勉強が好きなことに気づいた大学生~単位余計に取る学生~


私は二十歳くらいまでずっと、勉強は嫌いだと思っていた。


中学高校では総合成績はクラスで中の下から中の上を行き来。思い返してみれば小学生の時も進研ゼミを溜めに溜め込んで辞めさせられた。


私が中学受験したのも「今受験しておけば大学まで受験しないで行けるよ!」と親に言われたからだ。小6の私は勉強しないために勉強していたようなものだ。中学受験のための塾に通い始めた小6はよくもまぁあんなに勉強したなと思うくらいには勉強をした。勉強を将来しなくていいように。地元で有名な進学塾だったのだが、これもまたちょっと面白い思い出なので別で投稿しようと思う。

しかし中学を受験したのは正解だった。前述したように、私は中高の成績が芳しくなかったため、高校や大学で受験したらとんでもなく落ちこぼれていただろう。

幸運なことに私は第一志望の中学校に合格。無事にそこそこの大学まで受験せずに行くことに成功した。

さぁそんな勉強無気力な私が大学に進学。

大学に行った人ならわかるだろうが大学生は本当に自由だ。おそらく人生で一番自由な時間だったと思う。しかも私は実家を出ている。まぁ言ったらばれそうなくらい界隈では有名な厳しい寮に入っていたためその期間は生活面での自由はなかったのだが、なんとあの中高無遅刻無欠席の私が以前も書いたように自主休校遅刻常習犯に大変身。

こういうことを書くから「え、全然勉強やる気無いじゃん。」と思われているだろうが、実は大学生活が後半にかけてドンドン楽しくなっていくのだ。

大学が後半にかけて楽しくなっていくのは誰もが想像のつくことかもしれない。それは、真面目に前半で単位を取っておけば後半は単位を取る必要がなくなるため、授業も少なくなりさらに自由な時間が増えるからだ。

しかし私は多くの大学生と真逆で、後半にかけて大学に行くようになった。

先に言っておくが、前半で単位はしっかり取っていた。

何気にギリギリのラインを攻め続けていたため、地味に落単はないのだ。

そんな私がなぜ大学生活後半にかけて学校に行くようになったのか。

それは好きな勉強ができるようになっていったから。此につきる。

どういうことか説明しよう。小中高(普通科)は皆さんご存じの通り、決められた科目を全て学ばなければならない。国語算数理科社会に始まり、家庭科体育図工・・・中学からは英語、数学、現代文、古文、世界史、公民、化学、生物とさらに科目が細分化され、高校2年からは選択授業もあった。どんどんと専門性が高くなっていく。高校では文系コース理系コースなどもあるが、結局は全て学ばなければならない。

一方大学はどうか。大学は一般教養の科目があるとはいえ、主に自ら選んで入った学部学科の専門科目を中心に学ぶ。私にはこっちの方が合っていた。

今まで10年以上嫌いだと思っていた勉強は一体何だったのかと思うくらいに授業が楽しいではないか・・・!

この大学の醍醐味が後半にかけてどんどんと享受できるのだ。

大学1年は言っても必修の授業で悪く言えば「やらされてる」授業が多く、自分で選べる授業と言えば半期でせいぜい1科目程度だったと記憶している。私は「英文科」に好き好んで入ったが実を言うと中高でも英語は滅法苦手で、大学でもあまり英語の読み書きを修得しようとは意気込んでいなかった。しかしながら英文科はやはりlistening reading writing speakingの所謂4技能の授業をやらざるを得ない。もちろんこれらも必修だったのだが、これが前述したギリギリの成績と出席日数でなんとか乗り切った科目達なのだ。

私が1年生で楽しいと思った授業は文化学や言語学。英文科に入った目的はどちらかと言えばこっちの勉強がしたかったからだ。もちろん英語が話せたり読めたり出来たら良いなとは思ったが、ぶっちゃけ「ある程度」で良かった。私が内部推薦で多くの同級生が行く大学の英文科ではなくわざわざ他大学の推薦を望んだ理由の一つもこれである。私が行った大学の英文科は文学や文化、芸術に寄った英文科。1年生の必修はやはりベースとなる4技能の授業が多かったが、徐々に芸術や文化に関する授業の割合が大きくなってくる。

私の授業に対するやる気も徐々に出てくる。

特に面白かった授業はイギリスアメリカ文化の授業。元々興味があった分野なので講義形式だったがとても楽しかった。もう一つ、新たな分野との出会いでコミュニケーション学の授業があった。英文科と言えば英米文学や英語の印象が強かったが、ここで言語学という分野の楽しさを知った。普段何気なく使っている言葉ないしは非言語そのものの仕組みを知るのは非常に興味深かった。

自由に選べる一般教養が出てきた2年生では興味のあった翻訳、それからこの大学ならではともいえる授業を取った。そして他大学の授業を履修できる制度を利用し、週に一度別の大学で授業を受けたのも楽しかった。あんなに勉強嫌いの私がわざわざ別の大学にまで行っている。素晴らしい成長。

そして3年生。多くの友人はゼミと少しの選択必修を残すのみとなり、大学も週3程度しか来なくなる頃。私は新たな勉強を始めた。「日本語教育」だ。これについてもまた書こうと思うが、この資格を得るために授業をぶっ込んだ。金曜日なんかは大学生には珍しい1~5限のフルコマ。

日本語教育の資格を取るために4年生も単位を取り続けた。また、それとは別に3年生から続くゼミ(こちらは個人で論文を書く物ではなく、全員で一つの作品を作り上げるタイプのゼミなので追い込み時期には毎日朝から晩まで学校に)と、学科のプロジェクトに参加していたためこちらも忙しく、最終的に4年生が一番学校に滞在した一年間になった。

こう大学4年間を振り返ってみたが、日本語教育、ゼミ、プロジェクトと、自ら進んでタスクを課していったが、なんだかんだ全てこなすことに成功した。以前のように遅刻欠席はしなくなった。

自ら選んでやりたいと思った勉強なら楽しい。好きだと思った。

勉強が嫌いだった私が、大学で好きな勉強をし続けた結果、卒業必要最低単位数を50オーバーしての卒業になった。

勉強が嫌いだと思う人は多いだろうが、その中で「好きな勉強に出会えていない」と言う人の割合もだいぶ多いのではないかと私は思う。

小中高と科目が細分化されるのも、こういったことが理由なのではないかと少しだけわかるようになった。私が好きな勉強に出会えたのは大学だったが。

夢中になれる物を見つけたとき、私たちはきっと変れる。






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