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今日の1冊 その1

続き物のことはひとまず置いといて………
LINEブログでもやっていた、「今日の○○」シリーズをNOTEでもやってみようと思う。もちろん毎日片っ端からやってたらキリがない。今の私はそこまで余裕もないし……
というわけでできれば毎日、何かしらで続けていきたいと思う

今回は本の紹介。さて気になる第1冊目は………こちら!

機動戦士ガンダムUC 6 重力の井戸の底で

スニーカー文庫その他が後で出たが、やはり1番は安彦良和氏の表紙だろう


さてガンダム、しかもあろう事か途中巻だ。もちろんこれには理由がある。まず「機動戦士ガンダムUC」は小説から始まった。当然アニメ化ありきなところはあったものの、この時点ではオープンにはされてなかった。つまり小説読まなきゃ内容がわからない、そんな作品だった

そしてなにより、小説としての完成度はやたら高い、私はそう思っている。下手な文豪持ち出すよりも、心に染みる作品だと感じている。その中で最もアニメと異なる内容なのがこの巻だと思うのだ

簡単にあらすじに触れておこう

宇宙ステーション「ラプラス」での戦闘の末、地球に落下したユニコーンと貨物船ガランシェールはサハラ砂漠に墜落していた。先の出来事から塞ぎ込んでいたバナージはキャプテン ジンネマンに無理やり砂漠越えの伴をさせられることに

立ち直り目的を達し絆を強くした2人の前に現れたのは、ムスリムの少女ロニだった。彼女に案内され向かったのは、ラプラスプログラムが次に指し示した場所、地球連邦首都ダカール。そこで待ち受けるのは「ドバイの末裔」ロニの父マハディー・ガーベイ……そして物語は大きく展開していく!

ドバイの末裔 マハディー・ガーベイ
なかなか難しい人物とされている


とまあこんな感じ………でいいと思う。さてアニメのみ観た方々は話が少し違うことに気がついているだろう。そう、ロニの父は生きているし、そもそもムスリムなのだ。ジオン残党にしなければならなかったのは………もうお分かりかと思うが宗教絡みだから。そしてカークスとは全く別の登場となる。彼は次の「黒いユニコーン」で、改めてジオン残党のおっさん司令として出てくる(なのでアニメほど容姿はよくない)

小説の何が良かったのか………それはもちろん読んで確認してもらいたい。だがそれじゃ紹介したことにはならないので、かるーく触れよう。まず、バナージとジンネマン、それぞれの心の動きや感じ方が丁寧に描写されている。砂漠の過酷さも、だからこそバナージが感じた文明についての思い、マハディーとの会見の後2人が訪れた酒場での会話etc…

そして「ドバイの末裔」の長きに渡る怨念。ダカール市内でモビルスーツという巨人達の争いに巻き込まれる市民達。まだ闇堕ちしきる前のリディ少尉の焦りetc…見所は山ほどあるし、アニメでのモビルスーツ戦に重きを置いた描写とはまたひとつ違う、小説だからこそ書けること………メディアの差がよく分かるのだ

スニーカー文庫版の表紙
ロニとバナージの関係性を一番よく示している


もちろん、だからアニメはダメ!という話では無い。双方が補完しあう物語……それがガンダムUCという作品なのだと私は思う。少なくとも他のガンダム作品の小説化などとは異なる、最初からメディアミックスを考えて作られた物語なのだ

とはいえガンダムを抜きにしても、小説として読んだ時でもこの作品は素晴らしいものだと思う。シリーズ通して読んでみても、人の思いや出来事が丁寧に書かれているし、戦争の悲惨さ、そして綺麗事では済まされない現実、それでも!と言う人の強さなど、感じるものがあるはずだ


小説好きにも、アニメ好きにも、自信を持って紹介できる1冊だ。是非とも手に取ってほしい!

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