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文章としては問題がないが、掲載される媒体やシチュエーションではNG。スマホの場合、クリックではなくタップとなる。

とはいえ、PCは仕事において欠かせないツールではあるので、まだまだクリックするという動詞は通じるだろう。

誰かにメールを送る時、文章を確認して返信が来ることを期待して、意を決して送信ボタンをクリックする。そんな経験は誰もがあるはずで、かく言う自分も初めて仕事の連絡をするときはいつも気を使う。

shiroANプロジェクトにおける自分の最初の仕事は、shiroANのキャラクターデザインを担うイラストレーターを探すことだった。

2021年当時、すでにVTuberは人気絶頂期でもあり著名なイラストレーターも数多くVTuberのキャラクターデザインを担当していた(界隈としてはママになるという)。そういった方々はもちろん、ファンアートなどをSNSなどに上げている人まで幅広くリサーチしていく。

のだが、自分の中では候補となる人の名前はすでに浮かんでいた。

時をさらにさかのぼる。2014年、KADOKAWAのゲーム系の編集部で自分がフリーランスの編集・ライターの駆け出しをしていた頃。

当時リニューアルすることが決定していた読者ページの内容を考えてほしいというお達しが、編集者として自分の初めての企画になった。

雑誌の読者ページは、全盛の時代から今に至るまで、読者と雑誌を繋ぐ架け橋のようなページだ。すくなくとも自分はそう思っていたし、どうせやるならただの読者ページではなく、キャラクターコンテンツとしても育てていきたい。

それは『シスター・プリンセス』や『ラブライブ!』など読者参加型企画で有名な「電撃G'sマガジン」に中学生の頃に出会い、そしてその編集部でアルバイトとして経験を積んだ自分ならではの思想だったと言える。

ではどのようなコンセプトで読者ページのキャラクターを生み出すのか? 

当時の自分は、アンバサダーという言葉に注目した。アンバサダーとは一般的には親善大使というような訳され方をする言葉だが、ニュアンスとしてはそのものの魅力を誰かに伝える存在だ。

コンセプトとしては、現在のYouTuberやVTuberと共通点が多く、我ながら時代の先取りはしていたのだと今にして思う。

美少女PCゲーム系の雑誌の読者ページ企画だったので、美少女PCゲームが好きなキャラクターたちがアンバサダーとしてそれぞれの好みや視点、個性に応じて読者からの投稿をピックアップしたりおすすめゲームを募集したりする。

そんな読者ページを作りたいという旨を拙いながら企画書にまとめ、編集長の承認をとって、キャラクターデザイナーとライターを探すことに。先輩編集のツテで同年代の若いイラストレーターの方を紹介してもらい、一番魅力的なキャラクターを描かれていた人にお願いすることになった。

そうして生み出された3人組のキャラクターたちは「クリック☆」というユニットになった。美少女PCゲームなので、身近な響きでありわかりやすい。アメリカンプロレスファンでもあるので、ショーン・マイケルズやHHHらがかつて組んでいたバックステージのグループ名称から取ったという今だからこそ言える裏話もある。

そして、そんな「クリック☆」のキャラクターデザインを担当してくれたイラストレーターこそが、shiroANのキャラクターデザイナー(ママ)となるときちさんなのだった。

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