見出し画像

気をつけて!独学俳句あるあるその3

【追記】
この記事は、正解ではなく一つの考え方だよ。あくまで俳句のルールは有季定型のみ。この記事は1年間俳句を詠み続けて、どうも自分っていつも同じような句を詠んでいるなあと感じはじめた人向け😏

追記終わり

ひとことまとめ
季語を説明するだけの句に気をつけよう!
気持ちを安易に書かないように気をつけよう!
類想だけにならないように気をつけよう!

今日の記事は

今回の記事は中級編。
そして、これで独学俳句あるある記事は終わりになる。
なぜなら、俺は中級者で、まだ上級に至ってないからだ。

ちなみに、何をもって中級者とするか。
俺は目安にRxちゃんの記事を採用している

中級者 鑑賞数1000,作句数100

Rxちゃん記事より

詳しくはRxちゃんのこの記事を読んでもらいたい。

今日の記事は、俳句を独学ではじめ、有季定型の基本を押さえた初級者が、より良い俳句を詠むときに気をつけていることを、自戒も込めてまとめていく。

宇宙杯投句の参考にもなればうれしい。

これが宇宙杯だっ!!

中級編

季語の説明になってしまう問題

俳句の作り方はいろいろあるのだが、その中に季語から俳句を作っていくことがある。
例えば、プレバトでお馴染み、夏井いつき先生が選句をしてくださる俳句ポストというサイトがあるのだが、そこでは「兼題」といって、決められた季語をもとに俳句を読む。
このリンクで行けるので、自分の目でも確認してほしい。

https://haikutown.jp/post/

ちなみに、今は「暖か」という季語、その次が「薔薇」が兼題となっている。

せっかくだから、薔薇を例にとってみよう😏
薔薇はバラ、もしくはソウビと読む。
例えばこんな俳句

花びらを重ねた紅の薔薇匂う
薔薇の花白もピンクも鮮やかに

五七五だし、季語の薔薇もしっかり使って有季定型は守られている。

でも、ちょっと薔薇を想像してみて。

鮮やかで美しい色、豊かな香、茎のとげなどが浮かびあがるよね。

そう考えて、もう一度この二つの句を読んでみよう。
すると、単に「薔薇の花はいい匂いですよ」「薔薇の花は紅や白、ピンクの色をしていますよ」ということだけしか伝わってこないよね。

こういうのを季語の説明の句と言う。

まあ、ダメじゃないんだけど「へえ、そう。薔薇ってそうだよね。それで?」となる。
やはり、新鮮な気づきや驚き、発見などがほしいよね。

つい気持ちを言ってしまう問題

例えばこんな句。

なつかしき亡き母の味浅蜊汁
卒業の吾子の笑顔嬉し

これも、やってしまう気持ちはよくわかる。

でも気持ちを書いてしまうと、そこで読者の思考は停止する

なんなら「亡き母の味」というフレーズだけで言わなくても懐かしさは伝わるし、その上切なさやノスタルジーや自分の母の面影などもっと複雑な感情を読者に想像させる

吾子の笑顔と言わなくても、「卒業の吾子」というフレーズで、笑ったり泣いたり、充実した顔をしていたり、別れのそこはかとない寂しさや、あたらしい世界への旅立ちの気持ちなど、様々なものを伝えることができる。

気持ちを安易に伝えることで、逆に表現を狭めてしまうことになるので、気をつけたいものだ。

みんなが思いつきそう問題

じゃあ、季語の説明はしないぞ!気持ちの言葉を使わないぞと気合を入れて詠む。
しかし、そこにはさらに問題がでてくることがある。それが「みんなが思いつく」問題、つまり類想というものである。

これも、先ほど紹介した俳句ポストで、夏井先生が「月曜日」のところで紹介されている。
何万句という句が集まると、中には似通ったイメージの題材のものがたくさんあることが見えてくるらしい。

ちょっと長いが、以前の兼題「水仙」についての解説を見てみよう。

◆類想パターン
水仙の特徴
 「香りが良い」というのは言うまでもない大きな特徴です。この香りから、「清楚、すがすがしい、楚々、可憐」「凛とする 気品」「潔い、潔白」「寂しい 涙」「恋」「亡くなった人を偲ぶ」などのイメージが浮かんでいるのだと分かります。
 ただ、季語「水仙」とこれらのキーワードを取り合わせただけでは、独自性は薄いのです。
 ならば、と……花言葉、ナルキッソスの伝説などを詠み込んだ句もでてくるわけですが、「水仙」にそれらの言葉をプラスした段階で、十七音のうち半分以上を使ってしまうので、結果的には独自性アップには繋がりません。
 ちょっと意外だったのですが、「美智子妃」「上皇后」というキーワードの句がかなりありました。「阪神大震災時、美智子妃が水仙を手向けた」というエピソードからだと分かると、これを詩として昇華させるのもなかなかハードルが高いということになります。
 植物としての「毒がある」「葉が韮に似ている」という特徴を取り上げた句も多数。飾ろうととすると「そっぽを向く」「あっちこっちを向く」、生け花のテクニックとして「袴を取って形を整えてまた袴をはかせる」なども多かったですね。さらに「踊る」「囁く」などの安易な擬人化、「おちょぼ口」「卵の黄身のよう」「太陽のよう」などのありがちな見立ても目につきました。
 どんな場所に咲いているか。
 圧倒的に多かったのが、「崖」「海」「岬」などのキーワード。さらに固有名詞では、「淡路」「越前」「爪木崎」「東尋坊」などが他出。たしかに水仙の名所ですから、仕方ないといえば仕方ないのですが、固有名詞は季語に匹敵するぐらいに大きなイメージをもっているものもあり、バランスの取り方には気を使う必要があります。
 屋内に飾るという発想から「玄関」「床の間」「窓辺」「仏間」「文机」なども多かったですね。「水仙」に限らず、植物系が多いのは「庭(の隅)」「道の左右」「空き家・廃屋」など。「主なき庭の○○」「主なき家の○○」は、鉄板の類想です。

俳句ポスト中級「月曜日」夏井先生解説より

こんなふうにめった切りにされている笑

類想が悪いわけではないが、どっかで見たことあるなというのは表現者にとって褒め言葉ではない。
類想の中に独自性が入れられるよう、これも気をつけていきたい。



この記事が参加している募集

お読みくださりありがとうございます。拙いながら一生懸命書きます! サポートの輪がつながっていくように、私も誰かのサポートのために使わせていただきます!