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闘病系youtubeを沢山見て,「わたし」がすこし揺れた日。

Hi, **がんサバイバーの***です。

youtube

2週間前は気づきもしなかった。youtubeに"闘病系"というジャンルがあるだなんて。世の中には,間違いなく有るのに,有ると知っているはずなのに,本当は,関わっている人以外はほとんどなにも知らず,考えた事もないようなこと,というのがけっこうあるんだね。

身近な人が死ぬこと,お父さんの会社が倒産すること,家庭内に暴力があること,大きな障害を抱えること,受験に失敗すること,宝くじに当たること,裁判でたたかうこと,親が離婚すること,雪道で転ぶこと,et cetera,et cetera。そういう事象が存在するのは知ってるけど,なってみないと,わからないことだらけ。

今回私が新しく体験するかもしれないのは「がん患者になること」。

♪ A whole new world… a new fantastic point of view…
(脳内BGM: 歌詞デタラメです)
 

アラジン

母も叔母も祖父母もなったのに,まさか自分がなるとは思ってもみなかったな,がん。なぜだろう?そういえば毎年誕生日が来るのに,まさか自分がこんなに年をとるってことも,想像してなかったな。ほんとうにこのxx年間,私はつくづく油断して生きてた。みんな油断してたかな?私だけなのかな?

それはそうと闘病系youtuber, 見始めるとどんどん出て来る。

元気に挨拶するひと,最後に笑顔を作ろうと呼びかけるひと,反対に「私はネガティブな人間です」と前置きしてから,あえて弱音をはいていく方,ふんわり美しくお化粧したひと,髪の毛が抜けているけどウィッグをかぶらない主義だというひと。さまざまな体験談,どれもこれも役立つ情報。

見ながら思う。

自分が患者だとして,もしこんな風に自分のチャンネルを作って話すなら,自分は一体どうふるまうのだろう,どう話すのだろう。自分のなかのどこに,どのくらいの大きさで,がんを位置づけるのだろう。

私はがんサバイバーです。
は,言えない気がする。
私という人間が,がんになりました。
なら言えるけど。

いままで自分は,自己紹介に入れるほどの病気になったことがなかったのかもしれない。小学生の頃は風邪をひいては高熱を出したり中耳炎になったり水虫にかかったり帯状疱疹になったりいろいろしたが,まあどれもたいしたことではなかった。アイデンティティを浸食されたことはなかった。

今じゃ私は,がん患者見習い。元ヤングケアラー。加害者家族。被害者家族。心理士。公務員。虫歯。マスク難聴。うたうま。1人暮らし。恋人。友達。同僚。妹。娘。中年女性。映画好き。食いしん坊。にこにこ。こたつ虫。わたし。わたし。わたし。わたし。



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