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「ものづくり」とIT

筆者の転職活動の最大理由がパワハラを含めた古い社風なのは何度も書いている通りです。ただもう1つ大きな理由があります。それは「現職の将来に希望を持てない」です。

現職は電子機器やそれら向けパーツのメーカーですが、特に車向けパーツの割合がかなりを占めています。ただ今のCASE(Connected, Autonomous, Sharing, Electricの略)が進む中、先行きは相当ヤバいと考えています。最近テスラとかAmazonとか百度とかがどんどん自動車に参入していますが、EV化、シェアリング、自動運転がガンガン進むと、よほどの僻地でない限り自家用車はいらなくなりそうです。そして残った車も部品点数も少なく参入障壁も低いEVに。今までエンジン車は駆動システムが複雑で参入障壁が高く、日本の自動車メーカーやその系列メーカーが生き残っています。ただ新規参入がどんどん増えて更にレッドオーシャン化が進んだ場合、ハードウェアは価格競争に巻き込まれてほぼ利益が出なくなるでしょう。

今のスマホは機能がほぼアプリが担っていますが、車もそんな感じになるかもしれません。アプリを通して顧客データから顧客の嗜好を全て把握し、他のサービスをお勧めする機能をGAFAや中国BAT等が全て握っています。他の業者はそれらを通して気軽に商売をできますが、元締めが更にデータを集め、ますます有利な立場になります。筆者もKindleで電子書籍を販売していますが、売上の30%はAmazonの取り分です。そして買って下さった方々をAmazonは「太りたい人」「筋トレ好きな人」と認識し、プロテインやジムウエアをお勧めするのかもしれません。

またテスラのEVは購入後もソフトをどんどんアップデートして性能が向上していきます。ハードウェアからソフトウェア、それを通して得られるデータ、そのデータ解析に基づくサービス業へ… とシフトしています。
更にはバーチャル世界のネット企業がリアルな世界に進出し、店舗を構えています。きっと既存の店舗とは違った、固定観念に縛られないサービスを提供しているのでしょう。そしてそこで得たデータを基に新たな顧客体験を作り出し、既存の産業を駆逐していきそうです。

片や現職は、外向けウェブサイトにはトレンドに乗ったかのようなことを書いていますが、実態として現場や管理職がそれを理解しているようには到底見えません。ダイバーシティも働き方改革も「建前と本音」、「ものづくり」信仰に縛られ、過去の延長で「カイゼン」やコスト削減を進めることしか考えず、どんどん茹でガエル状態でジリ貧なのに誰も気づくことができません。
筆者がいま社内で出しまくっている提案はそれほど突飛でも独創的でもありませんが、その筆者の目にすら周りがはるか後ろに取り残され、外は令和なのに社内は未だに昭和ドップリ。バーチャルとリアルをリアルタイムで知り尽くしているIT企業と、リアルすら把握できていない現職…  競争しても結果は明らかです。

本当に移りたいのはIT業界ですが、筆者の現職(輸出入)とモノを扱わないITはかなり縁遠いこと、そして年齢もあってすぐには難しそうな状況…  今後のキャリアプランに悩みながら転職活動の日々です。

#業界あるある

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