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おかえり、私の仮面ライダー

朝10時、私はテレビの前でドキドキしていた。
魂ネイションの生配信で「仮面ライダーBLACK SUN」の最新情報が発表されるのを観るためにだ。

仮面ライダー。
日本を代表する特撮ヒーロー。
今や子どもだけではなく大人も夢中になるコンテンツだ。


当時まだ幼かった私もテレビの中の仮面ライダーBLACKに夢中になった。
BLACKの変身ベルトを買ってもらって、何度も変身していた。
確かテレビ放送の映像と連動してベルトが光るだか回るだかするギミックで、当時としてはめちゃくちゃ凄い技術を駆使したおもちゃだったのを鮮明に覚えている。(あの時代に「変身ベルトが欲しい」と言った我が子に「女の子なのに…」とか言わずにきちんと買ってくれた親には本当に感謝しかない)

その仮面ライダーBLACKがこの令和の時代にリメイクされると聞いて、いい大人なのに飛び上がるほど喜んでしまった。

どうしてこんなに心が躍るのか、どうしてBLACKが特別なのか。
それは仮面ライダーの歴史も関わっている。

仮面ライダーシリーズは、ざっくり分類すると「昭和仮面ライダーシリーズ」と「平成仮面ライダーシリーズ」そして現在の「令和仮面ライダーシリーズ」に分かれており、仮面ライダーBLACKは「昭和仮面ライダーシリーズ」にあたる。

調べてみると、昭和シリーズは現在のように毎年放送されていた訳ではなく途切れ途切れだったらしい。
そして「仮面ライダーBLACK」は1987年に6年ぶりに制作された作品で、続編にあたる翌年の「仮面ライダーBLACK RX」を最後にテレビシリーズは一旦終了、2000年に「平成仮面ライダーシリーズ」が始まるまでの約10年間が空白期間となった。


つまりこうだ。
私が生まれた時には仮面ライダーは放送されておらず、物心がつくかつかないかの感受性豊かな頃に突然BLACKが始まり、BLACKとその続編のRXに夢中になっていたところで突然供給が止まってしまったのだ。

そりゃあBLACK(とRX)が幼心に強烈な爪痕を残していくのは無理もない。

今の時代であれば1年間夢中になったライダーがいても、数週間後には次のライダーが、その翌年にはさらに新たなライダーがどんどん供給されるのだから、次々と夢中になりながら自身の成長とともに徐々に卒業していくのだろう。

しかし私の世代に関しては、いきなりめちゃくちゃ格好良いヒーローが現れて強烈な印象を植え付けた挙句あっさりいなくなり、次のライダーに出会うことなくずっと「あの時のライダー」への強い憧れを抱いたまま大人にならざるを得なかったのだ。

もちろん平成シリーズも時々目にはしていたし、大人になってからは「電王」などは普通に面白くて観ていたけれど、憧れやドキドキするライダーかと言われると少し違う気がする。

だから今でも仮面ライダーと聞けば「BLACK」だし(もちろん続編のRXも好きだったけれど、やっぱり思い入れが強いのはBLACKになってしまう)、後にも先にも私の仮面ライダーは「BLACK」だけなのだ。

とはいえ放送当時の記憶と言えばBLACKとシャドームーンがとにかく強くて恰好良くてバトルホッパーがなんか凄い、くらいのもので、正直ストーリーに関してはほとんど記憶がない。ただ、なんだかずっと主人公が苦しそうで、シリアスな雰囲気に満ちていたのはなんとなく覚えている。
そんなこともあってBLACKは純粋なヒーローとしてだけではなく、同時に未知の部分が多い存在として私の中に残り続けていた。

そして冒頭に戻り、BLACKへの想いを拗らせすぎた私は配信番組を食い入るように観ていた。

新しいビジュアルも洗練されていて格好良かったし、バトルホッパーはメカメカしいけれど落ち着いた色になっていて早く乗っているところ観たい!とワクワクした。
そしてキャスト。
仮面ライダーBLACK SUN役に西島秀俊さん、仮面ライダーSHADOWMOON役に中村倫也さん。うわ絶対渋くて強いし早く2人が対峙するところが観たい。

とにかく短い時間ではあるけれどギュウギュウに詰め込まれた情報に昨日から興奮しっぱなしで、早く観たい気持ちと、時間はかかってもいいからクオリティの高いものを丁寧に造りこんでほしい気持ちを行ったり来たりしている。


溢れんばかりの想いを勢いで書き殴ったらちょっとすっきり。
来年配信予定、どの媒体かは分からないけれど楽しみに待ちたいと思う。

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