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今日、帽子をかぶって出勤したのが私だけじゃなくてよかった。

いよいよあたまから毛がごっそり抜け出して
今日は、もみあげがなくなったへんてこなショートヘアになった
髪の量がもともと多めだから、まだなんとか外を歩けそうではあったけど
ヘアスタイルとしていけてないので、帽子をかぶって出勤することに決めた

候補の帽子は二種類あって
前回入院のとき買った、ブルー系の混ざり糸で編まれてるケア帽子と、紺色のつば付きニット帽子。
どちらも、髪の毛が抜け始める前、(ほんとに使うのかな)と半信半疑で購入した。

あのときのわたしに「ほんとに使うで!」と言ってあげたい。

さて私の場合、予期不安は強いが、実際にそうなってみると、不安というより好奇心とか対応モードが働いて、不安は低減する。

不安に思っているときは落ち着かず、そのことばかり考えてしまうのだが、実際にそうなってみると落ち着いており、なるほどこういうことが起きるのかと観察し、しかるべきところに連絡し、必要なものを手配する。気持ちについては、特定の相手との会話のときだけ脆弱なモードになることを自分にゆるし、弱音をはいたり解決策のないようなことを話したりするが、それ以外のときは、明るくたんたんとした自分でいる。

今朝Rくんとゆっくりはなせだので、今日から帽子で会社に行くことを伝えた。LINE通話のカメラ越しに,どっちの帽子が職場でかぶるのにふさわしいか見てもらって,つばなしのケア帽子のほうになった。
Rくんには脆弱な自分でいられるので
「帽子をかぶって会社にいくのはいやだ」とか
「みんなが変と思うか?」とか
「かわいそうに見えるか?」など
思いつく限り、弱気なことを色々と話していた
(迷惑だろうが、よく話をきいてくれる人だ)。

その会話のなかでRくんが 
”うちの会社でも帽子かぶってくる人おるよ、おしゃれ帽子” 
と、抗がん剤治療者以外でも職場で帽子をかぶってる人がいるという話をした。
私は突然「じゃあRくんも今日帽子かぶって行けば!」とRくんを巻き添えにしようとした。
するとRくんは”わかった!じゃあどの帽子にするか選んで!”
とふたつ返事で、帽子出勤をひきうけてくれた。

これで、世界には今日、私以外にも、突然帽子をかぶって出勤する人間が発生した。

それでどうなったか?
私はじゅうぶん、気楽になった。
不思議でしょ、でも、なんか、自分も帽子かぶって出勤できるわ。って気持ちになった。

昼休み、LINEがきていて『帽子のこと周りからいじられる』って言ってた。

私だって、今日いろんな人から声をかけられたよ。
明日の朝、またRくんに話そう。
今日、帽子をかぶって出勤したのが私だけじゃなくてよかった。私と、少なくとももう一人の人が、帽子をかぶって出勤した日になった。

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