【教育】きらりと光る作文の書き方ー高校入試小論文編ー

やあ、このシリーズもなぜか好評なので、調子に乗ってもう一つ書いてみることにしたよ。

今回は小論文について。

その中でも、高校の推薦入試などに求められる600字程度の「小論文」について書いてみよう。

小論文とは何ぞや

小論文という名前から推測すると

さな、自分のを述べた、章」

これが小論文ということになるだろうか。

小とついているけれど、要は論文。あるテーマに基づいて、自分の意見(主張)を説明する文章と言い換えてもいいだろう。

だから、小論文で求められるのは、テーマに対する自分の主張を明確に述べることができるか、ということだ。

ちなみに、自分の論を説明していく文章のことを、国語では「論説文」といって、総じて「説明的な文章」というくくりの中に入れている。一方、小説や物語は「文学的な文章」というくくりだ。

作文でいうと、生活作文や読書感想文の作り方は、文学的な文章に近く「自分の変容」を書くのがポイントになる。

つまり「生活作文や読書感想文」と「小論文」とは、全く種類の違う文章だいうことだ。

小論文は

テーマに対する自分の主張を明確に述べる文章

と定義しておく。

小論文の基本的な書き方

小論文が、これまで述べてきた生活作文や読書感想文と違うとはいえ、文書を書くときの手順は同じだ。

この記事で書いた手順を小論文に当てはまると以下のようになる。

①テーマに対する意見をひとことで書く(結論
②その意見を支える根拠となる具体例や考えを集め、選び、順序立てる(本論
③書き出しを考える(序論
④題名をつける(題名が必要な場合)

このように説明的な文章は、

三段構成「序論・本論・結論」

という基本的な構成になっていることも押さえておこう。

高校入試でよくあるテーマの書き方

さて、ここからは実践的なコツの話。

高校入試で小論文を出題する場合、出題者の意図には大きく2つの種類がある

1つは、①論理的思考力を判断したいと言う意図
もう1つは、②生徒の意欲を判断したいと言う意図だ。

自分の受験する高校がどちらの意図を持っているか、過去問を調べて確認しておこう。学校の進路担当の先生や塾などで確認してみるといい。

①論理的思考力を判断したいと言う意図の場合

いわゆる進学校に多い課題形式がこちらだ。

パターンとしては、

a.あるテーマに基づいた文章を読んだ上で、そのテーマに対する自分の主張を述べさせる
b.複数の資料(図表などのデータや文章)を提示し、それを根拠に、あるテーマについて自分の主張を述べさせる
c.簡潔なテーマが与えられ、それについての自分の主張を述べさせる

こんなところだが、共通していえるのは練習しておかないと一朝一夕ではいかないこと。

んー、これについては別稿で語らないといけないかもな。

練習方法をざっくりいうと

時事問題をテーマに自分の意見を書いてみる。今でいうと、SDGs関連とかね。
新聞の論説(天声人語とか)を読んで、そのテーマに対する相手の意見をまとめたうえで、自分の意見を書いてみる。

こういったことをやっておこう。

②生徒の意欲を判断したいと言う意図の場合

こちらは、多くの高校で採用されている課題。

大きく分けると、以下の3つのテーマのうち、いずれかを聞かれることが多い。

・中学校時代にがんばったこと
・高校で頑張りたいこと
・将来の夢

だから、この三つのテーマで自分の意見を書けるよう練習しておくことが大切だ。

ここからはナイショだが🤫実はこの三つのテーマは関連付けてしまえば、全て同じ内容で書ける😏

600字の小論文を例にとってみよう。

イメージはこうだ。

・中学校時代にがんばったこと 200字
・高校で頑張りたいこと 200字
・将来の夢 200字
この3つの200字作文を組み合わせる!

あとは、順序を考えてメインテーマを結論にすえることと、少し軽重をつけて、結論に重みをつけるように調整するだけである。

では、実際にプロットを立てながら説明しよう。

小論文プロットづくりの実際

①3つのひとこと結論

1️⃣中学校で頑張ったこと例
私は、中学校で◯◯部の主将として、部をまとめ、部員全体が充実した部活動になるように努力した。
2️⃣高校で頑張りたいこと例
私は、高校で部活動と学習を両立させながら、学校生活で積極的に自分の力を発揮したい。
3️⃣将来の夢例
私は、将来地域の方々と関わりながら故郷である◯◯を活性化させていくような取り組みをしたいと考えている。

先ほど述べたように、3つの200字作文を書いてくっつけるイメージなので、それぞれでひとこと結論を書く必要がある

②3つをつなぐ串を探す

次にやることはバラバラである3つを一つにつなげるために「自分が中学校生活で伸ばしてきた、高校生活でさらに伸ばしたいと思っていて、将来の夢につながっていくであろう」キーワードを見つけることだ。

