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秋の蚊帳一句

目覚むれば朝勤ちょうごんのこゑ秋の蚊帳


蚊帳というと、俺は母方の祖父母の家を思い出す。
叔父が使っていた蚊帳は、幼い俺の遊び場の一つだった。よく潜り込んでは、そこで眠ることに情景を募らせていた。

いつもは叔父が朝早いので、そこで寝ることはなかったが、無理を言って一緒に寝させてもらったことがある。

明くる朝、遠くから聴こえる祖父の読経で目が覚めた。祖父母の家は叔父の眠る母家と、祖父母や叔母が眠る新しい家に分かれていた。

叔父は既に仕事に出ていていない。
四方を真っ白に包まれて目覚めた蚊帳の中は、何か別の世界のようだった。


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