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温泉界の非常識、有馬温泉の謎ーその1(ものすごく塩辛い温泉、世界一かも)

塩分濃度が世界一といわれる有馬の温泉。海水の1.5倍から2倍あります。
それは何故?どのような効果があるのか!?
有馬の温泉の特殊性を語る1番目、超高張泉について話しましょう。

温泉に来たからには温泉に長く入らないと損だと思って長湯をする人がおられます。有馬の温泉は長湯をすると湯あたりをする場合があるので注意して欲しいのです。「女性のお風呂で倒れた!」って報告があると、行くのが恥ずかしくて躊躇するのです。ほんと(笑)

温泉の種類の中で、低張泉、中張泉、高張泉という分類があるのです。
人間の身体の塩分濃度は約1%(0.9%)お吸い物の塩分濃度は1%。肉を焼く時にあらかじめ塩を振るのも塩分濃度を1%にして美味しく感じるようにします。

中張泉とは人間の塩分濃度と同じ1%ぐらいの温泉をいいます。

低張泉は塩分濃度がほとんどない温泉。

高張泉は人間の身体の塩分濃度より濃い温泉です。

(1)有馬温泉は超高張泉

有馬温泉は神戸市。神戸の市街地の後方に標高約1000mの六甲山の山並みがあり、六甲山の北側、標高約400mの所に有馬温泉は位置しています。

有馬の泉源に行くと説明板が立っています。見て頂くと、200m掘削している事がわかります。有馬の標高400mだから海抜200mの所から温泉が湧いている事がわかってもらえると思います。

S7408600天神泉源

神戸港の海水の塩分濃度は約3%。太平洋のど真ん中は4%ぐらいだと言われています。汽水域は川の真水が流れて来るから塩分濃度が薄いのです。
有馬の泉源の中で天神泉源の塩分濃度が一番高いのだが、約6%ある。この事から「有馬温泉の塩分濃度は海水の1.5倍から2倍ある」と言っているのです。

京都大学名誉教授の西村進先生は「浴用に利用されている温泉としては、世界一有馬は塩分濃度がある温泉だ!」ってよく言われます。
(先生の論文は下記にリンクしました。)

http://www.j-hss.org/journal/back_number/vol60_pdf/vol60no4_481_491.pdf

(2)超高張泉の効用

温泉に塩分濃度が含まれていると保温効果があります。冬場に温泉に入っても湯冷めがしない。良く温まる事から“熱の湯”ともいわれています。

不快害虫にナメクジがいます。ナメクジが現れたら塩をかけると浸透圧の作用でナメクジの身体の水分が塩に吸い取られて小さく硬くなって死んでしまう。経験のある人は多いのではないですか?

濃い塩分濃度の有馬の温泉に入浴すれば、ナメクジと同様に身体の水分が温泉に取られてしまう。その替わり温泉の成分が身体の中に取り込まれるので、薬効成分がいっぱいの有馬の温泉が効率的に味わえることになるのです。日本三名泉や日本三薬湯といわれる所以でもあります。

(3)温泉の入浴時間

「どれぐらい入ると長湯なの?」といわれそうです。

ビートたけしの「みんなの家庭の医学」という番組で有馬温泉が取り上げられたことがあります。

女優の茅島成美は70歳となり、ヒザ痛で苦しんでいおられ「医療法人 甲風会 有馬温泉」で茅島成美の歩き方をチェックすると、9秒12となり入浴後に変化を確認する事にしました。

温泉病院の前田先生からの支持で15分間の入浴胸までしっかり浸かり。1泊2日で3回入浴しました。塩分が肌をコーティングすることで保湿効果が高まり、発痛物質が流れ痛みが軽減するという。さらに塩分の溶けた温泉で身体が早く温める効果を感じてもらったと思います。

翌日、有馬の温泉寺前の階段を下る時、普通にまっすぐ正面を向いて降りることが出来た。前日は斜め向いてしか降りれなかった。そして歩き方も、はるかに早くなった。そんな番組が放映されたことがあります。

(4)有馬の温泉に入ったら

有馬の温泉で長湯をすると湯あたりを起こしやすいのも超高張泉だからです。湯上りには水分補給して下さい。

御所坊には湯上り処を設けており、2021年6月現在“水素水”を取り入れようかと考えています。有馬の温泉と相性が良いと思うのです。
有馬の温泉は他地域の温泉と大きな違いがあり、世界を見渡しても唯一だと思います。その辺のことをシリーズで書いていきたいと思っています。






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