例えば上記の例でいうと、「部をまとめ」「積極的に自分の力を発揮」「地域の方々とかかわる」あたりがつなげられそうだ。

「周りの人たちをまとめ、一緒に良い環境を作り上げていく力」→「まとめる力

3つの200字作文を、「まとめる力」をキーワードにつなげよう

これで、方向性が定まった。

あ、お気づきの方もいると思うが、このキーワードを先に考えておく順番でも良い。そうすると3つのひとこと結論に、キーワードを盛り込むことができるからだ。

そうすると、先のひとこと結論は

1️⃣中学校で頑張ったこと例
私は、中学校で◯◯部の主将として、部をまとめ、部員全体が充実した部活動になるように努力した。
2️⃣高校で頑張りたいこと例
私は、(高校で部活動と学習を両立させながら、)学校生活で積極的に生徒会活動や役員など、みんなをまとめる立場に挑戦し、自分の力を発揮したい。
3️⃣将来の夢例
私は、将来地域の方々と関わって、地域の意見をまとめ、地域を活性化させていくような取り組みをしたいと考えている。

というように、キーワードを盛り込んで表現できる。

ただ、キーワードって結構パッと思いつかなくって、具体的に考えてから共通項探す方が見つけやすいんだよな。そういうわけで、この順番にしてみた。

③並びかえる

といっても、この3つは同等の関係なのでどう並べても問題はない。つなぎ方を少しいじるだけである。

中学校で頑張ったこと(印象に残ったなど)の場合

3️⃣将来の夢→1️⃣中学校時代で頑張ったこと→2️⃣高校で頑張りたいこと

私は、将来地域の方々と関わって、地域の意見をまとめ、地域を活性化させていくような取り組みをしたいと考えている。
 そのため私は、中学校でも率先してみんなをまとめる役を担ってきた。例えば、中学校で◯◯部の主将として部をまとめ〜
 貴校に入学したら、これまでの経験を生かし、学校生活で積極的に生徒会活動や役員など、みんなをまとめる立場に挑戦し、自分の力を発揮していきたい。

ポイントは、
本論に中学校で頑張ったことを持ってきて、具体的に語ることでボリュームを出すこと。
その上で、結論に短く高校での抱負を添えること。

本来ならテーマが結論に来るべきだが、実は相手が知りたいのは、中学校時代頑張ったことを、どのように高校で生かしてくれるかというところだからだ。

これを相手意識という。

高校で頑張りたいこと(抱負・目標など)の場合

2️⃣高校で頑張りたいこと→3️⃣将来の夢→1️⃣中学校時代で頑張ったこと→2️⃣高校で頑張りたいこと

私は、高校で、生徒会活動をはじめ、さまざまな役員に率先して挑戦し、みんなをまとめる力を身につけたいと考えている。
私は、将来地域の方々と関わって、地域の意見をまとめ、地域を活性化させていくような取り組みをしたいという夢がある。
 そのため私は、中学校でもみんなの意見をまとめ、形にする役割を率先して取り組んできた。例えば部活動では、キャプテンとして部をまとめ、みんなが充実した部活動をできるように努力した。このような経験を通して、◯◯や⬜︎⬜︎など多くのことを学んだ。
 貴校では、体育大会や文化祭なども生徒が主体となって実行委員会をつくり運営するなど、生徒の自主性を重んじた校風だと聞いている。私もそのような場で、周囲と協力しながら、みんなをまとめていく経験を積み、さらに成長していきたい。

さて、こちらは、高校が最も知りたい「この生徒は自分の学校にどんな目標を持って進学してくるのか」ということをストレートに聞いている課題なので、こちらも、双括型という文章の型を使って、アピールを高める。最初と最後に結論を持ってくる型だ。

将来の夢(目標・希望など)の場合

3️⃣将来の夢→1️⃣中学校時代で頑張ったこと→2️⃣高校で頑張りたいこと→3️⃣将来の夢

私は、将来地域の方々と関わって、地域の意見をまとめ、地域を活性化させていくような取り組みをしたいと考えている。
 そのため私は、中学校でも率先してみんなをまとめる役を担ってきた。例えば、中学校で◯◯部の主将として部をまとめ〜
 貴校に入学したら、これまでの経験を生かし、学校生活で積極的に生徒会活動や役員など、みんなをまとめる立場に挑戦し、自分の力を発揮していきたい。
 そして、将来貴校で培った力を生かして、自分の故郷である◯◯を支える一人として努力していきたい。

こちらも、双括型でせめてみた。言うまでもないが、例によって高校が聞きたいのは、高校にどんな目的意識を持って来るかということなので、将来の夢に向かって高校で頑張りたいことを書くとよい。

ほとんど中学校で頑張ったことと変わらないのがわかるだろう。

このように、3つの200字作文を自分の武器として持っておくことで、この三つの課題は恐るるにたらず。練習しておこう。

まとめ

今回は、高校入試の小論文課題を中心に書いてきた。特に後半に示した3つの200字作文組み合わせ術は使えるうえに、面接で聞かれる質問に向けての考えの整理にも使えるので、基本練習として必ず取り組んでおこう。

別稿に譲ると書いた小論文については、近日書くけれど、今日は力尽きたのでこの辺で😏






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