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”気づく”力を磨くコツ

今回は、「気づく」力の磨き方をご紹介したいと思います。
気づける、ということは、事前に対処ができるということ。
事前に対処ができるということは、”受け”に回らずにいれます。
その繰り返しが生産性を高めていきます。
人間、受けにまわってしまうと、後手後手になってどんどんやることが積みあがっていきます・・・まるでテトリスのゲーム終了直前のように。。

そうならないためには、やはり「気づける」ことが重要です。

有名な言葉で「一を聞いて十を知る」という言葉がありますね。
これは、「論語」によると孔子の弟子である子貢の言葉とされています。
簡単に言えば、一つのことをきいたら、それに関連する十のことを想像し、その影響などを考慮して先回りできる人、、、という感じになると思います。

ただ、それって結構難しいですよね。その理由はいくつかあって。

・そもそも人によって一や十の「尺度」が違います。
・人や立場によって「求めている内容」が違います。
・人や立場によって「できること」が違います。
・人や立場によって「期待値」が違います。
・人や立場によって実現するための「スキル」が違います。

なので、とってもファジーというか、定性的なことが多いですね。
それでも、皆さんの周りに、話すと圧倒的に理解力が早くて、
相談すると、「あぁ、ならこうしておいた方がいいね」という答えや、
「ところで、それならこっちは大丈夫?」といった新しい視点が
すぐ出てくる人、いませんでしょうか?

私が考える、そういう人の思考のコツと、「気づける人」になるコツをお伝えしたいと思います。


気づきとは、視点の高速回転である

例えば、1つこんな状況があったとしましょう。
当社はBtoB企業であり、小売業向けに顧客接点系システムサービスを提供しているとします。
「深夜にシステムの処理がコケて、復旧が必要です!」という報告が入ったとしますね。その時、私の思考は例えば瞬間的にはこんな感じで、これらを対応状況を踏まえて総合的に判断していきます。

・なぜ、処理がコケたのか?
・コケた処理の次の処理は何か?
・いつまでに復旧しないとサービスに影響があるのか?
・どこまでサービスに影響するか?
 復旧しない場合、どこまでサービスレベルが担保できるだろうか。
・影響するサービスはほかにないだろうか?
・お店の業務は〇〇までに復旧すれば△△になるが、
 そうならない場合は〇〇の打ち手が必要になるな。
・エンドユーザーの影響範囲は〇〇までなので、最悪サービスが
 復旧しない場合の影響範囲を説明しよう。
・お客様のIT部門に報告の際、IT部門から販売部門に説明する
 ロジックや説明資料を準備しておこう。
・連携する関連システムのベンダーの確保はここまでやっておこう。
・社内への報告はどこまで実施しておくか?このレベルなら一つ上までで
 いいが、影響範囲が〇〇まで上がる場合は社長まで説明しよう。
・トラブルが長引いた場合の体制は組めるか、各チームの稼働状況を
 再確認しておこう。

あくまで例なので、実際はもう少し具体的に考えることも多いのですが、思考がどんどん直接的なものから間接的なもの、時間軸も直近から少し長い軸に距離が広がっていくような感じが伝わりますでしょうか。
すくなくとも、私は、一報が入った時点で瞬間的に「なるべく遠くまで思考しよう!」と心掛けています。
トラブルに直面していると、目の前に視点が集中しますから、まずはそちらに精一杯になってしまい、その間に時間がどんどん過ぎていきます。
ですので、俯瞰的にみる視点は意識して持ち合わせなければなりません。

その際、私は私個人の中で答えを出しているのではなく、いろんな人に成り代わって(あたかも乗り移って)、視点の高速回転を繰り返します。
つまり、検討パターンの洗い出しをして、その中で取捨選択や、優先順位付けをしています。ビジネスにおいて完全な正解はありませんから、できるだけ良い方向に導く可能性が高い判断をする必要があります。

なお、自分以外の人に乗り移って思考を繰り返すためには、乗り移って思考するための日々の洞察ができていることが必要です。
つまり、「気づく力」とは、その前にある日々の「乗り替わり洞察力」にあると思います。要は、「問い」の力ですが、シミュレーションの数が重要になりますね。

ドラッカーも、「重要なことは正しい答えを見つけることではなく、正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど役に立たないものはない。」と言っていますね。

次回は、その問いを設定する力「乗り替わり洞察力」を磨くコツについてお話したいと思います。(続く)

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