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【俳句】白の俳句道場風 第4回

ちょうど1年ほど前、調子こいてやっていた俺企画がある。それが、白の俳句道場『風』だ。

結社に所属しているわけでも、誰かに師事しているわけでもない俺が独断で批評をする生意気企画なので『風』とつけていつでも逃げられる準備をしているのである。

さて、本日まな板の上に上がって、俺につきあってくれるのは、alohaちゃん

正直なところ彼女の才能は素晴らしくて、着眼点がすでに俳人のそれであって素人ではない。つまり、俺は、これまで以上に無謀なことをしようとしているのである。

では早速。

夏雨やもの言わぬ仔を膝に乗せ

いやあ早速意味深な句で、最初句を目にした時は記事を開くのドキドキしちゃった😏

映像が頭に浮かぶ切り取り方、さすがだよね。勉強になります。

さて、俺がどう解釈したのかというと

まず、上五の「夏雨や」。切れ字「や」があることから天気は雨。しかも梅雨の長く降り続くいやーな感じの雨でも、夕立ちのように急に降る土砂降りでもない、きっとサッと降って涼しさを運んでくれるような雨を、「夏の心地よい雨が降ったことよ」と感じ入ったんだなあととらえます。

次に中七、下五で「もの言わぬ仔を膝に乗せ」。

あれ?これはもしかして、悲しい句なのか?「仔」は子と意味は同じなんだけど、仔細(しさい)という言葉があるように、小さいとか細かいとかの意味がある言葉でもある。あえて子ではなく「仔」だということは、赤ちゃんか幼児のような、ほんとに小さな子を指しているんだな。すると、「もの言わぬ仔」とはつまり……。

ということで、俺の頭の中には、母親が降りしきる雨の中、幼くして命を失ってしまった我が子を膝に乗せているようなそんなイメージが浮かんだのでした😏

あとで記事を読むと、どうやら可愛い犬の娘ちゃんのお話だったので一安心。

うちにも柴犬のあかねくんがいるので、仔と呼びたい気持ちはよくわかる。俳句にするときも、ちょっと「犬」というのは抵抗あるよね。

ただ、作者の手を離れる俳句では、やはり犬と言わなければ伝わらない。

犬の子の願いよ届け夏の果て 白月

さて、お次の句はこちら。

炎天に白き歯清し郵便局員

これもいい句だよね。映像が浮かぶもん。

下五が八音なのが惜しい!って思ったら「ポストマン」と読ませるらしい。

これはコメントでshinoちゃんが言っているとおり、

炎天に白き歯清しポストマン

こう書くのがよし。
俳句は当て字とか特殊読みは基本しないんだってさ(受け売り)。そのまま読んで素直に読める読みにするべし!
カタカナに抵抗があるなら配達員で字余りか、配達夫だけど、ちょっと古さが出るし、カタカナの方が若さや清々しさが出る気がする

shinoちゃんは「清し」を「楽し」「涼し」にする添削をしてくれていて、それもとてもいいよね。ただ「涼し」は夏の季語なので、ちょっと迷うかも。

俺は、この「清し(すがし)」はアリだと思う。

むしろ「炎天に」の「に」かなあ。間違いじゃないし説明くさくもなってないので、もしかするといいかもしれないけれど。ここは、諸先輩方に聞きたいです!笑

例えば

炎天や白き歯清しポストマン

切れ字「や」を使うことで、ギラギラとした晴天と立っているだけで汗が滲むような暑さを感じさせる炎天の映像で切れ、そこから白い歯を見せて笑っているポストマンの清々しさ、そしてその口元へとクローズアップされると思う。

いや、それにしても、そこに注目する!?っていう視点がもう素敵すぎて羨ましいわ😏

涼しさを残し郵便バイクゆく 白月

というわけで、今回の道場風はalohaちゃんでした!alohaちゃんありがとう〜!😊


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