気をつけて!独学俳句あるあるその3
今日の記事は
今回の記事は中級編。
そして、これで独学俳句あるある記事は終わりになる。
なぜなら、俺は中級者で、まだ上級に至ってないからだ。
ちなみに、何をもって中級者とするか。
俺は目安にRxちゃんの記事を採用している。
詳しくはRxちゃんのこの記事を読んでもらいたい。
今日の記事は、俳句を独学ではじめ、有季定型の基本を押さえた初級者が、より良い俳句を詠むときに気をつけていることを、自戒も込めてまとめていく。
宇宙杯投句の参考にもなればうれしい。
これが宇宙杯だっ!!
中級編
季語の説明になってしまう問題
俳句の作り方はいろいろあるのだが、その中に季語から俳句を作っていくことがある。
例えば、プレバトでお馴染み、夏井いつき先生が選句をしてくださる俳句ポストというサイトがあるのだが、そこでは「兼題」といって、決められた季語をもとに俳句を読む。
このリンクで行けるので、自分の目でも確認してほしい。
ちなみに、今は「暖か」という季語、その次が「薔薇」が兼題となっている。
せっかくだから、薔薇を例にとってみよう😏
薔薇はバラ、もしくはソウビと読む。
例えばこんな俳句
花びらを重ねた紅の薔薇匂う
薔薇の花白もピンクも鮮やかに
五七五だし、季語の薔薇もしっかり使って有季定型は守られている。
でも、ちょっと薔薇を想像してみて。
鮮やかで美しい色、豊かな香、茎のとげなどが浮かびあがるよね。
そう考えて、もう一度この二つの句を読んでみよう。
すると、単に「薔薇の花はいい匂いですよ」「薔薇の花は紅や白、ピンクの色をしていますよ」ということだけしか伝わってこないよね。
こういうのを季語の説明の句と言う。
まあ、ダメじゃないんだけど「へえ、そう。薔薇ってそうだよね。それで?」となる。
やはり、新鮮な気づきや驚き、発見などがほしいよね。
つい気持ちを言ってしまう問題
例えばこんな句。
なつかしき亡き母の味浅蜊汁
卒業の吾子の笑顔に吾も嬉し
これも、やってしまう気持ちはよくわかる。
でも気持ちを書いてしまうと、そこで読者の思考は停止する。
なんなら「亡き母の味」というフレーズだけで言わなくても懐かしさは伝わるし、その上切なさやノスタルジーや自分の母の面影などもっと複雑な感情を読者に想像させる。
吾子の笑顔と言わなくても、「卒業の吾子」というフレーズで、笑ったり泣いたり、充実した顔をしていたり、別れのそこはかとない寂しさや、あたらしい世界への旅立ちの気持ちなど、様々なものを伝えることができる。
気持ちを安易に伝えることで、逆に表現を狭めてしまうことになるので、気をつけたいものだ。
みんなが思いつきそう問題
じゃあ、季語の説明はしないぞ!気持ちの言葉を使わないぞと気合を入れて詠む。
しかし、そこにはさらに問題がでてくることがある。それが「みんなが思いつく」問題、つまり類想というものである。
これも、先ほど紹介した俳句ポストで、夏井先生が「月曜日」のところで紹介されている。
何万句という句が集まると、中には似通ったイメージの題材のものがたくさんあることが見えてくるらしい。
ちょっと長いが、以前の兼題「水仙」についての解説を見てみよう。
こんなふうにめった切りにされている笑
類想が悪いわけではないが、どっかで見たことあるなというのは表現者にとって褒め言葉ではない。
類想の中に独自性が入れられるよう、これも気をつけていきたい。
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