会えた。
綺麗に整備された私有地の登山道を使わせてくれた山中さんは超面白いおじさんで、一緒にお茶をした。
また、村営バスの女性運転手さんとはバツイチトークで意気投合、行きも帰りも乗客が他にいないのでゲラゲラ笑った。
その他もろもろ、山奥ならではの治外法権・書けないような出来事をたくさん見聞きし(書きたい、めっちゃ書きたい…)、久しぶりに腹の底から笑い、また、生死について真面目に考えたりした(毎年秩父では15人程度の登山者が命を落としている)。

ただ、それらの楽しい思い出を踏まえても、
富士山に登れるかどうかの検証結果としては、「今のわたしにはむり」と判断したのだ。

今日の中年の悟り:「いつだって、諦める準備は出来ている」

なので、もう少ししっかりトレーニングをして、一年後の登頂を目標とします🫡
以上、両神山からの手紙でした🐼⛰️✉️

おわり

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