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激しすぎるハリケーン中継

大西洋で生まれた熱帯低気圧9号が急発達し
ハリケーンIAN(イアン)となり大暴れ!
アメリカは今週この話題で持ちきりです。

<ハリケーンの経緯>

23日に熱帯低気圧が発生した時点ですでに
急発達してメジャーな勢力でフロリダに向かう”と予報が出ていました。
これがまず凄い!
これを受けてフロリダがすぐに緊急事態宣言を発令。
これも早い!上陸の5日前です。

この間、全米中の気象台がハリケーン予報に協力します。
遠く離れたワシントン州(西海岸、カナダの隣)でも
ゾンデ観測という風船での上空の観測をいつもの倍の4回に増強。

ハリケーンはやがて勢力を増してカリブ海へ。
27日にはキューバを直撃し、全島を停電させました。
この時すでにカテゴリー3、5段階の上から3番目の勢力になっていました。

その後も暖かい海の上で発達を続け
最盛時の風力が155マイル(69.29メートル)
あと2マイル強ければカテゴリー5という所でした。
上の画像はフロリダ上陸直前のもの。

<危険なハリケーン中継>

フロリダでは250万人に避難命令が出され
街中は閑散としていましたが、そんな中でも
ハリケーン中継で有名なウェザーチャンネル
10名近いキャスターを現地に派遣していたのでした。
こんな事、日本ではあり得ません!

ハリケーン中継のために配置されたキャスターたち

その後のハリケーンの猛威はニュースでご覧の通り。
フロリダ史上最悪だと言われています。

名物のハリケーン中継も迫力あるものとなりました。
生放送中に大きな木の枝がベテランキャスターに飛んできて倒れる場面も。

<こんな所もブレイク>

アメリカには「ハリケーンハンター」というお仕事があります。
ハリケーンの雲の中を飛んでデータを集める危険だけど大切な仕事で
彼らは公務員です。

ハリケーンハンターの映像がバズり
彼のアカウントはフォロワーが一気に56万人近くになりました。
私もローカル局のニュースでこの映像を見ました。
今回のハリケーンに対する全米の注目の高さが伺えます。

<反応はいろいろ>

ハリケーンは一旦海へ出た後北上し
サウスカロライナに3度目の上陸をしました。
現在はPost Tropical Cyclone・元熱帯低気圧という状態で
内陸部を弱まりながら進んでいます。
危険はまだ続いていますが、予報の現場の峠は越えました。

最近、FOX放送がFOX WEATHERという天気部門を立ち上げたのですが
こちらもかなり過激な中継をしていました。
今後、ウェザーチャンネルに張り合うかもしれません。

ストームチェイサー、ハリケーンハンターなどと呼ばれる
個人で危険な気象現象を追いかけて映像を売る人たちもたくさんいます。
避難をせずに
危険なエリアにあえて出かけて写真を撮る人も沢山。
SNS時代で数が増しているかも。

危険な中継をしたウェザーチャンネルは
気象関係団体としては初めてTikTokのフォロワーが100万人を超えたそうです。

こうした状況に関しては大手メディアのニューヨークタイムズも
ここまで危険を冒す意味があるのかと疑問を呈しています

危険な行為に対して眉をひそめる人もいれば
ドキドキしながらスリルを楽しむ視聴者もいる。
警報下の危険行為も
"at your own risk" ご自身の責任でどうぞという雰囲気。
いろんな人たちがそれぞれのスタイルで共存している。
ここは個人主義で自由の国アメリカなのだなと
あらためて感じさせらた
今回のハリケーン上陸劇でした。

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