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クレームと青白い怒りと その1

以前私は家電量販店で働いていた。若い頃ビックカメラ、結婚後にケーズデンキで、だ。あえて社名も出しているが、特にビックカメラは30年近くも前の話、今とはまるで別の会社(になっている)ハズ………まあ時効だろう

ビックカメラ本店
池袋にあるこちらに面接に行ったのを覚えている
今ほど綺麗じゃなかったが場所は変わらない


当時はなかなかハードな会社だった。労働基準法?なにそれ?美味しいの?というほどのブラックさである。とはいえ悪い企業だったかと言えば………そうでもない。ただ時間の長さとか商品の在庫とか、問題は大変に多かった


東芝Librettoという、超小型PC(といっていいのかは分からないが)など、ロフト(?)の倉庫へ投げ入れる(もちろんキャッチする人はいるわけだが)のは当たり前、ノートPCさえ投げていたし………まあ今思えば有り得ないような扱いも多かった

こちらが東芝Librettoだ
ぶっちゃけ小さすぎてキーボード打てない……
まあ当時はPCはど素人だったので
どちらにせよ使いこなせるものじゃなかったのだが……


それでも1日売上の新記録が出た時は金一封もあったし、社員旅行もあったりで意外と待遇はよかった(ところもあった)。ここも体調不良でやめなければいけなかったが、去る者は追わずなここでも、わざわざ店長が見舞いにきてくれたりと特別優遇されたのは良い思いでである(期待に応えられなかったのは残念だったが)


しばらくの間が空いて、いろんな会社を渡り歩いてたどり着いた会社がケーズデンキだった。こちらは地元に新規出店してきて、そのオープニングスタッフを集めていたのを見つけ、慌てて求人に応募した。まあビックカメラの実績もありすぐに入社することができた(準社員だったけど)。これはタイミングがよかったけど悪かった。社員じゃなかったから……

ここじゃないけどケーズデンキ
どうやら赤白な会社に縁があるらしい
こちらは珍しいほどのホワイト企業


それでも頑張って働くのだが、グランドオープンで問題が起きた。売価の問題だ。ビックカメラは値引きがなかった。それこそ今はわからないが、徹底した価格調査のためヨドバシの値段はわかっている。だからこそ値段は日々更新されており、一番安いです!と言い張っていけた。当然値引き交渉はしない。売価はそのまま。特例の時は上司の判断なので自己責任はなかった


ところが、だ。ケーズデンキやヤマダ電機は決裁権がある程度以上認められてたりする。なのでいくらで売っていいのか、いきなりだと混乱するのだ。特にオープン記念なんかなおさらいくらにすりゃいいかなんか、分かるはずもなかった。しばらくの間はこれが一番しんどかった


ある程度良識の範囲というのがあるし、各売り場で決められた○○(例えばテレビ)の最低価格とかはあったりした。でも特にPCは原価割れでも販売してたりしたので、なおさらよくわからない………iPodが出てきたあたりのApple製品も全くいい加減に付けてた覚えがある(担当がいけないのだ!)


まあそんな中でも慣れてから粗利優先でやってた私は、PC担当で販売額の高い中でも高い利益率(といってもPC担当では、だが)を誇ってた。それもこれも様々なものを売っていたおかげでもある。販売力もあったため、常に全体のトップ2にもなっていた………


って今回の話はクレームがメインだった!と1200文字超えたところで気がついた。で、体調不良は以前の記事でもあるように、この頃も(というか厳密には一番)痛みが酷い時期だ。そのため休みがちになることもあり、一時的PCサポートに回されていたことがある。ほぼ全店で初の試みだったらしい


なのでどこまでが範囲なのかもイマイチよくわからず、まあ何でも屋的なイメージで取り組んでみた。新型PCの展示とか(本当は本体担当の仕事だったりしたが)展示機の再セットアップ、疑問点の回答etc…だが一番厄介なものは

クレーム対応


だった。もちろん上長が対応することも多いのだが、やはり一番使い勝手がいいのはサポートではある。というわけで矢面に立たされることも多かった


修理費の事とかも値段の高さですぐに揉めることになるし………これは今もそうだろうが、PCの電源入らないとか動かないとかは、大抵マザーボードの故障とかハードディスクの故障だ。で、メーカー修理が安いわけが無い。事前に「すごく高くなりますよ」と伝えていても、なおトラブルになることもあった


で、様々なクレームが我が身には降り掛かってくる。ここではそんな中で面白かったor大変だったものを紹介しよう

これはクレームではないのだが………意外とあったのは中高生からの電話。電話受けもPCサポートの仕事の1つだった。切羽詰まってかかってくる電話、大抵内容は同じだった

変な回線で繋がっちゃって変なサイトに飛んじゃう!


…………つまりはエロサイト見てたらダイヤルQ2で繋がっちゃった!という話だ。今はありえないのだが、電話回線使ってるとエロサイト踏んだ時にダイヤルQ2という、特別回線で繋がるように改悪されちゃう、というものだ。その後高額請求されることになる、まさに当時のネットの恐ろしさを存分に体験することに………

悪魔のアクセス………
知らず知らず踏み込んでしまうことがある
とはいえほとんどがエロサイトだったが

で、親が帰ってくる前に直したいんです!!というのまでがワンセット。とはいえ電話でダイヤルアップの再設定を教えることなんてほぼ無理。何せ相手の情報わからないし………というわけで答えは

「お父さんにだけナイショで話して、直してもらってください」

と言うしかない。お母さんにバレるよりははるかにマシなはず。あとは設定できるのは当時は男性の方がはるかに多かった、というのもある


余談だが、それ以前に働いてたレンタルサーバーの営業の時、事務所で誰かがこれに引っかかり一部電話が全てダイヤルQ2になり、莫大な金額請求がきて内部査察されるという、トップのマネージャーには大打撃、我々サブマネージャー達は大爆笑な出来事があった。まあ……犯人は(十中八九)マネージャーなので我々にとっては対岸の火事だし、今も笑い話だ


さてさて他にも多数の忘れられないクレームの数々がある。それはまた続きで……特にタイトルの青白い怒りは一番忘れられない出来事だったし………


というわけで続く


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